見出し画像

占いなんて

「不眠症で寝られない場合、芸術の才能が開花しているだけなので、ものを書いたり写真を撮ったり表現すると、気持ちがラクになる。」

11月、何気なく見ていたヤフーニュースで、この言葉が目にとまりました。

よくよく読んでいくと、人気占い師が突撃で一般人を占っていくという趣旨のテレビ番組についての記事であることがわかりました。

この番組を見ていないので、前後にどのような会話があったのかはわかりかねますが、実は私、この言葉に少しだけ励まされたのです。

なんせ、これを書いている私が不眠症だからです。

今年の3月下旬、突如眠れない日がやってきました。

感覚が冴えに冴えて眠れそうになかったので、スマホの電源を切り、長めの散歩に出かけました。

家の近くの桜が、ぶおおおおお!と勢いよく咲き始めた時期でもあり、日も長くなり始めた頃でもあったので、桜並木を歩きながら、上へ上へと伸びていく生命のエネルギーを感じる季節でもありました。

一過性で終わると予想していた不眠は、春を過ぎて夏になっても続きました。

厄介だったのが、眠れたり、眠れなかったりすることで、まるでシフト勤務のアルバイトのような連続性の無さでした。

眠れる日が続いてきたと思ったら、しばらくすると眠れない・・・。

夏の暑さに眠れない原因があるのではと思い、対策を講じましたが、眠れる日は遠くなるばかり。むしろ眠れない日のシフトの方が多くなってきました。とどめを刺されたのは「Nクール事変」です。

眠れない私を不憫に思った夫が「少しでも入眠しやすくなるように」と、私の寝具をまるっとニトリのNクールに替えてくれたのです。

これで心地よく眠れる・・・と思ったのも束の間、全身がひんやりする感覚に敏感に反応してしまい、わずか3時間ほどでNクールを全てはがすという結果に終わりました。断っておきますがニトリ様の企業努力は疑うべくもありません。本当にひんやりしました。
(私が神経過敏だからこうなっただけで・・・)

最強と思われた装備でも、この不眠戦争に終止符を打つことができず、ここで私はようやく全面降伏を決意しました。

「私の不眠は異常である。睡眠外来のある病院に行く」と。

前置きがだいぶ長くなってしまいました。

この記事を書いている今は12月ですが、2ヶ月に1度の通院と、毎日安定剤を飲むことは続いています。

ただ、睡眠導入剤を使い、自分を強制的にシャットダウンさせて眠るという日は以前と比較するとかなり減りました。

病院にこそ行きましたが病名もつかず、原因も判然とせず、おそらく不眠症の中でも軽度の部類に入るのだとは思いますが、自分が静かに錆びていくような気がして、2023年はちょっと辛かったです。

振り返ってみて悲しかったな・・・と思うのは、楽しいはずの予定を楽しめなくなったことでした。

遠足直前の小学生みたいで言うのが恥ずかしいのですが、ワクワクして眠れなくなってしまうので、友人との約束の日時を調整したり、好きなコンテンツの配信をライブではなく、休みの日にアーカイブで見たりしていました。

それでも不眠が続くときは、思い切って楽しい予定を取りやめるという決断もしました。

大げさですが、今まで自分の人生の手綱をしっかりと握ってこなかったので、振り落とされそうになってから慌てているような感覚があり、自分で自分のことをコントロール出来ない自分が悪い・・・と、悲観的になることもありました。

このnoteはまだ不眠がひどくなかった4月に開設したのですが、途中、体調に波があったので「これ(note)もやめたほうがいいのかな・・・」と悩みつつ、編集時以外はログアウトをすることにして、バランスをとりながらやってきました。

「不眠症で寝られない場合、芸術の才能が開花しているだけなので、ものを書いたり写真を撮ったり表現すると、気持ちがラクになる。」

我ながら(占いなんて・・・)とは思わなくもないですが、実はこっそり雑誌の占いを読んで楽しんでいるときもあるので、良しとしましょう。

そして、あの眠れなかった日々が(私に芸術の才能を授けてくれていたのかも?)と思えば、ささくれていた気持ちも、ほんの少しだけ平らかになります。

根拠のないことが、自分の心をそっと支えてくれることもあります。
皆さまの2023年はいかがでしたか。

ただ、本音としては、やっぱり睡眠はしっかりと取りたいので、健康な身体を保ちつつ、少しずつ2023年に吸収してきたであろう芸術の才能を、2024年に向けて放出していきたいと思う年末です。寒い!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?