目黒川桜0

「ルック・ライク・スノー!」~目黒川の桜~_20190331大阪杯

春の目黒川は顔が異なる。
私は白い桜が好きだ。

最近、桜の名所と化した目黒川。
メディアが取り上げる目黒川の桜はピンク色満開だ。
これは中目黒駅周辺の桜だ。細々と都会を流れる深緑色の目黒川両岸をこれでもかというくらいピンクの桜がにぎわせる。ライトアップもあってか、とても幻想的だ。

行き交う人もまた多い。老若男女、さらには肌の色まで異なる人々が肩をふれあいながらゆっくり歩く。あちこちから楽しそうな黄色い声がする。
川沿いの飲食店はこの桜咲く2~3週間で1年分の売り上げを稼ぐそうだ。
きれいで大きいスターバックス本店にはずっと長い行列ができている。

これとは対照的なのが、中目黒より下流にあたる目黒から五反田に向かう目黒川の桜だ。
中目黒近辺の川幅より倍近くあり、深緑色から錆びた色が増した藍色になる。
川の両岸の桜の木も上流の中目黒よりまばらだ。
行き交う人も桜のようにまばらで、黄色い声はなくなり、静かになる。

私はこの静かな目黒川の桜が好きだ。
桜の色もピンク一色だった上流に比べ、心なしか白が多くなる。
ソメイヨシノは咲き始めは淡紅色だが、満開になると白色に近づくという。

また今年も、この白い桜の木へやってきた。5年前にこの桜のように透き通るほど真っ白な肌の4歳下の彼女とこの桜の前で写真を撮った。来年も来ようね、という言葉を残して彼女は去った。英語を勉強しに海外へ渡ったようだ。
あれから5年、今年もひとりでこの木の前にやってきた。
川岸には背の高いマンションができた。30階ほどもありそうな高層マンションが空高くそびえる。
太い幹を触ると、昨年と同じようにごつごつしている。
よかった。世の中変わり過ぎている。この桜の木と私以外は。
“Excuse Me?”
後ろで声がした。
“Could you take a picture for us?”
二人の白人女性が立っていた。写真を撮ってほしいそうだ。
“Okay!”
私が答えると、背の高いほうの女性が携帯を私に渡した。
「ハイ、チーズ!」
パシャリ!
女性たちは少しキョトンとした表情だった。
そうだ、写真を撮るときのこの決め台詞は外国人には理解できないよな。
私は苦笑しながら携帯を返し、質問した。
“How do you feel Sakura?”
“I look like snow!”
“Snow?”
“Yes!”
私は雪のようだ、という彼女の返事に驚いた。日本人にはない発想だと思った。
“Have a nice day!”
私は海外へ去った彼女を思い出した。

◇◇
さて、本日は大阪杯。
②ワグネリアンを狙う。
海外へ渡った4歳女性アーモンドアイはきのうドバイのG1を優勝した。
同じ4歳で男のダービー馬ワグネリアンが奮起しないわけがない。

(勝馬投票は自己責任でお願いします)
[今年の当たり]
〇中山記念 ラッキーライラック 6人気2着
〇フェブラリーS ユラノト 8人気3着 
〇共同通信杯 ダノンキングリー 3人気1着 
〇日経新春杯 ルックトゥワイス 5人気2着
〇中山金杯 ウインブライト 3人気1着

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