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あなたの知らない水性塗料の世界 Part1

執筆 北大プラモ部部長 クローデル


皆さん、塗装してますか?

今回はHow to 記事です。おこがましいですが私が水性塗料についていろいろ話して、テクニックなんかを載せていこうと思います。普段のエアブラシ塗装作品のほとんどが水性塗料メインで行っているので、製作の中で見つけたコツなんかも交えてご紹介します。今回はPart1ということで水性塗料とはどんなものか書き記しました。

さて昨今リビングモデラーが増えている中、みなさんは塗装で困ったりしたことあるのではないでしょうか。
家族から匂いがきついと塗装を言われて断念している方もおられるかと思います。
そんなあなたにこそ、声を大にしておススメしたいのが水性塗料になります。今回は水性塗料の魅力を紹介していきますよ~!

水性塗料とは


塗料の構成

塗料の構成についてみてみましょう。
基本的に塗料は顔料(色)+有機溶剤で構成されています。ラッカー塗料はこの有機溶剤の匂いがきついのでたまに吸い込みすぎるとクラっと来るわけです。
豆知識ですが塗料メーカーは体に良くない者が使われていることを認識してもらうために、あえて有機溶剤の匂いをきつくしているそうです。
さてそんな有機溶剤ですが水性塗料では匂いがしないまたは消毒用アルコールほどの低刺激臭です。これなら家族にも迷惑は掛かりません。

乾きやすさはどうでしょうか。ラッカー塗料の構成比は顔料3に対し有機溶剤7と聞いたことがあります。対して水性塗料は顔料7に対し有機溶剤3ぐらい。
顔料が多いということは乾くのに時間がかかるということ。どういう仕組みかというとこれはどの塗料にも共通しますが、色が乗るということは色付きの樹脂膜ができるということです。有機溶剤が多いということは一気に乾燥するので乾燥時間が短い。溶剤が抜けて残った顔料により樹脂膜ができるわけですな。
水性ではその顔料が多いため樹脂膜の形成に時間がかかる。だから乾いたかなぁと思って触ったらたっぷりと指紋がついてしまうのです。
なので乾燥は大事なポイントです。ですがモデラーとはせっかちなもの、待ってられないという人も多いでしょう。以前の水性塗料なラ待つしかなかったのですが、最近の水性塗料は性能の向上によりかなり乾燥時間が速くなってます。塗装直後に指で触れても問題ない程度には進化してます(体感ではありますが)。

そう、悪しき乾燥時間の長さから嫌煙されていた水性塗料は、性能の向上に伴い匂い少な目のまま使いやすく進化していたのです。

水で落とせる


そして水性塗料ならではの特徴ついて触れ忘れていました。それは水でお掃除できるということ。ここも環境にやさしく使いやすい点ですよね。加えて溶剤のランニングコストを抑えることができるというメリットもあります。
普通のラッカー塗料なら薄め液に加えツールクリーナーも必要になります。しかし水性塗料ならあらかたの汚れは水で落として、こびりついた汚れだけアクリル薄め液で落とせばいい。余計な溶剤を買わずに済むのです。

まとめ

水性塗料は匂いが少なく安全であり、乾きやすさと扱いやすさを兼ね備えた塗料である。

だからこそ、ラッカー塗料一強のこの時代に水性塗料でもできることあるもんってことを見せたくて水性で塗ってるんですよねぇ(ほんとは楽なだけ)。

水性塗料、何を買えばいいの?

国産、海外ともに様々な水性塗料が販売されています。特に海外のは種類•色数ともに多く、環境規制が強いお国柄からこれをメインとして使っている海外モデラーも多く見受けられます。今回は私が普段使っている水性塗料の中でおすすめのものを紹介します。これはごく一部なのでほかの水性塗料もぜひお試しいただければと思います。

国産①:クレオス 水性ホビーカラー


最近リニューアルや新商品を出し続けているクレオスの水性塗料は、その扱いやすさと色数の多さが特徴です。何より流通量が多く手に入れやすい点がいい。筆塗りはもちろんのことエアブラシ塗装も難なくこなせちゃう使い勝手のいい塗料です。希釈には水でもできますが、専用の薄め液を使うと定着力が上がるのでおすすめです。 

国産②:タミヤ アクリル塗料ミニ


昔からあるロングセラーといえばタミヤアクリルです。どの模型屋に行っても手に入るアクセスのしやすさやミリタリー色も多くラインナップされており、とても使いやすいです。クレオス同様、アクリル溶剤や水で希釈が可能です。またラッカーシンナーでも希釈して塗装できる裏技的テクもあります。ラッカーにはない色などで使える技です。

国産③:VIC VICカラー


国産水性塗料の中ではマイナーかもしれませんが性能は折り紙付きなのがVICカラーです。近年登場したばかりの新しい水性塗料です。特徴的なのは自己水平性という性質を持つ点で、塗装すると勝手に塗膜が均一になってくれます。筆塗りでもエアブラシ塗装でも平滑な面が出せるので、ムラになりにくいです。販売している店頭はまだ多くはないですが、通販でも購入できるのでぜひチェックしてみてください。

海外①:vallejo モデルエアー


スペイン生まれの水性塗料といえばvallejo(ファレホ)です。色数が半端なく多く使いたい色にアクセスしやすい。普通のモデルカラーや、エアブラシ塗装用に希釈済みのモデルエアーシリーズ、キャラモ向けのゲームカラーなど他にも沢山のラインナップがあります。このシリーズの中で特に私が愛用しているのがモデルエアーで、やはり希釈済みなので買ってすぐエアブラシのカップに入れれば塗装できる手軽さが便利です。またファレホはお掃除の時に簡単に水に溶けてくれるので溶剤の消費量を抑えることもできます。日本ではボークスで買うことができますよ。また一部個人経営店でも取り扱っているので探してみてください。お値段は1本¥320と国産に比べ少々お高いですがその価値はあります。

海外②:MMP(ミッションモデルズペイント)


近年登場したアメリカ生まれの水性塗料です。こちらは主にミリタリー色がラインナップされています。私が使っている水性塗料の中で一番使いやすい塗料です。流通量の少なさと値段の高さから入手難易度は高いですが、定着力や強い艶消しの質感など安定してるのがいいです。

さてPart1はここまでといたします。ここまで水性塗料の概念と、おススメの商品をご紹介してきました。
次回以降は具体的な使い方について触れていこうと思います。
それではまた。

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