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投資効果の見積もり【企画の道具箱 #12】

みなさん、こんにちは!
商品やサービスの企画していると、「で、ROIは?」と偉い人から聞かれたりしますよね。ROIとは「Return On Investment」の略で、投じた費用に対して、どれだけの効果を上げられるかを示す指標です。

企画のタイミングで効果を精緻な見積もりとして出すことは難しく、そこまで細かい見積もりまでは求められてもいないケースが多いですが、全くROIが見込めない状態での投資判断は難しいことも事実です。
大抵の場合は、Investment(投資)はやる事がある程度具体化すれば「エイヤ!」で算出できますが、困るのはReturn(効果)の見積もりです。
今日は企画時点でざっくりとした期待効果を見積もる方法をご紹介します。



期待効果の種類

はじめに、期待効果の種類について説明します。
期待効果の捉え方の一例ではありますが「増やすのか減らすのか」「直接的な効果か間接的な効果か」の2軸で考えると、4象限に分けられます。簡単な図ですが、まずはこの中のどの効果を狙っていくのか、関係者で目線を合わせることが大切です。

4象限で考える期待効果

期待効果検討の手順

期待効果の4象限に沿って期待効果を検討する手順を説明します。

1. 項目の洗い出し

企画している商品やサービスによって自社にどのような効果がもたらされるか、項目を洗い出します。
この4象限で期待効果を洗い出していると、直接効果と間接効果でどちらに分類するかなど迷うことがありますが、どこに分類するかは問題ではありません。このような切り口を持つことで、どのような効果を期待するか漏れなく洗い出すことが大切です。

期待効果の一例

2. 項目の深堀り

洗い出した期待効果がどこから発生するのか明確にしていきます。ピクト図やバリューチェーン、業務フローなどを用いてビジネスモデルやビジネスプロセスを描き、そこに期待効果をマッピングする形で検討していくと考えやすいです。
ピクト図についてはこちらの記事を参照してくださいね!

3. 具体数値の見積もり

市場の規模感や成長率、自社の状況からどれくらいの規模感が望めるか見積もります。

期待効果の算出例

基礎数値に対して仮説を組み合わせて、規模感を見積もります。基礎数値はきちんとファクトを集めるとして、「いかに仮説を立てるのか」「いかに仮説の確からしさを説明できるか」がポイントとなります。
このタイミングで具体的な規模感を見積もれない場合は、なぜ見積もれないのか(XX%が分からないなど)、何が分かれば見積もれるのかを明確にするに留め、今後の活動の中でそれらを明らかにしていきます。
なお、間接効果は具体数値に結びつけることが難しいケースが多いため、無理に数値に落とし込まず、定性的な効果とその理由を深堀りします。


テンプレートとサンプルはこちら


おわりに

今日は企画時点でざっくりした期待効果を見積もる方法をご紹介しました。
ここで算出した期待効果はあくまで「超概算」で不確実性が高いものです。
この不確実性は、企画の後の活動でPoC/PoVを実施したり、市場調査を行うなどして、エビデンスを高めていくことをお勧めします。PoC/PoVや市場調査の計画・実施方法は、別の記事で解説していきたいと思っています。
それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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