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'92 / 旅と香りと食の記録。秘境から大都市まで、訪れた旅先の魅力を記録していきます。

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最近の記事

癒しスポットとあのボサノヴァの名店 | 癒しのリオデジャネイロ #01

2月。日本は凍えるような寒さだけれど、その頃に太陽をいっぱいに浴びて真夏を謳歌している国がある。 地球のちょうど反対側、ブラジルだ。 今回は氷の大地から一気に変わって情熱の国へ。真夏のリオデジャネイロへ旅した記録。 ひとまずはあのキリスト像へ リオに来たらやりたいこと。 ひとまずあれを見ておかなければ、とコルコバードの丘へ向かう。 街のいろんな場所から見えるキリスト像は、小高い山(というか巨大な岩)の上にそびえ立っている。 麓でチケットを購入したら、かなり急勾配

    • 「異国への旅」をテーマに選ぶ、香りのアイテム7選 − 後半 − | 香りの記録 #02

      前半はこちら ▼ 4. 香る瞑想、神秘的なジャングルの香り / COSTA BRASIL 《Jungle Complex》 森林浴の香りならなんとなく想像がつくけれど、ジャングルの香りと聞いたらどんなものを想像するだろう。 奥深く鬱蒼と茂った木々、霧と湿った土、熟して落ちた果実の芳香。 Jungle Complexはまさにそんなジャングルの要素が複雑に絡み合った香りだ。 初めに使ったのはとあるホテルでの滞在中。 瀟洒なシャワールームにずらりと並べられていたアメニテ

      • 冷たくて美しい氷河の魅力 | 世界の果て、パタゴニア #02

        先日「DUNE/デューン 砂の惑星」を見ていた。 たぶんこの数時間で一生分の砂を見たな、という感想を得たのだけれど、そういえば一昨年の冬は、一生分の氷を見た気がする。 南アメリカ大陸の最南端、世界の果てとも言える場所で生まれて初めて大氷河を目の当たりにしたのだ。 海や森が美しい場所はたくさん伝えられているけれど、氷がこんなに綺麗な場所があるなんてこれまで誰からも聞いたことがなかった。 知ればきっと行きたくなる、氷の大地の魅力。読んでいただいている方だけにでもぜひこっそ

        • 「異国への旅」をテーマに選ぶ、香りのアイテム7選 −前半− | 香りの記録 #01

          旅が好きで、香りを嗅ぐのも好き。 だから、旅にまつわるフレグランスが家の中に増えてきたのも必然かもしれない。 でも、香りが好きと言っておきながら香水をたくさん持っているわけではなくて。 好きなので機会があればたくさん嗅いでみるのだけれど、本当に自分の中に溶け込めるものはほんの一部なのだと思う。 今回は旅の思い出やいつか行きたい場所などをテーマに、五感を使って大切に集めた7つの香りたちを紹介。 1. シチリアの朝食の思い出 / Narcisse Taormina 《C

        癒しスポットとあのボサノヴァの名店 | 癒しのリオデジャネイロ #01

        • 「異国への旅」をテーマに選ぶ、香りのアイテム7選 − 後半 − | 香りの記録 #02

        • 冷たくて美しい氷河の魅力 | 世界の果て、パタゴニア #02

        • 「異国への旅」をテーマに選ぶ、香りのアイテム7選 −前半− | 香りの記録 #01

          風と氷の大地を歩く | 世界の果て、パタゴニア #01

          この旅行を企画したのは私ではなくて山好きの家族だった。 バカンスは海派で、せっかくの夏休みならとりあえずビーチに寝そべってこんがり焼けるのがいいと思っていた私は山にあまり興味がなかった。山といえば林間学校で行ったくらいしか記憶になくて、だからこそ泥だらけの思い出しかなくて。 でも、今回の旅でそのイメージはぴかぴかに塗り替えられてしまった。 今回は世界中のトレッカーが憧れる聖地、パタゴニアに行った時の話。 アルゼンチンのブエノスアイレスから約3時間、エル・カラファテ国際

          風と氷の大地を歩く | 世界の果て、パタゴニア #01

          アテネ空港の名もなき料理 | 食べものの記録 #01

          ようやく席に着いたとき、我々はちょっとした予定外の出来事に振り回されていた最中だった。 旅にトラブルはつきものだ。 とはいえ今までの旅行では幸い大きな困難に遭遇したことはなく、何かあったといえばこの時くらいなものだったが。 この日は地中海の島巡りを終えてアテネ空港まで戻ってきており、ここからローマで乗り継いで南米に帰る予定だった。 19:30発のローマ行きフライトに乗る予定だったのだが、すでに45分の遅延見込み。そして、45分が過ぎても搭乗ゲートが開く気配はない。

          アテネ空港の名もなき料理 | 食べものの記録 #01

          新しめのスポットたちとNYの現在地 | 10年後のニューヨーク #03

          様々な国に足を運んでいると、世界が急速に成長・拡大している様子を肌感で感じる時がある。 たとえば、最近別件の乗り換えで立ち寄ったカタールのドーハ・ハマド国際空港。 最後にカタールに来たのはたしか10年以上前、奇しくも1回目のニューヨーク旅を共にした友人と、別日にトルコに出かけた時のことである。 その時はお値打ちな航空券を購入し、カタールで乗り換えのために10時間ほど暇を持て余すフライトスケジュールだった。 周辺にアジア人がおらず物珍しかったためか、UAEから修学旅行で

          新しめのスポットたちとNYの現在地 | 10年後のニューヨーク #03

          MoMAとメトロポリタン美術館で推し活してきた | 10年後のニューヨーク #02

          そんなわけで、10年ぶりにニューヨークに降り立った。 タイムズスクエアは相変わらず忙しなく、真夏の暑さと青空がより活気を与えているように見える。ちょうど夏休みの時期だったこともあって、世界中から観光客が押し寄せて足の踏み場もないほどだ。 たしか日本ではマスクを取るのか取らないのかという話題が出ていた頃だったと思うけれど、世界はひと足先にすっかり日常を取り戻していたようだった。 推しに会いに行かなくてはならない 何をしに来たのかというと、推し活をしにきたのである。 推

          MoMAとメトロポリタン美術館で推し活してきた | 10年後のニューヨーク #02

          芸術と旅するということ | 10年後のニューヨーク #01

          この夏、ふとニューヨークへ行こうと思い立った。 最後に行ったのはもう10年前、まだ学生の頃。 当時学部で仲が良かった友人に誘われるがままに着いていき、それが人生初めてのニューヨーク旅行となった。 その頃の私たちは美術史を専攻する大学生で、当時アルフォンス・ミュシャに惹かれていた私は、連作「スラブ叙事詩」についての論文を書いていた。 ミュシャといえばデザインやポスターが有名だけれど、私はスラブ民族のアイデンティティ喪失と復興の歴史の方に興味があった。 友人の論文は何だっ

          芸術と旅するということ | 10年後のニューヨーク #01

          ジャガーと満月と虹と | 世界遺産、イグアス国立公園 #02

          「月虹」という言葉は、最近になって知った。 いかにも珍しそうだし、その現象を観察するにはいくつかの条件が重なる必要があるらしい。 満月前後に行くと運良く小雨があり、月の光が当たるが、他の灯りが邪魔しない場所。たまたま今回の旅先には、そんな条件の揃う場所があった。 真夜中のフルムーンツアー 前回触れた悪魔の喉笛へのトレッキング前夜。深夜0時を回る頃、私たちはホテルのとある一室に集められて点呼をしていた。 今回宿泊したBelmond Hotel Das Catarata

          ジャガーと満月と虹と | 世界遺産、イグアス国立公園 #02

          悪魔の喉笛を覗いてきた | 世界遺産、イグアス国立公園 #01

          今から1年半前、私は南米アルゼンチンにある山奥の崖に立って、轟音を響かせるその滝壺を覗き込んでいた。 “Garganta del Diablo”、悪魔の喉笛と呼ばれる場所である。 先住民グアラニー族の聖地 ここイグアス国立公園には大小275の滝があって、中でも世界最大級のこの滝壺は別格と言える迫力だ。 今でこそ世界中から人々が集まる観光地になっているけれど、もともとは先住民グアラニー族にとっての神聖な場所だったらしい。 イグアスという名前も「大いなる水」を意味する現地

          悪魔の喉笛を覗いてきた | 世界遺産、イグアス国立公園 #01