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【読書記録】『天才 (幻冬舎文庫)』

▼「俺は」で始まったので、石原の偽悪的な文体が嫌味だな…と思ったら、それは勘違い。「俺」=田中角栄が自分の生涯を語る体裁なのだ。▼ 日本の米国からの自立という石原の願いを、角栄に代弁させている印象。▼ロッキード事件について「未だにアメリカの属国ということを何とこの俺自身が証してしまった」と角栄に語らせている通りだ。▼ 田中の金権主義を最初に批判した石原は、角栄を政治家として「天才」として評価している。最後、一気に崩れるように結末に向かった。あっけないような、気の毒なような、悲しいような…そんな後味が残った。

石原慎太郎著『天才 (幻冬舎文庫)』
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