前回は、ビートたけしがダウンタウンの漫才を「進化だ」といって評価した。今回は島田紳助によるダウンタウン評を見てみましょう。たぶん、これ自体は以前に書いたと思うが、あらためて取り上げよう。
第4回:最近、ダウンタウンの活動を振り返る番組、多くないですか?②
NHK総合『アナザーストーリーズ 運命の分岐点 笑いの革命者たち~吉本NSC の挑戦~』(2022年4月22日放送)で紹介されたラジオの音源(ラジオ大阪の番組『心斎橋 わしらはお笑い探検隊』(1985))より。
これを聞くと、島田紳助は、ビートたけしと同じように、ダウンタウンの漫才は「進化だ」と考えていたかどうかわからない。面白いと思っているのは間違いないと思うが。
ただ、1985年当時は、紳助・竜介のようなスピード感のある漫才が主流であって、ダウンタウンの漫才はワイン造りのように渋い「職人技」みたいなもんと考えていたかもね。これは主流でないから売れないんじゃないか、ということなんだろうね。
ただ、それはあくまでも表面的というか、テクニカルな部分なんだろう。ダウンタウンには、そもそも「ハイスピード」は合わないし。松本さんって、昔はもっとモゴモゴしゃべっていたし。
ビートたけしの評価と島田紳助の評価、これらふたつを比べてみるだけで、ダウンタウンの漫才がけっこう立体的にみえてくるはずだ。私がこれからやりたいことって、いろんな方向から見つめてみたいってこと。分析ってそういうことだよね。
では、また次回。(梅)