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【パレット上の戦火】 第1話

「月面放送」


「遘√?蝨ー逅?ココ繧定ィア縺輔↑縺」

人々を脅かす地底生命体、ヴァーリアントの魂の叫びが聴こえている地底。
その奥深くでは、ヴァーリアントの魂の鼓動が、声として反響していた。

「莠コ髢薙r險ア縺輔↑縺」

高度な知性を持つヴァーリアントの声は、我々人間の解析を基本的に、ほぼ受け付けない。
彼らが、世界にあまねく存在する物語にはない言語を持っているとして、いやはや、その意味の真意を知ることは不可能だろう。

……我々は地球をけがすものを許さない。
……人間を許せない。

その言葉の意味がわかるときは我々にはくるのか。
わからない。いや、わからなくたっていい。立場が違うなら、永遠にわからないのかもしれない。
そんなことは、生き延びた数少ない人類の、この月面放送の中では、せいぜいくだらない言い草に過ぎないのではないか。

月面放送は、ヴァーリアントたちの声の放送を終えると、BGMにRadioheadの「No Surprises」をかけながら、こんなことを語り始めた。

クレーターのほとりで、故郷ふるさとを思い返すとき、私たちはかつての過ちに気づいて、世界を救う方法を考えることができたのかもしれない。
今となっては、もう随分と昔の話だが……。

この話は、最後まで地球に留まり続けて、ヴァーリアントたちと闘った人々の、悲しい物語の記録である。


文:夜田わけい
イラスト:蔦峰トモリ

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