見出し画像

寄せて、集めて

毎日、稽古が終わるとディズニーランドの帰り並みに疲れていて、なんで稽古でこんなに疲れるんだろう、と思ったけれどもわたしだけA・B両チームに出演してるんだった。
それはたしかに疲れる。しかも精神的な方面からくる不調がまだまだあるので、舞台に立ち慣れている俳優さんとぜんぜん舞台に立たないわたしが一緒に稽古したらそれは大変である。

とはいえ、俳優さんというのはすごい。ありとあらゆる方面に頭を使っている。
いつも好き勝手あーだこーだと演出をしていた身が、久々に人目に晒される立場になって、あらためて出演してくださる俳優さんへのありがたみが止まらない。


オンラインで稽古を始めたのが、3月の2週目。

Aチーム
Bチーム

今回の原案になった、太宰治の『待つ』を読んでみたり、「待つこと」に関してのエピソードをいろいろ聞いたり、雑談から相談ごとから、いろいろ話した。


3月の3週目、対面稽古スタート。

コロナ禍なので、出来るだけ対面稽古は回数を少なくして、A・Bチームが稽古場で接触したりすることがないようにした。わたしだけが日々みんなに会っていて、「ほんとうは全員一緒に集まれたら楽しいのに」と思ったけれど、リスクを減らして劇場に全員で集まれることが1番の目標、と言い聞かせた。

カフェ営業中のカフェムリウイ

会場になるカフェムリウイには、各チームと1回ずつ下見に行ったので、わたしだけ2日連続でムリウイに行った。笑
ドラマトゥルクの有吉と超長電話(3時間!)して考えた演出案などをみんなに説明しつつ、なんか、「わたし、公演出来そうな気がする」と思った。いや、やるんだけど。でも、できない気持ちになる日が無かったかと言えば全然そんなことはない。

稽古、とにかく久々だったので(2019年の夏ぶり)、稽古するリハビリが必要だなと思ったのと、わたしも出るからわたしもちゃんと体ほぐさないと絶対なんかやらかす気がして、毎回かなり丁寧めにストレッチをやった。
稽古開始時から塩原さんが徐々に開脚できるようになっていくのが、ちょっと面白かった。

開脚原さん

Bチームの塩原さんの足がどんどん広がるようになっていく裏で、Aチームの浜田はどんどん絵が上手くなっていった。

絵の全貌は劇場でご覧ください

わたしのやりたいことがこれまでにないくらいぱんぱんに詰まっている作品だけれど、その「やりたいこと」のほとんどを実現してくれているのは、俳優さんそれぞれのパワーと面白さです。わたしはだいたい笑ってる。

そう、カミグセは「エチュード」(テーマに沿ってやる即興劇)を全然やらない団体だったのだけど、今回はどうしてもやってみたくて、それは俳優さんたちひとりひとりが面白い人だからで、実際毎回わたしはだいたい笑ってる。本番で声出して笑ってしまわないか、いまから相当心配です。
あ、わたしはエチュードのシーンには混ざりません。みんなが面白い様子をそばで観ていたいので・・・。

じゃあ、わたしは劇中で何をするのかというと、リーディングシーンなどに出ます。これもだいぶどっきどき。

左:わたし 右:Q本さん

あとは朗読とかもある。なんと読み手は日替わり。

左:あおの 右:中村佳奈

上演時間は60分(+開演前にプロローグ10分あり!)なのに盛りだくさん過ぎて、書いても書いてもネタバレにならない。わたしが好きなものを詰めまくったおせちみたいなものだと思ってください。4月に来た遅めの正月三が日です。


とにかく、やりたいことを曲げずにやる、ということを徹頭徹尾貫いた、演劇みたいなものになりました。
すべての人にとってこれが面白いかは、ごめんなさい、ほんとうにどうでもよくて、「集まってなんかしよう」と約束したわたしたちが結果的に劇場に集まった、そこまでの日々の積み重ねと寄せ集めです。

AチームもBチームも、全然方向性が違います。
夕方観るか夜観るかでも、全然雰囲気が違います。
全部を観れるのは、「集合!」と渾身の力で言ってみたわたしだけのご褒美。

でも、どれも楽しく面白く美しいですので、いろいろな方に観ていただきたい気持ちがあります。


ということで、いまからゲネプロです。
いってきます。



カミグセ の 思案 その1
『“待つ”わたしたちのアッサンブラージュ』

2022年4月9日(土) – 11日(月)
カフェ ムリウイにて

「アッサンブラージュ」(アセンブリッジ、英語:Assemblage)
コラージュやパピエ・コレの立体版、すなわち、「立体的なもの」を寄せ集め、積み上げる、貼り付ける、結び付けるなどの方法により制作された美術作品(立体作品)およびその技法。「アサンブラージュ」と表記されることもある。一般の彫刻概念から逸脱するような立体作品である。全体として、ある種の統一性がある場合もあるが、統一性がなく、混沌としていることが特徴の場合もある。 ​

――Wikipedia「アッサンブラージュ」より

ずいぶんと、待っている気がする。なにを?わからないけれど。
でもいまより数センチ、いや贅沢いわない、数ミリでも、どうにかよりよく。なにかを。
これまでもたくさん待った、病院の待合室で、役所のロビーで、喫茶店の喫煙席で、駅の改札の前で。
待った、何度も待った、待ち終えた先にはまた待たされて、わたし、あなた、わたしたちがいる。
だれか、わたしと待ってくれませんか。
「ひとりで待つのがさびしくなったから」、こんな理由でも許してくれませんか。

​昔のこと、最近のこと、将来のことなどを、みんなで話して寄せ集めかき集め、やんわりと演劇のような形にする場を持ちたいと思うようになりました。率直に言えば「演劇を言い訳に、みんなで話がしたい」。世の中ではワークインプログレスなどというのかもしれませんが、もっとシンプルに、考えること、考えて不安になったり面白くなったりしたら共有すること、これを「カミグセの思案(しあん)」と名づけて、新しくはじめます。


[原案]

太宰治『待つ』 など

[作・演出]

つくにうらら(カミグセ/水中めがね∞)

[出演]

A=あおのゆきか、中村佳奈、浜田渉、つくにうらら
B=Q本かよ、塩原俊之、広瀬樹紅、つくにうらら


[タイムテーブル]

4月9日(土)  17:00<A>|19:30<B>
4月10日(日) 17:00<B>|19:30<A>
4月11日(月) 17:00<A>|19:30<B>
※<A>と<B>で出演者、一部内容が異なります
※受付開始・開場は、各回開演の30分前
※上演時間は約60分程度を予定
※開演10分前より「プロローグ」の上演がございます

[会場]

カフェ ムリウイ
https://www.ne.jp/asahi/cafe/muriwui/
小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅より徒歩7分

[チケット]

3,000円(+別途1drinkオーダー)
※全席自由席/当日受付順入場予定
※未就学児入場不可

[ご予約]

https://www.quartet-online.net/ticket/shian1_matsu?m=0bcbigg
こちらの予約フォームより、つくにうらら扱いでご予約いただけます。


[新型コロナウイルス感染症対策について]

当公演では、可能な限りの新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、公演を開催いたします。
万が一、当公演関係者、並びにご来場のお客様より新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認された際には、必要に応じて保健所等の公的機関にお客様の情報を提供する場合がございます。
あらかじめご了承の上、チケットのご予約をお願いいたします。

また、カミグセ公式WEBサイトの次回公演情報ページ内、[新型コロナウイルス感染症対策について]を必ずご一読の上、ご来場くださいますよう、ご協力のほどお願い申し上げます。


[お問い合わせ]

カミグセ制作部
WEB:https://www.kamiguse.com/
MAIL:info@kamiguse.com
TEL:080-5000-2088(公演当日のみ)

もしよければ投げ銭をいただけますと、とっても嬉しいです。 日々の生活の糧になります・・・!