RoR『女の子はどう生きるかー教えて、上野先生！』

岩波ジュニア新書　929
女の子はどう生きるかー教えて、上野先生！〔電子書籍版〕
上野　千鶴子　著
2021年6月24日　発行

男女の不平等さをQA形式で解説
〜明らかなものからあまり意識されていないものまで。

女の子はどう生きるか　教えて，上野先生！ (岩波ジュニア新書)

男女不平等なシーンを
学校、家庭、日常生活、就労といった区分ごとに
質問を例示し、
それぞれに対して著者が回答していくスタイルで構成。

意識していたシーンもあれば、意識しきれていなかったシーンもあるなと確認できる機会に。

例えば。
「奥様（さん）」「お嫁さん」とその言葉の背景を知ると適していないなと感じるものの、つい利用してしまう。
そういう気持ちや行動が変化を遅らせる要因の1つなのだろうなと実感します。

奥様：普段家の奥にいるから“奥”様
嫁：家にやってきた女性/家につく女性で“嫁”
※（「よいめ（良い女）」が転じて「よめ（嫁）」という語源もあるようですが感じの成り立ちには時代背景とか踏まえた意図が感じられますね。）

今は当たり前に感じる状況も、過去の“アタリマエ”を乗り越えて作られていて。
まだまだ今時点でも多くの意識的な不平等な状況が存在している。

若めの男性にも薦めたいが、勧めるにはパワーがかかる感じは否めない。
タイトルがもう少し男性向けのものが今後出てくることを願います。

語調がやや強めな（安定の）上野千鶴子節なので適宜流しつつ、
自明なテーマは飛ばしつつでしたが、改めて触れてよかったです。