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営業の美学(10)聴き上手

あらゆるジャンルに通用する営業の手引き=営業の美学。
営業に携わる方に少しでも参考になれば幸いです。


第10回 聴き上手

8回目から11回目までは、商談フローに沿った内容で投稿していきます。

<商談>
第8回  アイスブレイク ←済
第9回  伝え上手 ←済
第10回 聴き上手 ←今回
第11回 アフターフォロー

さて、今回は「聴き上手」です。

単に相手の話に相槌を打つだけではなく、相手の言いたいことや感情を理解しながら、ゴールに向けて話を導くことこそ、真の「聴き上手」であると考えます。
聴き上手になる3つのポイントを挙げます。

1.発言を正しく理解する
相手の話の背景や詳細を勝手に解釈してしまうと正しく情報を受け取ることが出来ず、勘違いや混乱につながることがあります。
また、営業という立場で言うと、正しく理解することは、交渉の基本です。
特に気を付けたい点を3つ挙げたいと思います。

主語
主語をきちんと捉えなければ、対象を見誤って行動を起こしてしまいます。相手は、言わなくてもわかる、または自分の頭の中ではわかっているという状態なので、そのような場合には、「今のお話は、○○さんが・・というお話で良いでしょうか」と確認しましょう。

②事実/推測・意見
相手の発言が、事実なのか推測や意見なのかを明確にすることが大事です。推測であれば、それが正しいのかどうかを検証する必要がありますし、意見であれば、無下に否定してはいけません。

➂ルール/慣習
営業をしていると「それはウチでは無理だよ。」と言われることがあります。ここで、「そうですか。仕方ないですね。」で終わらせてしまっては勿体無い。それが、絶対的なルールによるものなのか、慣習なのかによってまだチャンスはあります。
相手の事情を深く知るチャンスにもなりますので、「それは社内のルール上、難しいということでしょうか?」と聞いてみましょう。
「ルールというわけではないけど・・」という声を聞き出せれば、それだけでも収穫です。

2.目線を合わせる
相手の頭の中を見える化し、一致させる(目線を合わせる)ことで、モヤモヤ感が払拭され、中身の濃い効率的なコミュニケーションになります。
目線を合わせる方法として、2つの点を意識しましょう。

具体化と抽象化
具体的な話を抽象化し、本質を共有する。抽象的な話を具体化し、イメージの合致を確認する。
これによって、お互いの頭の中がシンクロしていきます。

②合意形成のギャップを絞り込む
営業の場合、合意形成がゴールとなりますが、合意形成を細分化し、特に合意形成の壁となっている部分を炙り出していきましょう。そうすることで、焦点を絞った交渉が可能になりますし、仮に合意に至らなくとも、今後の課題を明確にすることができます。

3.本音を引き出す
話を聞く上で一番気を付けたいのが、相手が本音を言っているのかどうかということです。
いつも感触は悪くないのに、クロージング出来なかったり、提案が採用に至らないのは、相手が本音ではないというケースが多々あります。
本音かどうかを見極め、本音を引き出すことが出来なければ、肩透かしが続いてしまいます。

本音を引き出すための3つ意識しましょう。

①決めつけない
自分にとって都合の良い反応ほど鵜呑みにしたくなるものです。そのような時ほど、本音とは決めつけず、慎重に受け止めることが大事です。
冷静に、ポジティブ評価の理由をきちんと把握しましょう。

②マウントを取ろうとしない
なんでも切り返そうとする人がいます。
そういう人は、面倒だなと思われて、角が立たないようにあしらわれます。
論破することが目的ではありません。ネガな反応であっても、受け止めましょう。
跳ね返すのでは受け止めることで、相手は安心して本音を出しやすくなります。

③自分も本音で話す
人間の心理には、返報性の原理というものが働くと言われています。
その中に「自己開示」があります。自分が自己開示をすると相手も自己開示をしなければという心理になるということです。
営業には、駆け引き的な要素もありますが、本音であることと二律背反ではありません。
営業が本音で話すためには、大きな覚悟と真摯な姿勢を身に付けらければなりませんが、本音で話せる営業ほど信頼を獲得できると私は考えています。

言うは易しですが、習得するにはとにかく意識をして場数を踏むことです。
最初は上手くできなくても、少しずつ変化を実感できると思いますので、是非試してみてはいかがでしょうか。

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