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あかるい暗室を作ろう。その5

こんばんは、吉森です。
前回までは箱(環境)を作る過程でしたが、いよいよ実際の暗室作業に取り掛かかれるようになりました。そこで暗室を作るきっかけを少し。

暗室を作ることは初めての試みでしたが、作業自体は経験があり、これまでは都内にある時間貸しのレンタル暗室を借りて作業をしていました。

レンタル暗室のメリットはなんといっても、ネガと印画紙を持参して指定の時間に行くだけで作業を始められることです。処理液を作る工程や使用後のプロセッサーの掃除など、手間のかかる作業を一切やらなくても良いのは本当に楽です。(逆に言うとこれらの作業はかなり手間がかかります...)
ぼく自身もそうでしたが、展示や写真集発行等に合わせて年に数回集中的にプリントする、という方にはかなり良いシステムだと思います。

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そして反対に、レンタルだからこそのデメリットもいくつかあり、それらが自分の暗室を作ろうと思った理由でもあります。大きく分けて2つです。

まず、利用時間が限られていること。
もちろんレンタルなので仕方がないのですが、自分の場合、残り時間を常に気にしながらの作業は、プリントの精度を落としかねませんでした。
1枚のプリントにグーっと集中して時間をかけたくても、タイムリミットと焼きたいプリントの数を天秤にかけ、自分を追い込みきれないことが何度かありました。時間を気にせず、のびのびとプリントに集中できる環境を作りたかったのです。

そして次に、環境をコントロールできないこと。
不特定多数の人が利用、第三者が管理するレンタル暗室では、環境が毎度変わってしまいます。その日レンタルする部屋に用意されている機材や処理液をそのまま利用することしかできません。引き伸ばし機の内部が汚れていたり、レンズに曇りがあったり、プロセッサー内のローラーの掃除が不十分だったり、液の状態が悪かったり。プリントのクオリティに関わってくる大切な部分を自分で管理することができないのはまずいのではないか、という思いがありました。
(さらに細かい部分だと物の配置など。皆それぞれ自分たちの使いやすいようにセッティングしており、毎度配置し直す必要があった。)

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というわけで、自分たちの暗室を作ることにしたのです。
利用していたレンタル暗室を経て、のきっかけはこんな感じです。

しかし、きっかけはきっかけ、メンタル的な動機の話です。
実際にはコスト面やリスク等をさらに考慮した上で暗室の製作に踏み切りました。今後はその辺りも含めて書いていけたらと思います。
(もちろん具体的なプリント作業についても!)

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最後に。
前回の記事で書いたように、この暗室は「自分たちだけの物」ではなく、誰かにとっても開かれた、あかるい場所にしていきたいと思っています。
そのための準備は少しずつ進めており、頂いているメール等にはもう少しカタチが見えてきたら返信させていただきます。今しばらくお待ちください。

吉森

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