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教えて梅田先生!⑱【変動損益計算書の読み方】

こんばんは!

梅田公認会計士・税理士事務所スタッフの松本です。

さて、ここでは会計や経営に役立つ情報を梅田先生の解説のもと学んでいきます。

前回の記事で、貸借対照表の読み方について学びました。

今回はどういった内容なのでしょうか?

先生、よろしくお願いします★

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松本さん、今回は変動損益計算書の読み方についてお話していこうと思います。

◆変動損益計算書とは

変動損益計算書とは、すべての費用を売上の増減に関連して増減するか否かで「変動費」と「固定費」に分けて表示した損益計算書のことをいいます。通常の損益計算書と変動損益計算書との違いは、費用が通常の損益計算書では、利益の発生源を特定するために分けられますが、変動損益計算書は売上の増減に関連して増減するか否かで分けられます。

変動費:商品仕入高や材料費など、売上高の増減によって変化する費用
固定費:人件費や地代家賃など売上高の増減にかかわらず変化しない費用

◆変動費と固定費の具体例と分け方

変動費と固定費と言われても、どれが変動費でどれが固定費なのか分からないですよね。具定例を示すと、変動費には材料費、商品仕入高、外注費、工場消耗品費などが挙げられます。

固定費には、役員報酬、従業員給与などの人件費、地代家賃、支払利息、減価償却費が挙げられます。自社の変動費か固定費か分からない場合、簡便的ですが、勘定科目残高を2期比較して、売上の増減にともなって大きく増減している勘定科目を変動費に分類するのも良いでしょう。

◆損益分岐点売上高を計算する

変動費と固定費を分けたら、損益分岐点売上高を計算しましょう。損益分岐点というのは、損益がトントンとなる売上高のことをいいます。損益トントンというのは売上高から費用(変動費+固定費)を差し引いてゼロになることをいいます。
さて、その損益分岐点を求める計算式は以下のようになります。

◆損益分岐点の計算式

損益分岐点売上高 = 固定費÷限界利益率
※限界利益率 = 限界利益÷売上高
       = (売上高 – 変動費)÷売上高

まずは自社の損益分岐点を計算してみましょう。
損益分岐点、高くなっていませんか?
損益分岐点を引き下げて、利益がでる企業体質にしましょう。

◆過年度・同業者比較をしてみましょう

FX2の最新業績タブを使って変動損益計算書を確認し、損益分岐点売上高を計算して、当期の実績、前年同期、当期計画との比較をしてみましょう。損益分岐点が高くなっているのか、低くなっているのか、その要因はどういったものか掘り下げて分析してみましょう。さらに、TKC経営指標(BAST)を使えば、同業他社との比較について、業績区分別(黒字企業、優良企業、欠損企業等)売上規模別、地域別のデータがあるため、いろいろな角度から自社を分析することができます。同業他社と比較して、数値が大きく違うところはないか見てみると自社の状況をより客観的に見ることができます。

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※画面:FX2「最新業績」タブ→「1.全社業績の問い合わせ」
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令和元年版「TKC経営指標(BAST)」(発行:TKC全国会)は、全国の243,495社の法人企業の平成30年1月期から12月期決算に基づく経営分析値を収録しています。
この「TKC経営指標(BAST)」は、TKC全国会に加盟する職業会計人(税理士・公認会計士)が、その関与先である中小企業に対し、毎月企業に出向いて行う「巡回監査」と「月次決算」により、その正確性と適法性を検証した会計帳簿を基礎とし、その会計帳簿から作成された「決算書」(貸借対照表・損益計算書)を基礎データとしています。なお、これらの決算書は、そのまま法人税申告に用いられています。
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◆スタッフの解釈

⑯【損益計算書】では会社の利益がどう生まれ、どう消えていくのかが分かるということを学びましたね。今回の変動損益計算書は「売上が変動するかどうか」で変動費と固定費を分けて表示する計算書なので、まず分けるところからやってみましょう!

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分けたら損益分岐点売上高を計算!

損益分岐点が高い場合…たくさん販売しないと利益が出ないので良いとは言えない状態

損益分岐点が低い場合…少しの販売量で利益を得られるので良い状態

これを改善するためには利益が出やすい状態にすることが大切なんですよね。

でも中小企業の場合、たくさん販売してたくさん利益を得るというのは難しいので、少しの販売量で利益が出るような経営をしていけるのが理想です。また、削減できる費用はないか見直しをしていきましょう。

◆まとめ

いかがでしたか?変動損益計算書の読み方を知ることで、より詳しく収益と費用の流れが分かるということをお伝えしました。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
このnoteが決算書の読める経理担当者や経営者が増えることの一助になれば幸いです。その他、会社の決算、確定申告などの税金に関する相談や、創業融資などの資金調達に関する相談は越前市の梅田公認会計士・税理士事務所へご相談ください。

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