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感謝する力|営業コンピテンシー

ハイパフォーマー(優れた成果を出す人)に共通して見られる行動特性のことを「コンピテンシー」と呼びます。
私は、社会人になって一貫して営業と関わってきました。
その経験を経て、営業職に必要なコンピテンシーを整理してみました。
今日は、その中の1つ「感謝する力」について、書いていきます。

はじめにお伝えしておくと、今回のコンピテンシー「感謝する力」は価値観によるところが大きく、あまり再現性は高くないのかなと思っていますが、何らかのヒントになれば幸いです。

そもそも営業とは?

本題に入る前に、そもそも営業とは何かについて、目線を合わせたいと思います。

営業とは、以下の3つの一連のプロセスを担う仕事です。
①(自社の)サービスや商品にニーズを持つ顧客を見つけること
・顧客とは、特定された法人や個人を指します。
・一定の属性によって分類されたマーケティングのターゲティングとは異なります。(年代や性別、ライフスタイルなど)
②顧客に関してのリサーチを行うこと
・顧客に関する情報を入手し、顧客の課題やニーズを把握します。
・広く公開されている情報だけではなく、顧客との接点を持つからこそ入手できる情報をいかに多く入手できるかによって、課題やニーズ把握の精度が変わります。
③顧客へサービスや商品を通じて、価値を提供すること。また、時には付加価値を提供すること。
・営業のゴールは、顧客に価値を提供することがゴールです。売ることがゴールではありません。

営業職も分業制が進み、上記の3つを分けている場合もあります。
また、ルートセールスのように、継続的な関係性がベースにあるものもありますが、①や②のプロセスがクリアされた結果なので、基本的には上記の①~③の一連のプロセスを営業として考えます。

細かい話だなと感じるかもしれませんが、意外にここが重要です。しっかりと役割を理解することで、不要なことに頭を悩ませることなく、また本来の役割に集中することで、成果も出しやすくなります。

上記①~③のプロセスにおいて、フレームワークやハウツーなどのスキルを学ぶことも大事です。
ただ、それ以上に重要なのは、本質にまで踏み込めるかどうか。
その本質に踏み込む鍵となるのが、「感謝する力」です。

さて、ようやく本題です。
感謝する力が営業コンピテンシーとなる理由2つと注意点1つについて、書いていきます。

(1)感謝の気持ちは、動機になる。
感謝の気持ちがあると、「役に立ちたい、喜ばせたい」という意識が芽生えます。(ここにもステップがあり、感謝の気持ち止まりだと少し弱いのですが、今回はここには触れません)
そうすると、顧客のことをよく知ろうとする行動が増え、課題やニーズの本質に迫ることが出来ます。さらに、価値の提供の段階でも創意工夫を凝らし、多少の困難にも立ち向かう原動力が生まれるのです。

(2)感謝の気持ちは、距離を縮める。
感謝の気持ちが相手に伝わると、相手もそれに応えたくなり、関係性が深まります。好意に対しては好意をお返ししたくなる「返報性の原理」に近いものが働きます。
そうすることで、自然と仲間意識が芽生え、交渉相手から共に課題に立ち向かうパートナーとなることができます。
パートナー意識があると、両者がWin-Winとなる視点が加わり、膠着状態を突破していく力にもなります。

(3)注意。一途になり過ぎない。
時に、○○(顧客)がこう言っているので!!みたいな部分最適の思考に陥ることがあります。それはもちろんNGです。
商品やサービス・ルールは総合的に考えられたものなので、それに反する意思表示が必要な場合は、一旦自分の立場を離れて、冷静に考えるべきです。その上で、きちんと根拠や代案を示しましょう。
感謝は自分の顧客だけではなく、あらゆる人たちに向けることが出来ると、最高のパフォーマンスの発揮につながります。

ここまでお話をすると、では「感謝の力を高めるにはどうすれば良いの?」という疑問が出てきます。

ただ、冒頭に申し上げた通り、「感謝する力」はスキルではなく、価値観による行動特性だと考えています。
たとえば、リサーチ力を高めるためには、このフレームワークを使うと良いとかこの分析手法を使えるようにすれば良いとか、そういうわけにはいきません。
そのため、一様に感謝の力を高める手段は無いようにも感じます。

ただし、最近感謝の気持ちを忘れていたなとか、周りが見えていなかったなと感じられた方は、一度顔を上げて、周囲の行動に目を向けてみると、何か気づきがあるかもしれません。
その時は、是非言葉にして、感謝を表してみてください。その時は、具体的に感謝することを明らかにしてみると良いです。単に「いつもありがとう」ではなく、何に対して感謝の気持ちを持っているのか。そうするだけでも相手の反応が変わりますし、自分の気持ちにも変化が感じられることでしょう。

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