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U Tunes Track 18 : モケーレ・ムベンベ

先日、各地で開花宣言がなされ、いよいよ春到来。と思いきや、これまでの陽気から一転、昨日は雪が降り真冬に逆戻り。春の天気は気まぐれだ。

徐々に暖かくなり、草木も芽吹き、花が咲き始めるこの季節。色彩豊かな自然に人々は心を和ませる。さて、今回はそんな時期にぴったりな、色鮮やかなアフリカ奥地の自然に棲息すると言われるモケーレ・ムベンベをピックアップ。

モケーレ・ムベンベ

アフリカ大陸中央部のコンゴ共和国、カメルーン、ガボンなどの広大な熱帯雨林の湖沼地帯に生息しているのではないかと言われている未確認生物。元々、現地人に古くから語り継がれてきた伝説上の怪物である。言い伝えや目撃談を総合すると、体の大きさはカバとゾウの間ぐらい、体長は5~10mで、ヘビのように長い首と尾を持ち、4本脚で、直径30cm以上の丸い足跡には3本の爪跡があるとされている。
1980年代以降、数多くの探検隊が組織されてきたが、21世紀になっても未だ写真、映像、標本など、生息を確実に実証できる資料は皆無に等しく、その存在は謎に包まれている。知られている特徴を既知の動物に当てはめようとすると、恐竜の竜脚類などが候補に挙がるとして、恐竜の生き残りではないかとする説がある。このことから、コンゴ・ドラゴンとも呼ばれている。

BGMには・・・

鬱蒼としたアフリカの熱帯雨林をのしのし歩く音は大地のリズムとなり、動物や草木も騒ぎ出す。そんなモケーレ・ムベンベをイメージしてBGMに当てるのは、African Music Machine の「 Black Water Gold (Peral)」!

Africanとバンド名に入っているが、実はアメリカ、ニューオリンズ出身のファンクバンド。シンプルなリズムに、重厚でエネルギッシュに吠えるホーンセクション。そして、なんと言っても、うねり、動きまくるベースラインが堪らない。バンド全体のドス黒いファンクネスを生み出すのは、ベースと言っても過言ではないかもしれない。 

African Music Machine / Black Water Gold (Peral)

この曲は「RARE GROOVE A to Z」誌にも掲載された人気曲。


ファンクのおかわりはいかが?

Fela Kuti - Zombie

アフリカ+ファンクと言えば、真っ先に上がるのはアフロビートの祖、Fela Kuti。その代表作ともいえる「Zombie」は、トライバルで土着的なリズムに、熱量を帯びたヴォーカルとコーラスが絡み合い、12分もの長尺ながら、長さを感じさせないほど引き込まれる。

約1年ほど前に、アフロビートの楽曲を紹介したバックナンバーも是非!


Oscar Sulley / Bukom Mashie

続いて、ガーナ出身のドラマー、Oscar Sullyが率いるバンドによるファンキーチューン。リズミカルなパーカションとベースが生み出すグルーヴで体が自然と動き出す。そして、幾重にも重なったホーン隊のアンサンブル、ソロパートでは、トランペット、サックス、フルートがバトンタッチしていき、ヴォーカルソロに繋がる展開が秀逸。最後はハッピーな雰囲気でほっこり。
ハウス系のDJにも多数ミックスされるくらい、フロア仕様にもぴったりで、アフロミュージックがクラブシーンでも、クロスオーバーしている証拠だ。

The Jimmy Castor Bunch - It's Just Begun

そして、誰しも耳にしたことがあるイントロのキラーフレーズがインパクト大のファンククラッシックの名曲。ヒップホップのサンプリング元として多数使われており、ブレイクビーツと言えばコレ。途中の歌フレーズ以外は1つのコードだけで繰り返されるのに飽きさせないのは、リズム、楽器隊、ヴォーカルのグルーヴによるものだろう。ジャケットのカオス感も最高!

The Chemical Brothers / It Began In Afrika (Radio Edit)

この曲は、The Chemical Brothersもカバーしている。ブレイクビーツ色が強まり、彼ららしさ全開!

RHYMESTER / B-BOYイズム

さらに、この曲は日本のヒップホップシーン黎明期より活動するRHYMESTERの代表曲のイントロにも使用されている。

サカナクション / ショック

サカナクションの最新曲「ショック」も、モロにアフロビート。意外な印象を持つかもしれないが、ダンスミュージックとロックの融合を掲げる同バンドなので、アフロとファンクが持つダンス性を取り入れるのは自然な流れのように思える。

モケーレムベンベ / 彩都線にのって

最後はファンクではないが、今回の主役、「モケーレ・ムベンベ」の名前を冠した大阪で活動する3ピースバンドのストレートなロックを。疾走感があり、地元の情景をエモーショナルに歌い上げる姿に、心を掴まれる。


あとがき

今回はモケーレ・ムベンベをきっかけに、アフロ、ファンクに関連した楽曲をお届けしたが、いかがだったろうか?
季節が変わり、節目を迎えるこの時期には、気持ちがアガる音楽をお供に、前を向いて楽しく時間を過ごしていきたい。

次回は4月中旬、お楽しみに!

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