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異端児SHARPのパソコン

システムは読み込ませるもの。現代においてはOSをSSD(やHDD)から起動することとなっています。

パソコンのスイッチを入れても、システムを読み込ませなければ何も出来ない、電気を食うだけのただの箱となってしまいます。

X68000においても同様な動作となっており、「HDDまたはFDDからシステムを起動する」という仕様になっています。

今(2023年現在)では「そんなの当たり前じゃん?」となるのですが、昭和の時代では、SHARP製パソコンの大きな特徴の1つだったのです。

昭和の終わりという時代

当時、ほとんどのパソコン(マイコン)は、「電源オンですぐ起動」が当たり前でした。すげーですね。近年のMacBookがようやく実現した機能であり、MicrosoftもWindows11でようやく使えるレベルで実現した機能です。

まぁ昭和のパソコン達をちょっと持ち上げたわけですが、実際立ち上がったのはBASICでした。パソコンに内蔵された言語「だけ」が立ち上がるわけです。OSという概念はありません。なので、あまりフェアな比較ではありませんが…

では、何故当時のパソコンは、電源オンですぐ起動だったのか?
これは当時、

そういった家電製品しか世の中に無かった

ためです。

テレビも洗濯機もステレオもビデオデッキもアイロンもドライヤーも…

使うときは電源を入れ、消すときは電源をブチッと切る。これが当たり前で正義でした。

今でこそ、パソコン終わらすときはシャットダウン、は常識ですが、これは高度なオペレーションであり、教育がないと理解できない操作なんです。

この昭和の時代、「学校でもコンピュータの教育をやろう!」という機運が高まりましたが、一部の権力をもった教育者達によって潰されたという経緯があります。
当時中高生だった私はそのような教師達を実際に見たものです。

「なんだかなぁ」

と小僧だった自分も暗い気持ちになったものです。

結局、「権力を持った教育者」達がきれいさっぱり引退するまでに、たっぷり35年以上の歳月が必要でした。
今更ながら、大慌てでGIGAスクールなんて始めましたがまぁ、やらないよりはやった方が良いので賛成。

ただ、ブロックチェーンやメタバース、AIについて行けると良いのですが…
アカデミックに「コンピュータ」を学ばせようとしていておじいさんは心配だよ…

私の老いた頭では、なかなかに難しい…
だからこそ、若い「普通の人」が心配になります。

じじいの愚痴もかけたのでここまで、はぁすっきり😜

クリーンコンピュータ

そんななか、SHARPはわりと後ろ向きな理由から、BASICをROMに搭載しない(パソコンに内蔵しない)コンピュータを設計しました。

これをSHARPはクリーン設計とかクリーンコンピュータと自称していました。

この設計思想、結果として正しい。現在の目から見ても非常に正しい。

ただ当時はデータレコーダ(カセットテープ)が主流で、FDDを使うのは一部の金持ちだけでした。

そんな人は、そもそも値頃感のあるSHARP製パソコンは買わないのです。NECや富士通、日立と言ったジャパンIT界の巨人製パソコンを買うのです。

伝説のX68000シリーズといえど型落ちの値崩れっぷりはエグかったです。SHARPというコンピュータメーカ「でない」ハンデは大きかった…

カセットテープからの起動となるので、4,5分起動に時間がかかります。ゲームならともかく、プログラムを始めるにもじっと待つ…

そりゃもう、馬鹿にされました。特に我が世の春を謳歌していたNECユーザにからかう人が多かったなぁ。

ただ、システム周りもRAMなメリットは大きく、BASIC本体を改造する、高速化BASICが出る、サードパーティから開発ツールが出る、といったなかなかにその筋なパワーユーザを生み出すこととなっていくのです。

もっとも私は何故か部活(陸上)に軽くはまってしまい、しばらくパソコンから離れるのですが。

マイコン黎明期のソフトウェア

ちなみに、マイコン時代はソフトハウスといった形態の、今で言うベンチャー企業がたくさん生まれました。

ソフトウエア企業の黎明期ですね。

その中でも高い技術力を持っていたのが、

  • 北のハドソン

  • 南のキャリーラボ

特にキャリーラボは、当時住んでいた自宅からそれほど遠くない距離にありあました。
中学生の時、自転車こいで現地へ赴き、Carry lab.と表示された看板に熱視線を送っていたことが、数回あります。

キモいですね😖
今の時代なら事案かも。
特に注意されることはありませんでしたが、社員の皆さんは良い気分では無かったろうなぁ…

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