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教えて梅田先生!⑫何か月分?【借入金月商倍率】ってなに?

こんばんは!

梅田公認会計士・税理士事務所スタッフの松本です。

さて、ここでは会計や経営に役立つ情報を梅田先生の解説のもと学んでいきます。

前回の記事で、自己資本比率について学びました。

今回はどういった内容なのでしょうか?

先生、よろしくお願いします★

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松本さん、今回は借入金月商倍率についてお話していこうと思います。

借入金の返済余力を測る指標として借入金月商倍率があります。

◆計算式


借入金月商倍率は以下の計算式で表されます。

借入金月商倍率 = 借入金 ÷ (売上高÷12)

◆算式の説明


借入金÷平均売上高(年間売上高を12で割ったもの)で計算されます。金融機関から借りている資金が月商(月の売上高)の何か月分あるかを示します。金融機関にとっては貸付限度額を決定する際の主要な比率の一つとなります。借入金月商倍率が小さければ小さいほど金融機関からの借入の依存度が低く、大きければ大きいほど依存度が高いことを表します。

◆どうだと良いか


企業の借入の依存度が高いと倒産する可能性が高くなります。そう考えると借入金月商倍率は低ければ低いほど良いと考えます。ただ、「もっと投資すればさらに儲かるのに!」という場合、借入をして資金調達する方が良いです。そこで気になるのがいくらお金を調達できるの?という問いです。借入金対月商倍率の平均値を使えば、借入金対月商倍率×売上高でお金をあとどれだけ調達できるのかの目安がざっくりと計算できます。資金調達後は借入金対月商倍率が少しずつ低くなるよう売上を伸ばすよう努力しましょうね。

◆過年度・同業者比較をしてみましょう


FX2の最新業績タブで当期の実績や予算と並んで比較表示されます。自社の借入金対月商倍率を確認してみましょう。さらに、同業他社(BAST数値)との比較して借入金への依存度は業界平均と比較してどうなのかを把握しておきましょう。ちなみに、下記BAST数値の通り、売上規模1億円以上~2.5億円未満の全企業の平均は4.8倍、黒字企業の中位は3.4倍となっています。目安にしてみてください。

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令和元年版「TKC経営指標(BAST)」(発行:TKC全国会)は、全国の243,495社の法人企業の平成30年1月期から12月期決算に基づく経営分析値を収録しています。
この「TKC経営指標(BAST)」は、TKC全国会に加盟する職業会計人(税理士・公認会計士)が、その関与先である中小企業に対し、毎月企業に出向いて行う「巡回監査」と「月次決算」により、その正確性と適法性を検証した会計帳簿を基礎とし、その会計帳簿から作成された「決算書」(貸借対照表・損益計算書)を基礎データとしています。なお、これらの決算書は、そのまま法人税申告に用いられています。
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◆スタッフの解釈

まず計算するために必要になるのは、えーっと…売上高(一年の売上合計)と借入金の残高ですよね?計算式のところにカッコ()で書かれた場所があるのでこれを先に計算します。

売上高÷12=平均月商(一か月の売上高)

そこからさらに計算しましょう。

借入金の残高÷平均月商=借入金月商倍率

これで借りているお金が売上の何か月分あるか分かるんですね。この比率が高い場合、借入金への依存度が高く倒産する可能性が高くなるということ。この比率が低い場合、借入金への依存度が低いこと。

借入残高をただ知るだけでなくて、この金額は月の売上の何倍にあたるのか分かるから返済のイメージがしやすくなるんじゃないかと思います。

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注意しないといけないのは、借入金への依存度が低いから安心できるわけではないということ。投資したら売上が上がる可能性がある…たとえば機械を増やしたら生産量が増えて、販売できる数も増え売上が上がる!というチャンスがあるんじゃないかと思います。そのチャンスを逃さないためにも比率を見極めて借入していきたいですね。

◆まとめ

いかがでしたか?借入金月商倍率を知ることで借りているお金が月商の何か月分あるか分かるということお伝えしました。返済能力を見る指標としても借入をする指標として生かしていけるといいですね。

最後まで読んで頂きありがとうございます。
このnoteが決算書の読める経理担当者や経営者が増えることの一助になれば幸いです。その他、会社の決算、確定申告などの税金に関する相談や、創業融資などの資金調達に関する相談は越前市の梅田公認会計士・税理士事務所へご相談ください。

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