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【過去作レビュー】1/48 タミヤ F-15Jを褒めちぎる

執筆 北大プラモ部部長 クローデル

過去作レビューだよ(^^)

今回は僕Twitterで発表した作品の中で人気の高い、タミヤのヨンパチF-15Jの製作過程をご紹介します。
現在大学3年生なのですが、1年生の頃はガンプラのみ、2年生の時からジェット戦闘機にハマり製作しています。
私は戦闘機は水性塗料で塗装する主義で、今回の記事では使用方法もご紹介いたします。
昨年のボークス札幌SRでのVKMペイントコンテスト10において、ミリタリー部門金賞を受賞できた思い出深い作品になります。
それでは、どうぞ〜!

初めてのヨンパチ

これはジェット戦闘機を作るようになって3個目かそのくらいに作った奴だと記憶しています。このキットは比較的お安く、練習にもなると思って購入しました。

この渋い箱絵が堪らんのよ、カッコ良すぎる!

箱を開けて見て一言、でっっっっっっっか!

今まで比較的小さな戦闘機しか作ってなかったのでランナーを見て驚きました。
でかい。
ただこのデカさでヨドバシ価格¥2550。お得感半端ないわよ!

HGのガンプラをゆうに超える胴体パーツ。A4カッターマットをゆうに超えるデカさ。


歴戦のキット、タミヤ1/48F-15J

ここで少しキットの解説。
このキットはタミヤが1992年6月に発売したキットで、昨年で販売から30年を迎えた歴戦のキットになります。ヨンパチですがパーツ数はちょうどいいくらいで、形にするだけなら1時間もかからないくらい作りやすいです。
組み上がったフォルムやモールド(溝)はまさに我々の空を守るF-15Jそのもの。
30年前のキットとは思えない形の良さ、昔から変わらないタミヤの高い取材力と技術力を感じます。

ささっと仮組みしてパーツの合いをチェック。バッチリ合ってました。


さて調理開始!

リベットルーラーを使ってみた


できのいいタミヤヨンパチイーグルといえども、さすがに現行の他社キットと比べるといささか情報量が少ない気がしました。
そこでやってみたのがリベットルーラーによるディテールアップです。

実機を参考にリベットが入っているラインにリベットルーラーで等間隔に穴を開けてみました。


墨入れしてラインを確認。何もしないよりは実機ぽさが出ている。

でかい飛行機飛ばしたい

迫力のあるこのキットを飛ばした状態で展示してみたくなり、工作を試みました。バンダイのアクションベースを使ったり試行錯誤しましたが、外観が悪くなりそうだったので断念。
別の方向で作ることに。

でかいと重いのよね(当たり前)

ふと見つけた、デジタル迷彩

なにかかっこいいF-15Jの塗装はないか、色々調べてました。すると第303飛行隊で航空自衛隊60周年記念の時にデジタル迷彩に塗装した記念塗装機を発見。
これだ!と運命を感じて製作してみることにしました。

バチビタだけどすり合わせは慎重に

方針も決まったので一気に接着して形にしていきました。一番大きな隙間が出たのが主翼の付け根の部分。パテ流し込んでヤスリをかけての繰り返しで段差が生まれないように。
他のパーツも段差のないように接着していきました。

主翼付け根の段差。パテを持ってひたすらヤスりました。


ところどころサフ(傷埋め剤)を塗装して表面を確認。

塗装開始ー!

私の戦闘機の塗装の特徴は全て水性塗料で塗装しているところにあります。理由としてはお掃除が楽で水で洗浄できることや、匂いがしないところなどです。最近の水性塗料は性能が高く塗膜の強さや乾く速度にも申し分ない。
何より完成した後の仕上がりはラッカーと変わらないところも好感度が高いですね。

プレシェーディング

サフを吹き終えたらパネルライン、モールドに沿って黒を吹いていきます。
これを下地として上から本体色のグレーを塗装することによりモールドに陰影が生まれるのを狙いました。
この時エアブラシの吹き出し量は少なめに、圧力は高めに設定しました。ここら辺は長谷川迷人の解説が参考になると思います。

モールドに沿って黒を吹いてる最中。機体全面に行いました。

機体色グレー

F-15Jの特徴的な迷彩を塗り分ける必要がありました。型紙を作ったり練り消しで枠作って塗り分けたりなどさまざまなやり方が考えられます。
しかし今回はフリーハンドで塗装しました。この上からデジタル迷彩を塗るので大まかで構わないと思ったからです。

ファレホで塗るよ

スペインの水性塗料であるファレホで塗装してます(ボークスで買えます)。
ファレホを使っていることが条件のVKMペイントコンテストに出すのも合って塗装はファレホで統一しました。モデルエアーシリーズは既に希釈済みなのでとても便利です。普通のファレホは一般水性塗料同様、水やアクリル溶剤で希釈して塗装します。

薄いグレーはファレホのプライマー、70615番のUSNライトゴーストグレー
濃いグレーはファレホのモデルエアー、71120番のダークゴーストグレーで塗装。

航空機の機体色はFSカラーという分類があってこのF-15JだとFS36320(濃いグレー)、FS36375(薄いグレー)が必要になります。普段は実機のFSカラーを調べて対応する色を買ってます。

ただそれっぽかったらいいので塗料選びは自由でいいと思います!

陰影つけながら塗ってみたよ。

これからが地獄だぞ!

グレーを塗装した後、いよいよデジタル迷彩に入ります。迷彩パターンは実機を参考にしつつひたすら塗ってマスキングしての繰り返し。ちょっとずつパターンを作っていきます。

まずは黒

作業が進むにつれてマスキングも沢山に。なんやかんや2週間くらいぶっ続けで塗装しました。気が遠くなりました汗

今見てもよくやったなと・・・

塗り終わったー!

何回も修正してやっと塗り終わった迷彩パターン。よくやったよよ自分を褒めたくなりました。

ここからは仕上げです


デカール貼り

キット付属の品質の良いデカールを説明書の指示通りに貼って、尾翼の所属部隊は我らが北海道、千歳所属の第203飛行隊のマークをチョイス。デフォルメされたクマちゃんが可愛い。
デカール貼り終えたら保護も兼ねてクリアをかけました。

デカール貼ると一気に引き締まるのよね

汚します

実機は綺麗じゃなくて汚れています。これを再現するために塩マスキングをやってみました。
全体に水をかけた上に食卓塩をふりかけて乾かします。その後に上からスモークグレーを吹きかけて塩を落とすと、マダラ模様のなんとも言えない汚しができます。

塩ふりふり

装備品もしっかり汚します。エナメル塗料をしゃばしゃば希釈したものを塗りたくって放置。軽く拭き取ってあげて汚しを残しましょう。

最後に機体と装備品に水性の艶消しクリアーを吹いて完成です。

完成 F-15Jデジタル迷彩仕様

というわけで完成したのがこちら。
フォルムの良さを残して、足りない情報量をデジタル迷彩で増やしてみました。
初めてのヨンパチ、なかなかハードルの高いものに挑んでしまいましたが無事完成して一安心でした。

水性塗料でもラッカーと塗ったのと変わりないでしょ?

そしてVKMペイントコンテストへ挑む

完成した作品でコンテストにエントリー。初めてのショップコンテストへのエントリーだったので結果待ちまでとても緊張しました。

ありがとう、ミリタリー部門金賞

お客様の人気投票でありがたくミリタリー部門金賞をいただけました。おかげさまで代表作になりました。投票してくださった皆様、ありがとうございました。
今でも賞状を見てはニヤニヤしてしまっています。

ご覧いただきありがとうございました。皆さんも出来が良く、自由に楽しめることができるタミヤのヨンパチイーグルを楽しんでみてください!


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