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名で体を表す-”PUNK”ビール会社によるPUNKな呼びかけ

パンクの本質は、
物事を自分の流儀でやるために必要なスキルを身につけることだ。

1970年代にパンクロックが音楽を、そして世界を変えたように、
2007年に2人のビール愛好家と1匹の犬がビールを、そして世界を変えた。

2人のビール愛好家と1匹の犬で始めた会社は
【BrewDog】

代名詞とも言えるビールは
『PUNK IPA』

日本でも缶や瓶で(時には樽でも)流通しており、味わうことができる。
Craft Beerを好きになるきっかけになったビールとして挙げる人も多い1本。

日々多くの人の壁を壊し、
新しいビールの世界にいざなっている1本です。

そんな【BrewDog】が出している2冊の本より
彼らが自分たちの作るビール(とそのマーケティング)に
込めた想いを整理しつつ浸りたいと思います。

■BrewDog’s Books

BrewDogの以下2冊を読み感動した。
言語化しておかねばと思い今回のNoteを書きました。

1冊目は
『BUSINESS FOR PUNKS-BREAK ALL THE RULES THE BREWDOG WAY』

BrewDogが創業時より大事にしてきたことをまとめた一冊。

”パンク起業家”のスティーブ・ジョブズや
”ファッション界のパンク”である
エスティー・ローダーの言葉を引用しつつ、
醸造したビールを実際に飲んでもらう為に
ビジネスとしてどのような展開を行ってきたかが書かれています。

2冊目は
『CRAFT BEER FOR THE PEOPLE-BrewDog流あたらしいビールの教科書』

1冊目がCraft Beerの魅力にハマり(それ以外でも)、
ビジネスとして更に取り組もうとする後進に対しての
内容であったのに対して、
こちらはCraft Beerの魅力にハマり、
実際にHome Brewingをしてみようという人達に向けた本となっています。

こちらで取り扱われているのは、
大きくはビールの味わい方と造り方。

ビールの味わい方に関しては、ざっくりと以下。

・ボトルを買う
・栓抜きを見つける
・グラスに注ぐ
・グラスを口に運ぶ
※グラスを口に運ぶ際に口を開くことを忘れてはいけない
※製造に関わる事情の考慮は自由

そのうえで、更に楽しみたいと思った場合は、、、と続きます。

ビールの個性が分かりやすい
「見た目」「香り(上立ち香)」「味わい(味と風味)」「口当たり」の
4点の捉え方を解説。

ビールの造り方に関しては、
基本的な醸造工程に加えて、
Home Brewingでの家庭用醸造キットの作成方法や造り方を、
実際のBrewDogのレシピを公開しつつ紹介している。
(もちろんPUNK IPAのレシピも公開)


1冊目はビジネス化する際の手引きとして、
2冊目はまずはHome Brewingで醸造に挑戦してみる際の手引きとして、
BrewDogからの
Craft Beerの奥深い世界への招待状として発信しています。

■What is BrewDog?

2007年に
ジェームズ・ワットとマーティン・ディッキーが創業した
クラフトビール会社。
(会社名にもあるように家族としての犬を大事にしており、
常に「2人の男と1匹の犬から始まった」としている。)

ガレージでHome Brewingをしていた2人は
世界的なビール・ジャーナリストであるマイケル・ジャクソンに会う機会を得た機会に自分たちのビールを持って行った。
ビールを飲んだマイケル・ジャクソンは
「これが君たちにできることだというなら、
今の仕事をすぐに辞めてブルワリーを開くことを勧める」
と告げる。

そこから、
『PUNK IPA』を始めとした様々なビールを以て、
クラフトビールを一過性のトレンドではなく文化まで醸成し、
世界中でビールの提供やビアバ―の開設を行う
BrewDogという会社を生み出しました。

■BrewDog play for craftbeer

BrewDogは会社のスローガンとして5つの合言葉を持っています。

・WE BLEED CRAFT BEER.
  ~This is our true north.
・WE ARE UNCOMPROMISING.
  ~If we don't love it, we don't do it. Ever
・WE BLOW SHIT UP.
  ~We are ambitious. We are relentless. We take risk.
・WE ARE GEEKS.
  ~Learn obsessively. Share evangelically.
・WITHOUT US, WE ARE NOTHING.
  ~We. Are. BrewDog.

==(和訳)==
■我々の血管にはクラフトビールが流れている
 ――これこそ我々が目指すべき方向である。
■我々は妥協しない
 ――我々は愛していないことは、やらない。絶対に。
■我々は全力を尽くす
 ――我々は野心的だ。歩みを止めない。リスクを冒す。
■我々はギークだ
 ――我々は取り憑かれたように学ぶ。それを惜しみなく伝える。
■我々はひとりでは何者でもない
 ――我々はBrewDogとして存在する。
==

美味いビールを造るという事は当然でありつつ、
その先にクラフトビールという多様性、
そしてクラフトビールに触れる時間を通する体験を提供しています。

クラフトビールとは定義できないもののあくなき追及である。

『BUSINESS FOR PUNKS』の冒頭にあった言葉

パンクの本質は、物事を自分の流儀でやるために必要なスキルを身につけることだ。

既存を破壊し新しい価値観を作っていく。
自分が欲しいものがなければ、自分で作れば良い。
自分が最高と思うものに対して、時間を費やして向き合い、
その価値を共感してくれる仲間に届ける。

徹底的にそんなPUNKな想いをビールに託して
世界中に彼ら(と犬)は投げかけを感じます。

■BrewDog × PUNK!!!!!!!!!

BrewDogが自分たちの想いを実現させるために行った
幾つかのPUNKなActionを紹介したい‼‼‼

〇THE END OF HISTORY

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(画像:https://www.brewdog.com/blog/the-end-of-history) 

アルコール度数55%というハイアルコールビールを造った彼らは、
そのビールに『THE END OF HISTORY(歴史の終わり) 』と名付け、
道路で車にはねられた動物の死骸(剥製)で瓶を覆った。

ビール醸造の幅を探るべく、ハイアルコールビール醸造の限界に挑戦した。

試行錯誤の結果、55%まで至り、
ここに一旦の現代の醸造の限界(度数を上げることに対しての限界)の
終着点を作りました。

剥製で覆われたビールは各国メディアが報じ、
クラフトビールの挑戦、面白さが多く議論されました。
芸術的にも評価され、
MONA(オーストラリア現代美術館)に展示されています。

〇Hello, My Name is Vladimir

画像2

(画像:https://blog.brewdog.com/blog/hello-my-name-is-vladimir)

2013年にロシアで制定された「同性愛宣伝禁止法」に対しての風刺として、
”Not For Gays(ゲイお断り)"というキャッチコピーを作り、
売上の50%を慈善団体に寄付すると発表しました。
表現の自由や愛の自由を守るために、
政策に対してBeerを通して異議申立てる。
そのPUNK精神と実際の行動力を象徴したビールです。

※せっかくなので、原文ママ

The sick, twisted legislation brought about in Russia that prevents people from living their true lives is something we didn't want to just sit back and not have an opinion on. Our core beliefs are freedom of expression, freedom of speech and a dogged (no pun intended) passion for doing what we love. Thus, we are donating 50% of the profits from this beer to charitable organisations that support like minded individuals wishing to express themselves freely without prejudice.

■What would you be a PUNK??

パンクの本質は、
物事を自分の流儀でやるために必要なスキルを身につけることだ。

BrewDogは自分たちの流儀で
自分たちの造りたいビールや空間をつくるために
ビール醸造に始まり、経営、経理、広報など
様々な必要スキルを身につけていった。

PUNKは音楽に限ったものではない。

自分のつくりたい世界を自分の流儀で目指した
企業家や政治家、科学者、文学者、・・・
多くのPUNKな人がいる。

「〇〇なPUNK」
「PUNKな〇〇」

〇〇に何を埋めて行けるか。

クラフトビールを飲み、覚醒させ、考え、実際に動こう。

「あらゆる事象は本質的に無常である。怠けず修行しよう。」
仏陀(幸福のPunk!)

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