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坩堝(るつぼ)と私。

こんにちは。
夏がやってきますね。
はやいもので1年の半分が過ぎようとしています。

日々、感情の荒波にもまれています。

私は絵が下手だ。
漫画も下手だ。

どのように下手かというと、まず人体が満足に描けない。
骨や筋肉の構造をしっかり理解できていない。
最近では画像検索して参考にしたり自撮りしたりしているがちっとも描けない。

全体のパーツバランスがわかっていないので、バランスの狂った絵になってしまう。
目や口がやたら大きくなったり、顎が異様に長くトガっていたり、鼻が長く伸びたりしている。手や腕の大きさ、胴の長さ、足の長さや太さなんかがチグハグになってしまう。

人物の表情が固くて喜怒哀楽の表現ができていない。

漫画はもっと壊滅的で、今まで読んできた漫画や描き方の本を読んだりして自己流で描いていたため、プロットやネームをきちんと描かず構成がまったくできていない。
パースなども理解できず背景が描けないのでデジタルにしたら素材に頼りきりだった。

ストーリーが絶望的に面白くない。
絵で表現しないといけない状況説明や人物の立ち位置が描けていない。
ひとりよがりで何を伝えたいのかわからない絵とストーリー。

そんな絵や漫画でも私自身は上手いと思っていた。
誰からも反応も評価もされないのはダイヤの原石が見つかっていないだけだと思っていた。

だから描き続けてさえいればきっと見つけてもらえるだろう、
そのうち一気にバズってたくさんの称賛や評価をもらえるだろうと思っていた。

同ジャンルの神絵師は元々万フォロワーがついていたから、たまたま私のいるマイナージャンルのCPを描いてもバズったのだと心の底では思っていた。

私も万フォロワーいたらきっと神絵師と同じくらいは反応されるはずだ、と。

もしかしたら私の絵や漫画は見る価値すらないほど下手なのではないか…
そう思わない事もなかったが、そのことには見ないふりをしていた。

だってもしそれが現実だったら辛すぎるから。
私の創作に対するプライドが粉々になってしまうから。

けれど、私の絵や漫画を読んでくれていた作家さんや、数少ない同ジャンルの創作者さん達がこぞって神絵師の描いた絵や漫画を絶賛していたことを目の当たりにした時、私の描く絵や漫画が私が思う以上に下手だったことを思い知った。

それから数か月経った。

人体デッサンの本を日々模写したりしていたが、最近はそのことに疲れてきた。
仕事が忙しくてわずかな時間を創作にあてたいが、人体デッサンの本の模写をしていると時間がなくなる。

そのことで私の目にみえるほど上手くなっていればいいのだが、実際に自分の絵で描こうとするとまったく反映されていない。

以前より絵を描く手順が増えただけで余計にバランスが崩れて下手になったようにも思う。

好きなように描けないことで、絵を描く事がつまらなくなった。
6月になって残業で帰宅時間が遅くなる事が多く、絵の練習をサボるようになってしまった。

梅雨時期になり仕事の疲れもあって身体が不調をうったえるようになった。

たまに同ジャンルの神絵師のtwitterをのぞくと、1年以上ずーっと毎日毎日絵や漫画と萌え語りや考察をツイートしていた。

この人は私みたいに仕事に追われず、時間に余裕があるからこれだけ毎日描けるんだろう、と思ってしまった。

悔しかった。
私だって時間に余裕があったら、こんなに必死に働かなくていいくらいお金がたくさんあったら…!!!と羨んでしまった。

たとえその人が働いていてもいなくてもそんなこと関係ないのに。

先日、私と同じマイナージャンルで創作している私の好きな作家さんとあと1人の文字書きさんと偶然やりとりできる機会があった。
いろいろと話をしていたら、2人とも熱心な固定ファンの読者がいて作品に感想をもらっていると教えてもらった。
ちなみにpixivにあげている作品の評価も、私よりもたくさん反応を貰っている。

私の絵や漫画はほとんど閲覧も評価もされない。
感想なんか一度だって貰った事なんかない。
私の方から送るばかりだ。

膝から崩れ落ちそうだった。
私の描く絵や漫画は同じジャンルが好きな人達にすら相手にされていなかった。
マイナーだから感想をくれる人がいなかったのではなく、私の絵や漫画をみる気にすらならなかったのだ。

もちろん私の好きな作家さんの書く作品は素晴らしい。抜群に上手いと思う。
もう一人の文字書きさんも上手い。

好きな作家さんからは私が作品のファンアートを描くと「すごくイメージにあう」「上手」「(私の描く)絵が好き」なんて褒めてくれていた。
私の描いた漫画に対しても「見るたびに上手くなっていてビックリする」と言ってくれたりしていた。

私の事を褒めてくれるのは私が作家さんの作品に熱心に感想を送るからだ。
私が今、絵の練習を頑張っていると知っているからだ。

作家さんは「私はずっと好きで書いているだけ。私は私の作品が好き。風月さんみたいに読んで感想くれる人がいるから書き続けられます。楽しんで創作しましょう」といつも前向きな言葉をくれる。

作家さんの言葉は優しい。
あたたかい言葉はありがたく本当に感謝している。

でも。

もし、あなたが私と同じ立場だったらどうなの?って思ったりする。

私みたいに一生懸命描いた絵や漫画がほとんど閲覧すらされず、まったくブクマも感想ももらえなかったら?

他の人の作品が絶賛されていたら?感想をたくさんもらっていたら?

それでもなお、創作を続けていけるのだろうか。

マイナージャンルでそもそも見てくれる人が少ない、なら仕方ないと思えるけど、自分の創作が下手すぎて存在をあえてスルーされていることが分かってしまったら…。

でもきっと、そのジャンルが好きで描きたいものがあったらSNSにアップしなくても描き続けるのだと思う。
自分が読みたいものを描くだけだから。

私はそこまでの情熱がないのかもしれない。

私は絵や漫画が上手くなりたい。
とにかく絵が上手くならない事には見てもらえない。
漫画も読んでもらえない。

絵が上手くなったら?
推しをカッコよく描けたら?
漫画がうまく描けたら?

どうなりたかった?

たくさんの人達に私の絵や漫画を称賛してほしかった。
好きな作家さんに心の底から「上手い」「すごく良い」と言ってもらいたかった。
同じジャンルの数少ない創作者さん達から認めてもらいたかった。
マイナージャンルの神になりたかった。

本当にそうだろうか?

そのために本気でやろうとしたか?
本気で絵や漫画を上達したいと思ってやっていたのだろうか。
どこかで楽したいと思っていやしなかっただろうか。

だからいつまでたっても上手くならないのではないだろうか。
もうずいぶんと経つのにまるで上手く描けるようになっていない。
人間の身体すら満足に描けない。

漫画を1ヶ月まったく描いていない。
ネームすら出来ない。

そういう私が毎日毎日絵や漫画を更新し続けている同ジャンルの神絵師に追いつけるはずなんか絶対にない。

ヘタレのままで努力もしないくせに、自分がいかに評価されないかを散々嘆いて僻んで、評価される神絵師を羨んで、妬みだしたら愚の骨頂ではないか。

本気で心の底から上手くなりたいと思っているなら、自由時間はすべて創作に捧げてもっともっと努力するべきなのではないか。
帰宅後にダラダラとする時間があるなら、漫画も絵ももっと必死に描くべきではないだろうか。
仕事で疲れてクタクタになったとしても、計画を立てて実行すれば作品は必ず作れるのにそれすらやらない怠惰な私が一丁前に評価だけは欲しいなんて甘えた事をぬかしてどうする。

上手くなるにはこの苦しみに耐えて練習や創作を頑張るしかないのに。

「楽しく創作していたらいつの間にか上手くなる」のは私のような学習能力の低い凡人以下の人間では到底無理だ。

現状をみれば明らかだ。
心の中で言い訳ばかりして努力したくないだけ。

己の本心は楽して評価されたい。チヤホヤされたい。
それだけなのだ。

私は驕りやうぬぼれで塗り固められていた壁で作られた私だけの城にこもって君臨していただけ。その世界が現実でも同じだと思っていたかっただけ。

「特別」でいたかった。
「特別」になりたかった。

井の中の蛙は大海を見て己の卑小さを知った。
滑稽だ。

感情が渦巻いていてぐちゃぐちゃになっている。

たかが趣味、なのにね。

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