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教えて梅田先生!⑮返済年数が分かる【債務償還年数】ってなに?

こんばんは!梅田公認会計士・税理士事務所スタッフの松本です。

投稿者の名前が変わったことにお気づきでしょうか?名前は変わりましたが中の人は今まで通りなので、引き続きよろしくお願いしますね😊

さて、ここでは会計や経営に役立つ情報を梅田先生の解説のもと学んでいきます。

前回の記事で、固定長期適合率について学びました。
今回はどういった内容なのでしょうか?

先生、よろしくお願いします★

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松本さん、今回は債務償還年数という指標についてお話していこうと思います。

◆計算式

債務償還年数は以下の計算式で表されます。

債務償還年数 = (有利子負債-運転資金–現預金)÷(経常利益+減価償却費-法人税等)

◆算式の説明


分子は有利子負債から運転資金と現預金を引いて、返済しなければならない借入金の金額であり、分母は経常利益に減価償却費を足し法人税等を引くことで計算したキャッシュフローの金額となります。返済しなければならない借入金をキャッシュフローで割ることで、あと何年で完済できるのかを示す指標です。

◆どうだと良いか

債務償還年数は年数が短いほど、金融機関からの信用は高くなります。債務償還年数が10年以内にしましょう。それ以上になると注意が必要です。

◆過年度・同業者比較をしてみましょう


FX2の最新業績タブで当期の実績や予算と並んで比較表示されます。自社の固定長期適合率を確認してみましょう。さらに、同業他社(BAST数値)と比較してどうなのかを把握しておきましょう。

ちなみに、下記BAST数値の通り、売上規模1億円以上~2.5億円未満の全企業の平均は1.5年、黒字企業の中位は0年となっています。業種分類別に見ると人気の高い宿泊、飲食サービス業が債務償還年数が最も高く、全企業の平均は10年、黒字企業の中位は3.4年となっています。宿泊、飲食サービス業は開廃業率も高いので気を付けてください。

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※画面:TKC経営指標(BAST)
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令和元年版「TKC経営指標(BAST)」(発行:TKC全国会)は、全国の243,495社の法人企業の平成30年1月期から12月期決算に基づく経営分析値を収録しています。

この「TKC経営指標(BAST)」は、TKC全国会に加盟する職業会計人(税理士・公認会計士)が、その関与先である中小企業に対し、毎月企業に出向いて行う「巡回監査」と「月次決算」により、その正確性と適法性を検証した会計帳簿を基礎とし、その会計帳簿から作成された「決算書」(貸借対照表・損益計算書)を基礎データとしています。なお、これらの決算書は、そのまま法人税申告に用いられています。
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開廃業率は宿泊、飲食サービス業が最も高い
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/h29/html/b1_2_1_2.html

◆スタッフの解釈

私はまず読み方で引っかかりました。

債務償還年数 (さいむしょうかんねんすう)

と読むんですね。ここから用語の確認をします。

有利子負債…利息を付けて返さないといけない負債のこと
運転資金…事業を運営していくために必要な資金のこと
現預金…会社の保有する現金や預金のこと
経常利益…会社の事業全体の利益のこと
減価償却費…機械などの固定資産を一度に費用として反映させず、使用する期間に合わせて費用に反映させること
法人税等…会社の利益に応じて課税される税金のこと

画像2

法人税…会社が得た所得に対してかかり、国に対して収める税金。

住民税…法人の事業所がある地方自治体に対して納める税金。

事業税…事業そのものにかかる税金。事業活動を行うにあたって行政サービスを受けている分、地方自治体に対して納めようというもの。

キャッシュフロー…入ってくるお金と出ていくお金の流れのこと

分子が借入金の残高で、分母が手取り額を表しているんですね。つまり今の手取り額で借入金を返すには何年かかるか分かると。この年数が短いほど、早く返せるということになるので金融機関への信用度が高まるんですね。

この年数が長い場合、少しでも利益を増やすよう努力して返済への年数を減らしていきたいですね。

◆まとめ

いかがでしたか?
債務償還年数 という指標を見ることで、借入金の返済年数が分かるということをお伝えしました。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
このnoteが決算書の読める経理担当者や経営者が増えることの一助になれば幸いです。その他、会社の決算、確定申告などの税金に関する相談や、創業融資などの資金調達に関する相談は越前市の梅田公認会計士・税理士事務所へご相談ください。

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