行動科学入門表紙

S.L.セルフ®

やる気を出すには、あるいはやる気を出させるには、個人目標が何であるかを意識すること、あるいは、意識させることが役に立ちます。

個人目標を意識して、それを最大限に活かすために、組織目標を有効に活用するのです。個人目標を意識していれば、「自分」という軸を持ちながら、組織目標にかかわることができます。

個人目標を意識するための方法として、 S.L. セルフ®があります。

S.L. セルフ®の基本的な考え方は、 2 つの点を除いて状況対応リーダーシップ®と同じです。異なる 2 つの点とは、①リーダーの役割をプロセス・リーダーコンテンツ・リーダーの 2 つの役割に分解すること、②プロセス・リーダーとフォロアーは同一人物であること(コンテンツ・リーダーは多くの場合、外部の者だが自分自身ということもある)、です。

S.L. セルフ®の考え方は、プロジェクト・チームの考え方に似ています。

ある目的のために集められた部門横断的なプロジェクト・チームを思い浮かべてください。各部門からそれぞれ専門知識や専門スキルをもった人材が集められ、それらの専門性を駆使して特定の目的が達成されます。達成までのプロセスでは、完成全体図を描いているプロジェクト・マネジャーが責任を持って管理をします。必要なときに必要な専門知識や専門スキルをもった人材を動かし、プロジェクトを完成に向けて進むよう采配を振るいます。特定の専門知識や専門スキルを必要とする作業については、その専門知識やスキルを持った人材が、コンテンツをどのように進めるべきかの方向性やアイディアをもっており、必要に応じてプロジェクト・マネジャーに進言します。

専門知識やスキルをもたないプロジェクト・マネジャーは、専門家に確認しながら最終決定を行います。こうして、ひとつひとつの専門作業のコンテンツを埋めていきながら、全体のプロジェクトが完成していきます。この場合、プロジェクト・マネジャーは全体のプロセス・リーダーであり、専門知識や専門スキルでプロジェクト・マネジャーに不足するコンテンツを補う専門家たちは、コンテンツ・リーダーとなります。

「行動科学入門」より抜粋

リーダーシップを難しく考えずに、いつもの行動がリーダーシップ、「だれもがリーダー」学習を提唱しています。わたしたちが長年かけて培ってきた知恵と知識を拡めたいと思っています。