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朝鮮民主主義人民共和国の軍事

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ロシア軍の地帯防御システム

ロシア軍は2種類の防御システムを採用している。機動防御と地帯防御である。今回はTC 7-100.2を参考に、ロシア軍の地帯防御を紹介する。この地帯防御は軍団規模(いくつかの師団や旅団が集まっている規模)の防御を取り扱っている。 ロシア軍の地帯防御とは?ロシア軍は、重要な地域(またはそこへのアクセス)を拒否しなければならない状況や、劣勢にある時に、戦術的な地域防衛を実施することがある。地帯防御は以下の2つのどちらかで目的を達成する: 敵が目的を達成する前に、敵の攻勢作戦を強

    • 朝鮮人民軍の軍団の編制と位置

      森脇一磨 概要北朝鮮の朝鮮人民軍陸軍(以下人民軍陸軍)は、4個の前方軍団と、6個の後方軍団、5個の機械化歩兵師団、1個の戦車師団、1個の機械化砲兵師団、第91首都防衛軍団、高射砲兵軍団で構成されています[1]。兵力は合計約110万人で、その約70%(77万)が平壌-元山線、つまりDMZ近辺に集中しており、いつでも奇襲攻撃が可能な状態を維持しています[2]。これらの軍団と師団は総参謀部作戦総局に指導されており、総参謀部の他の局から支援部隊を受け取っています。総参謀部については

      • 北朝鮮の世界最大の特殊部隊 前編

        導入北朝鮮は世界で最大の特殊作戦部隊を保有しており、現在は少なくとも18万人以上20万人前後の規模であると考えられています。これらは1つの組織にまとまっているわけではなく、第11軍団もしくは暴風軍団、軽歩兵教導指導局に所属している部隊と、総参謀部偵察総局、砲兵局、海軍、空軍、陸軍の軍団・師団に属する特殊部隊が存在し、各種任務に合わせて散らばった組織構造を持っています。北朝鮮の特殊部隊は基本的に偵察隊、軽歩兵、狙撃隊、航空陸戦部隊(北朝鮮では空挺を航空陸戦と呼ぶ)に分類されます

        • 朝鮮人民軍の戦術 "Threat Tactics Report: North Korea versus the United States"より

          この記事は、アメリカ軍TRADOCより2018年の” Threat Tactics Report: North Korea versus the United States”を仮翻訳するものです。 元資料DL North Korea vs the United States概要説明北朝鮮の正規歩兵師団はアメリカ軍の部隊が朝鮮半島で直面する可能性の最も高い師団です。朝鮮人民軍(KPA)野戦装甲・機械化部隊があるとはいえ、正規歩兵師団の数はその他の種類を大幅に超過しています。

        ロシア軍の地帯防御システム

          【翻訳】朝鮮人民軍の戦術レポート Threat Tactics Report: North Korea

          編訳者前書き 一応前回の文書と名前からして似ていますが異なります。前回が歩兵師団がお題目だったのに対し、今回は朝鮮人民軍全体を取り扱う文章です。今回はわかりやすさを意識し、原文に様々な注釈とそれぞれのソースから補足を引用し、抽象性を取り除くことを意識しました。そのため原文よりも文量が増え、事実上の拡張版となっています。また原文から文章構成を変えて日本語のノリに近づけました。そのため文章の意味が変らないよう気を付けましたが、多少ニュアンスがズレているかもしれません。 [1]

          【翻訳】朝鮮人民軍の戦術レポート Threat Tactics Report: North Korea