見出し画像

【子育て】子供がゲームしかしないのは敗北でしかない

「子供」と「ゲーム」というと、たいてい「ゲームのやり過ぎはよくない」 とか「どうすればゲーム依存をやめさせられるか?」みたいな”ゲーム=悪論”か、最近の議論では「ゲームが与える良い影響と悪い影響」とか「ゲームで子供の能力を伸ばすには?」みたいな”ゲームの±効果論”で語られることが多いと思います。

でも、元ゲーム系会社でCOOだった立場から言えば、子供(顧客)が夢中になって遊んでくれるゲーム(商品)を作って、売れた、ってことは、ゲームクリエイターやゲーム会社にとっては「してやったり!」というか、ビジネスとしては当然のことで、ゲーム会社の社員は文字通り日夜!いかに売れるゲームを作るかに命をかけて頑張っているのです。

すぐにクリアされてもだめ、難しすぎてもだめ、いかに斬新で、ハマるゲームを作るか、ゲームバランスを調整しながら、優れたゲームを作る作業は思っているほど簡単じゃありません。「ゲームなんて遊びながら作ってるんだよね〜?」なんて思う人はさすがにいないと思いますが、作っている人にしかわからない苦労がたくさんあるのです。ゲームを作るのも真剣勝負。作り出したゲームにみんながはまってくれることは、まさに、ゲームクリエイターにとっては苦労の末に勝ち取った勝利であり、ゲームにはめられた人たちの敗北なのです。

「ゲームにはまる」ということは、ただ単に、他のなにをするよりも、ゲームをするほうが面白いだけなのです。いまどき面白いことなんて山ほどあります。テレビを見る、本を読む、音楽を聴く、映画を観る、遊びに行く、、、、そんな中、ゲームクリエイターさんたちは、選ばれるエンターテインメントを作ることに日夜費やしています。テレビの人も、音楽の人も、映画の人もみんなそうなんですよね。

だから、「ゲームをやりすぎるのはよくない、からゲームをさせない!」とか「ゲームは能力を伸ばす効果もあるから、いいゲームをさせよう!」 なんていう単純な話ではないと思うのです。無理やりさせたり、させなかったりしてもストレスになるだけではないでしょうか。今のところゲームが何よりも楽しいからゲームにはまっているだけで、ゲームより面白いことがあれば、そちらにはまるに決まってます。

より面白いものへ、より楽しいことへ、より刺激的な経験へ、子供たちを導いてあげる努力が足りてない?

というか、他に自分が面白いと思うものを見つければ、勝手にそっちに夢中になるでしょう。もしかすると、ゲームにばかり夢中になっているのは、世の中、他にも数え切れないほど面白いことがあるのに、それに触れる機会を子供に与えきれずに、ゲームクリエイターの与えたゲームの魔力に屈しているだけかもしれません。

うちの小3の子は、いまマインクラフトにはまってます。時間を決めないといつまででもやっています。なので、一応、一日75分までのルール。マイクラはかなりよくできたゲームです。といって、親は二人ともマイクラをやったことがないので、なにがそんなに面白いのか、まったくわかりません。それでも子供はかなり夢中です。毎日、マイクラの世界の中に入って、なにか作ったり、冒険したりしてます。

まあ、それはそれでとってもいいことだと思っています。あと、マイクラ以外でも、本も好きです。ワンピースにもはまってます。マイクラの世界だけじゃなく、リアルの世界の秘密基地作りも夢中です。

要は面白いことって、たくさんあるんですよね。

ゲーム会社の、何十人何百人もの社員が、何ヶ月何年もかけて、何億、何十億と開発費をかけて作ったゲームよりも、山で拾った木を振り回して、友達と秘密基地を作って遊ぶほうが楽しかったりすると、元ゲーム会社の人としては、ちょっとうれしい敗北感を感じるのでした。


京都北部の山あいの小さな集落にただ1軒の小さな百貨店から田舎の日常を書いています。子供達に豊かな未来を残すためにサポートよろしくお願いします!