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U Tunes Track 03:マピングアリ

前回はアメリカだったので、今回は大陸を南下して南米はブラジルの熱帯雨林に生息すると言われるマピングアリをピックアップ。

マピングアリ

マピンガリ

ブラジルのアマゾン熱帯多雨林に住んでいて、赤い毛皮で高さ6フィート(約180㎝)の地上ナマケモノのような生きものに似ている、伝説的な未確認動物。地元住民には恐れられており、ジャングルを徘徊し、後ろ足で立ち二足歩行も可能である。肉食らしく度々、村を襲撃しては家畜を襲うらしい。

VIVA BRASIL

ブラジルと言えばサンバ。だけど底抜けに明るいのはマピングアリっぽくないので、高揚感がありつつも哀愁が漂う雰囲気の、VIVA BRASILの「Skindo-Le-Le」をセレクト。

VIVA BRASILは1980年代アメリカで活動していたブラジル出身のフュージョングループ。同曲は1990年代前半のロンドンのクラブジャズシーンで脚光を浴びた高速サンバなフロアアンセムの一曲で、Aliveや阿川泰子など数多くのアーティストにカバーされている。
サビに向けて盛り上がる展開、流れるようなコード進行、間奏のスキャット、全てが最高だけど、やっぱり一度聴いたら口ずさめるサビのフレーズに尽きる。

「スキンド、スキンド、スキンド、スキンド、スキンド―レーレー♪」
これを聴いたら、マピングアリもジャングルから踊りながら出てこないかな?

ブラジリアンフレーバーなクラブミュージック

ブラジル音楽と言えばサンバやボサノヴァといったお祭りやカフェで耳にするイメージが強いが、今回はクラブシーンとの関係について触れていきたい。

1980年代ロンドンのクラブやパーティで、アフロキューバン、ジャズファンク、ソウル、フュージョンなどの70年代ブラックミュージック、ジャズ、ラテン、ブラジリアンミュージックがプレイされ始め、「ジャズ・ダンス」ムーブメントとなっていった。

ここで言う「ジャズ・ダンス」とは、ダンスの種類ではなく「踊れるジャズ」という意図で使われている。格式張ったジャズではなく、ジャズ以外のジャンルもダンスミュージックとして捉えて、気軽に身近に感じられる、踊れる音楽がクラブシーンで人気を博していった。

ということで、時代やエリアを超えて埋もれていた過去の音楽を再評価する、「レアグルーヴ」の観点でクラブDJに発掘された名曲たちをご紹介。
私が大学時代に渋谷のレコード屋(特にDMR)で出会った曲や、深夜のFMラジオで気になった曲中心で、ちょっと偏ってるかも。。

Azymuth / 「Jazz Carnival」

ブラジルが誇るジャズ・ファンク/クロスオーバー/フュージョングループ。日本では「Fly over the Horizon」が、NHK-FMで放送された『クロスオーバーイレブン』のテーマ曲として有名。(らしい。リアルタイムで聴いていないので。)元々世界的に知られたグループであったが、1980年代後半のUKクラブジャズブームで再評価されファン層が広がった。

彼らの代表曲の「Jazz Carnival」は、うねるベース、タイトなリズム、スペーシーなシンセが最高なブラジリアンディスコチューン!


Ana Mazzotti / Agora Ou Nunca Mais

ブラジル出身のシンガーソングライター。前述のAzymuthによる全面サポートでリリースされたブラジリアン・レアグルーヴの最高峰として知られる『Ninguem Vai Me Segurar』より、独特のリズムとエレピが印象的なサンバジャズの名曲「Agora Ou Nunca Mais」。


Kitty Winter Gipsy Nova / 「New Morning」

ジプシーの血を引く女性ジャズ・ヴォーカリストKitty Winterを中心としたドイツのジャズフュージョングループの名盤「Feel it」より、キラーチューンの「New Morning」。随所に繰り返されるスキャットとベースとエレピがユニゾンするフレーズが気持ちいい。
クレイジーケンバンドの「発光!深夜族」とリズムとコード進行が似ているかも。


MR. HERMANO / 「FREE AS THE MORNING SUN」

SANTANAの78年リリースの楽曲をカバーし、原曲を超えてしまった奇跡の名曲「FREE AS THE MORNING SUN」。踊るようなピアノのバッキング、涼しくも熱を帯びたフルート、軽快なリズム、そして総勢38名によるコーラスが重なりあい、高揚感は最高潮になり私たちは一つになる。
暑い夏の夜、みんなで両手を挙げて踊りながら合唱したい一曲。
(大変な世の中ではあるものの、近い将来、そんな体験がまた出来ることを願って)


最後に

ブラジルの音楽には多幸感と郷愁(サウダージ)を感じるものが多く、情景や叙情を重んじる日本人にも耳馴染みがいいのかもしれない。
レアグルーヴの観点で、時を経て隠れた名曲に光が当たるように、私たちUMA CREW PROJECTの活動を通して、未だに人間に見つからずひっそりと生きている(埋もれている)UMAにも光があたるといいな。


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