エンブレスドリームス 創作大賞2024 漫画原作部門 第3話

#創作大賞2024 #漫画原作部門

第3話 闘いのはじまり

    練習試合は佳境に入り、明石誠志郎、木ノ内哲太、石田拳斗の3人が激しい競争を繰り広げていた。
    明石誠志郎は確実なプレイで他のプレイヤーたちをリードしてチップリーダー、木ノ内哲太は彼に対抗するために策略を練り、ブラフを駆使して相手を惑わせながらチップを増やし、石田拳斗積極的なプレイで2人に食らいついていく。
    現在のスタックは明石誠志郎が38,000、石田拳斗が34,000、木ノ内哲太が33,000と緊迫した展開を見せていた。
    一方、加藤あかりと望月一也は力及ばず敗退したが、県大会予選の勉強のため試合を見守りながら、自身のプレイスタイルを見直した。
    そして、加藤あかりは幼なじみの石田拳斗の応援する。
    石田拳斗は加藤あかりの応援に感謝しつつも、プレイに集中する。強力なハンドを手にしてチャンスを感じた石田は、勢いを持ってレイズを行う。

石田拳斗「(あかり応援ありがとうBTNでAA(エーシーズ)チャンスきたぜ)レイズ!」

    明石誠志郎はK9sというまずまずのハンドを手にしながらも、石田拳斗のレイズに対して確実性を重視しフォールドを選択する。

明石誠志郎「(K9sだがここも確実に行こう)フォールド!」

    加藤あかりの応援に刺激を受け、石田拳斗のレイズに焦りを感じた木ノ内哲太は、強力なAKo(エースキングオフスーツ)のハンドを手にしていた。
    彼はプレイを続けることを決め、コールを選択した。

木ノ内哲太「(このガキ!加藤ちゃんの応援で勝負に焦りが出たでワイはAKoや)ほなやりまっか、コールや!」

大橋佳織里「フロップはセブンハートエースクローバーキングダイヤ」

木ノ内哲太「(キタキタキタキタキター最強手のツーペアや!ここは演技してチェックでガキベット待ちやな)チッ、チェックや!」

石田拳斗「(セットが揃った!これはラッキーだぜ!スーツもレインボーだから、ガットショット以外は怖くないぞ!ここは思い切って大きくベットしよう!)ベットだ!」

木ノ内哲太「ハッハッハ!明石待っとれや!ガキのチップ全部奪ってヘッズアップしよや!オールイン!ワイの勝ちや!」

石田拳斗「木ノ内哲太、お前のオールインはかわいすぎるぜ。俺に見透かされるぐらいだから、明石先輩や王者望月選手に全く及ばない。覚悟しとけ!コール!」

加藤あかり「ケンティー!!お願い神様!!勝ってーーー」

大橋佳織里「ターンセブンスペード、リバーキングハート、ショーダウン」

木ノ内哲太「石田拳斗って名前だったか?残念やったなーリバーでキング…ハッハッハ、ワイの勝ちや!ワイのAKoがフルハウスになったわ!さっきの発言謝罪しろクソガキ!!」

加藤あかり「フルハウス…ケンティーが…負けた…どうしてこんなことが起きるの?もう…もうわけがわからないよ…」

石田拳斗「あかり、俺は負けてねーよ!オーバーフルハウス!!俺のハンドAA!!残念でしたね、木ノ内先輩。明石先輩ヘッズアップで勝負しようぜ!」

加藤あかり「ケンティー!!ナイスハンド!望月くんケンティー勝ったよ!」

望月一也「………」

大橋佳織里「石田くん、ナイスハンド!哲太もこれで少しは大人しくなってくれるとありがたいけどね」

明石誠志郎「石田くん、ナイスハンド!最終決戦やろう。ヘッズアップ楽しみだな全国2位の力を見せてあげるよ」

木ノ内哲太「…バ、バカな…踊らされていた…そんな確率信じられへん…石田拳斗…お前のこと認めてやるよ。明石の次ワイともヘッズアップやろうや!ナイスハンドや!」

    ピーンポーンパーンポーン

校内放送「皆さん、下校時間です。お急ぎください。」

全員「………」

    ガタガタガタガタ

伊達真人「おう、まだやってたのか?誠志郎、今年の新入生はどうだ?強いか?」

明石誠志郎「伊達先生、すいません。こんな時間まで今年の新入生たちは強者揃いで驚いています。紹介しますね!加藤あかりさん、石田拳斗くん、望月一也くんは素晴らしい才能を持っています」

石田拳斗「伊達真人プロ、いや先生!!明石先輩そんなこと一言も…そんなことより、は、はじめまして石田拳斗です、WSOPからずっと憧れていました!お会いできて光栄です!」

伊達真人「拳斗、ありがとうな。プロか…実は今、私はプロではなく教員として学校で顧問を務めているんだ。君たちの成長を見守りながら、アドバイスを与えることができる立場になった!」

    望月一也は興奮した表情で石田拳斗を突き飛ばしながら、伊達真人に近づく。

望月一也「伊達真人プロ、はじめまして!俺は望月一也です。お願いです!僕のノートにサインをしてください!あなたのプレイにずっと憧れていました!お会いできて本当に光栄です。将来、あなたのようなプレイヤーになることが夢です。これからもよろしくお願いします!」

全員「…(望月くんが喋った)」

木ノ内哲太「望月?あぁぁぁぁ、思い出した!お前、あの憎たらしい王者望月将輝の弟やろ!」

全員「えーーーーー」

【つづく】

エンブレスドリームス 第1話

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