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ビーチバレーの第一人者(コラム)

インドア・バレーボールのファンであり経験者である私は、2019年夏、はじめてビーチバレーを観戦することになった。それまで、インドア・バレーボールの試合でサーブについて調べていたところ、サーブならビーチバレーもどうだろう、ということでマイナビジャパン大会とワールドツアー大会の男女の試合を観戦しに品川区の潮風公園に行った。

インドア・バレーボールのチーム、6人のプレーヤーがビーチバレーでは2人になる。
アリーナや体育館でバレーシューズを履いてプレーするインドア・バレーボールに対し、砂浜の上を裸足でプレーするビーチバレー。
これらの条件からビーチバレーは体力消耗が激しいスポーツだということはわかっていた。
しかし、いざ試合を観戦すると、想像以上だった。
風のないコートで真夏の直射日光が容赦なくプレーヤーの体力を奪っていった。
アタックやサーブが決まってもプレーヤーたちは必要以上に喜ばない。
ボールに飛び込み追いつけなかったプレーヤーは背中の砂を払おうともせず、肩で息をしている。両手を両ひざに乗せ息を整えようとしているが、波打つ腹はおさまらない。

私はサーブの記録を取ることもやめ、試合を見ることに没頭した。
ビーチバレーはバレーボールであって、バレーボールではない!

体力勝負。
これまで見てきたインドア・バレーボールの試合ではまったく見られないプレーヤーの姿がそこにあった。

そんななか、ひときわ冷静にプレーしている選手が目に入った。
男子の白鳥勝浩選手
飛びぬけて高いわけではなく、アタックを鋭く決めるわけでもない。それでいてミスの少ない選手、それが白鳥選手だ。けっして派手ではないが、相手のコートをよく見て、人のいないところへポーンと打つ。とにかくミスすることなく、淡々と着実に得点を重ねていくのが白鳥選手。
インドア・バレーボールの元全日本代表選手、石島雄介選手とコンビを組んでいるが、この元全日本代表選手に引けを取らないどころか、彼をリードしている。
試合も魅了された。
ビーチバレーは21点制で3セットマッチ。
ワールドツアー大会のプール戦では、オランダチームを相手に21-19/33-35/10-15のフルセットの死闘を繰り広げた末、惜しくも負ける。
伝説の試合になるであろう33-35というセットは力の限り戦った。
試合が終わったころはいつのまにか陽も傾いていた。
私も手に力が入り、両手に汗をかいていた。
ただただ白鳥選手の活躍が記憶に残った。

あとで調べてみると、白鳥選手は身長191cm。
200cm前後の外国人選手たちがごろごろいるので、決して高くはない。
さらに驚いたことに、白鳥選手は今年44歳になるが、日本のランキング断トツの1位だった。
年齢を感じさせない白鳥選手を、そしてビーチバレーをこれからも応援していきたい。

#応援したいスポーツ
#エッセイ #コラム #ビーチバレー #白鳥選手


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