見出し画像

短編小説的な日記

は何処へ行くのでも必ずモレスキンのメモ帳を持ち歩いている。ハードカバーのそれは、何処でもさっと開き書くことができる。彼は、出先で見たものをスケッチしたり、思い付いたアイディアを書き留めている。そして、1日の終わりにはその日の出来事を日記として記録している。

しかし、この日記に問題がある。1日の出来事を振り返って書くにしては、膨大な時間と思考が費やされたそれは、日常を遥かに逸脱したものとなっている。
特に、彼のアルバイト先である「異郷」に関するものは彼の精神状態を心配するほどだ。脚色に脚色を重ねたものに誇張を塗りたくったようなもので、もはや日々を記録したものではなく、SF(少し・不思議)小説のようである。


ほとんどの場合メモ帳は本棚の一角に奉納され、いつの間にか姿を消してしまうのだが、今回は恥を忍んでnoteに一部を公開して行くことにした。
象形文字と見紛う様な字体で書かれた日記の解読に膨大な時間と労力を要するため、ゆったりとした投稿になるが、気長に読んでいただけると幸いだ。
韻シスト - ひょっとしたら でも聴きながら。

(カバー画像:夜のローマの街路 - 筆者撮影)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?