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泣いて叫んで走って、眠れぬ夜を何度も一緒に過ごした彼女について

彼女が会社を去ってから随分と日がたってしまった。
つい一昨日食べたものや、起きた後の固いダイエットの決意もすぐに忘れて暴飲暴食してしまうこの鶏くらい小さい脳みそが、あの濃密で鮮烈な思い出すらも忘れてしまう前に筆を取ろうと思う。

出会いと期待

今だから書けるが、彼女が応募してきた当時、
私は5年間経営してきたWekidsという会社において非常にクリティカルな状況にいた。
そもそもの経営判断ミスと予想していなかった大型案件の喪失により、財政面において大きく危機的状況に陥っていた。

残された数ヶ月の中で、自らの体制面の変革と、
そして現実的な対処が迫られていた。
求人を出したのは、
まさにそんな外側からは予想だにしない「危機」の真っ只中だったのだ。

当時の私は、会社組織内の再評価と、
会社としても個人としても、
今後どうありたいかを明らかにしたかった。

そしてその決断の為の最終期間で、「最後のトライ」として出したのが彼女の求人枠だった。

彼女が退職してから後日談で話したが、
当時本当に時間が無かった。

普段なら最低でも2−3回は面接と筆記試験を課すところ、会って30分で採用した。
彼女の執筆した記事にもあるが、はじめまして、
の面接でRushの話をメインに弊社の取り組んでる事を滔々とした。

彼女が「出すべき価値」をゴールに、やるべきことや調べるべきこと、必要であれば学ぶべきことを逆算して推進出来る力があることは10分でわかった。

大学生ながらエンジニアリングの経験や制作会社での業務経験があること、
米国での経験が長く英語が出来ることは書類の時点でわかっていたが、面接では更に、
彼女の仕事へのアプローチや、
既に2020年4月から某外資系コンサルティング会社へ内定が決まってる事を知った。

ベストだった。

そして内定をすぐに出した後は、
ひたすらに2-3時間くらい話したように記憶している。

私が心から価値を出したいと思って注力してきた事を、知ってほしかった。
Rushというチームを通じて、
必死に生きる素晴らしさや、生きる事への希望、
感動、活力を提供したい。
熱狂をチカラに、私はそのサポートをしたいということ。
その為にやっている他エージェンシー業務、
特にそのクライアントの価値を伝える仕事を、
一緒に推し進めてくれる仲間が欲しいということ。

後に知ったが実は渋谷にある他の、
しかも大分条件面の良い会社から誘われていて、
私との面接の後に面談の予定があったらしい。

下手したら倒産ないしは解散までありえる企業が勝てるわけもないのだが、彼女はその3時間の、
「滔々と興味のない、よくわからないゲームチームのこと」を聞かされた後、
すぐにチームメイトになった。

「なんだここ・・・」

おそらく彼女の数日の勤務で思った事はこの一言につきるだろう。
予想通りだった。
正直、Wekidsという私が理想を抱いて経営に邁進していた頃と比較したら天と地ほど差がある状態だったと言わざるを得ない。
Rushの躍進の背後で、
私は1年以上もほぼWekidsの経営をろくにしていなかった。
何をしているのか役割のはっきりしないスタッフ、
過剰にゆるい組織体制、
過去行っていた評価制度や面談ももう何ヶ月私がやっていなかったのか分からない。

そしてそんなことはいざしらず入社した彼女。
にも関わらず私は彼女が入社してすぐ1週間ほどイギリス出張で会社をあけたので、相当困らせたと思う。

この当時、
Wekidsには某イギリスの上場企業から買収の話がきていた。
全世界に50以上のスタジオを持つゲーム系アウトソーシングサービスグループの、
一部にならないか、と。

なんで、うちに入ったの?

正直いって、入社当時は彼女の魅力や良さも、
本来の1/10くらいしかわかっていなかったと思う。

しかし毎日ちょっとしたタスクを振りながらプロジェクトに取り組む過程で、
もっと彼女の事が知りたいと思うようになった。
1を頼めば、3理解し、10返してくれるような子だった。

一緒にいるのが楽しかったのもあったが、何度も二人で近くの飯屋に行っては話すようになった。

日を追う毎に、何故こんなにも優秀な子が、
あまりにも雑な、あまりにも拙い面接とオンボーディングで今うちにいてくれているのかとただただ不思議になったので聞いてみた。

なんで、うちに応募しようと思ったのか、と。

「このウェブサイトを作った人は、自分のしていることが、働くのが好きなんだと思いました」

理由は至ってシンプルだった。

そのウェブサイトは、私が作ったものだった。

人にやってもらっては納得出来ず、
結局私が隙間時間で作り直した、
色々な意味で荒々しいウェブサイトだ。
伝えたい事を伝えて後は、
あとは全くお構いなしなウェブサイトだった。
(なので使ってる写真は重いし、最適化のさの字もない)

この時、私は思い出したのだ。

私は、本当に好きでこの仕事を始めた。

役に立つのが好きだし、
自分たちのお金で、足で立って、
学ぶ事で身の回りや社会へ役に立ちたかった。
自分の器や、長所短所をわかった上で、貫き通してきた志や信念があった。

熱狂出来る事やり遂げる為に犠牲にしてきたあらゆるもの、
そしてこれからも作りたいチーム、
見たい世界をクリアに思い出した。

そして私は、
買収の話をお断りした。

そして、Wekidsをギルド化した。
※ギルド型組織
(社員をほとんど持たず、フリーランス同士の集合体のようなもの

以来Wekidsは共に半分フリーランスとして活動できる人たちのみが有機的に集まりプロジェクトベースで働く組織になった。

以来Wekidsオフィスでは、
私と彼女だけが黙々と作業する日々が続いた。
2人であーでもないこーでもない言いながら、
一時間ごとに進捗共有したり、
2人で進めるスピーディーな仕事は本当に楽しかった。

Rushと彼女のはじまり

彼女の初仕事は、
秋葉原で開催したRush Gamingのファンミーティングだった。
数時間のRushトーク後も、彼女は徹底して

「ちなみに私全くRushとかいまだに興味ないので。仕事なのでやります」

の姿勢を崩さない。

まぁいいんだ、ワンチャン好きなってくれたら良い。

何よりこれが普通の反応だ、やっぱりそうだよな、と思ったものだ。

だがこの「仕事なので」が群を抜く徹底ぶりだった。

声と顔が好き、とかなんとかいってGPの動画を毎日チェックしていたのは最初何もおどろかなかったが、ものの数週間で気づけば私と同じくメンバー全員のYouTubeとTwitterの通知をON。

なんなら私よりもクマなく全員の活動を見ていた。

「うららさん、昨日はなんでべブラさんは配信していないんですか? 」
「どうしてライトさんは動画を最近だしていないんですか?」
「そういえば昨日ハントさんの配信にきていたあの人は誰ですか?」

とむしろこっちが聞きたい、というような事ばかり。
これには、本当に驚いた。

しかし彼女は「いやべつに、仕事なんで」

とクールな姿勢を崩さなかった。

あの日までは。

日本最強決定戦に響き渡った、2つの奇声

CoDオフライン大会の名物といえば、自分でいうのもなんだが、私の甲高い罵声...
いや歓声だと思う。

「レッドー!!!!!!!!!!いけーー!!!!!!!」
「ごろおおおおーーーー!!!!!やったれーーーー!!!!!!」
「るううううううくううううううううおおおおあああ しばいたれええええええ!!!!!!!!!!!」(この日はキャラが崩壊します)

この日は、観客の歓声もさることながら、
彼女と私による女性とは思えない、
なんなら半ば元ヤンかともとれるような二人の悲鳴が鳴り響いた。

私達スタッフは、勝負の世界においては本当に無力だ。

だがこの日ばかりは、彼らに声が届く。
気持ちを、エネルギーを送れる。

画面左に映るキルフィードに1つでもRushの赤い文字が出れば声をあげた。

2連続で並べばおおおおおと声をあげてバルーンを叩いた。
ルークがテンペストを持てば、
おおーーーーーーーと溜めを作り、
ショットを撃てば更に大きな声で盛り上げた。

そして、連続で相手にキルをとられて危機がやってくれば、
相手を乗らせないようにすかさず

RUSH!! ドンドン!! Rush!!! ドンドン!!

と大きな声援とバルーンで、応戦した。

「大丈夫!!今あなた達は良い感じだから心配せずにいけ!!!」

Rush Gaming伝家の宝刀、赤壁の応援団だ。

彼女は、私と共に、喉が潰れるまで叫んでた。

そして終わった後は、
一緒に泣いて、
そして疲労でその場に崩れ落ちた。

私達のシーズンが終わった。

シーズン最終戦が終わった後

大阪ファンミーティング、
原宿ラフォーレポップアップストア、
プロジェクトマネージャーとして彼女は奔走した。

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/00828/

元々物理学を専攻しようして、若い頃からつい最近までエンジニア職だった彼女にとっては、
正解がない世界を表現しながらやっていくのは難しく、
得意な事ばかりではない苛立ちもあっただろうと思う。

しかし彼女は、
選手やストリーマーそれぞれの良さを知ること、
徹底的に分析する事、
その闘う理由、人生、未来を
共に考えてくれた。

彼女が私に言われるまでもなくやった
「プロとしての仕事」だった。

なんなら、
私よりも選手たち一人ひとりと気づけば本当に仲良くなっていたと思う。
私は心から、本当にそれが嬉しかった。

彼女なくして、BO4シーズンのまとめドキュメンタリーは完成しなかっただろうと思う。
あれは、彼女とプリンの一ヶ月以上にも渡る巨大プロジェクトだった。

それくらいの時期から、
私は意思決定を彼女に委ねる事が増えた。
自分はNOというだろう事でも、
彼女のYESが正しい事がある、と思ったからだ。

「私は、立場的にもこれにはYESが言えない。だけど、あなたが支えたい、サポートしたい、と心から思える余地がこの予算の範囲であれば、私はそれはやるべきだと思う」

この一言で、実現した施策は多く、以来彼女が独断で進める事も増えた。

グリードがある日「うらら2号ですね」と言ったのが懐かしい。

突然の「Rush Gaming を辞めたいです」

私と似てる、だから大丈夫、
と思ったのもよくなかった。

ある日、Slackのダイレクトメッセージに、
一言だけそう書かれていた。

私は、半ばパニックだった。
つい前日まで、仲良く、
ときに言い合いながらも仕事をしていた。
うまくいくことばかりではなかったし、
その時取り組んでいた施策は大失敗してはいたが、
施策の1つ2つがうまくいかないからって辞めるとまで言う子じゃないと思っていた。

だからこそ本当にわけが分からなかった。

訳が分からなすぎて混乱して、
その日は何時間他のメンバーと通話したか分からない。

頭が痛くなるほど泣きはらした。

こんなことで辞めるって、全く意味がわからない。

急にお付き合いしてる人から、
うまくいってるように思ってたのに、
こっちは好きなのに急に別れを切り出されて混乱するような状態に似ている。

これはおそらくどの社長も、マネージャーも同じだと思うが、
「辞めたい」の一言は、恐ろしく痛い。
恋愛にも似てると思う。

信頼関係があると思っていたところに、
突然鋭利な刃物が刺されるような感覚。
頭がずんと重くなって、
体が氷のように冷たくなっていくような感覚。

そして例外なく雇用主というものは、
「辞めたい」という言葉の痛みと共に、
常に会社の政治化への圧力と闘っているといっても過言ではない。

「辞めたいんだけど、XXXXしてくれ」と言われているようで怖いのだ。

お金なのか、私の時間なのか、
チャンスなのか、、
何かを要求されているように感じる。
(要求されるのはいいのだが、
辞めたいという脅迫に感じると怖いもの)

そして私は、
「私はあなたが幸せであればそれでいいので、
私と合わないとか、この仕事がやりたくなくなった、とか、まぁ理由がどうであれ、
どう改善して欲しいとかじゃなくて辞めたいのであれば仕方ないと思うし、
あなたのよりやりたい事が見つかればその方が幸せかと思うから・・」
と少し突き放したような書き方をした。

改善したり、うまくやる気はある。

なのに、急に辞めたいっていうなら、私は止めないよ。

という姿勢を貫き通したい意地だった。

「辞めたいという最後の一言を使う人は、止めない」が私の信条だった。

強がりながらそのメッセージを書いていた私は、深夜自分でも何年ぶりかというレベルで泣きはらしていた。

大人になってもこんなに人は泣けるのかと思った。

彼女は朝4時半に連絡してきた。

「いや仕事が合わないとかはないです。楽しいです。
面と向かうと話せなくなっちゃうのでテキストか電話でいいですか」

そして私達は朝5時くらいからか、電話をした。
私は5時間くらいもう直前まで他の人と話して、
泣きはらしきった後だった。

電話を繋ぎはじめるやいなや、
私も彼女も大いに鼻の詰まった声で話し始めた。

彼女が数日間抱えてきた悩み、
感じてるチームの課題、Rushベースの課題、
運営陣の課題、本当はRushとしてやりたいこと、
伝えたい事、やるべきなのに出来ていない事、
お客様や協力してくれてる人たちへの気持ちを、
彼女は2時間滔々と話した。

私達は変わらず、
同じ目線と視座で、
ただただRushのことを考えていた。

そして本当は出したい価値発揮ができなくて、
苦悩して、
パンクしていた。

2人とも一頻り泣いたあと、

ねぇ、Rush辞めたいの・・・?と聞くと

「辞めなくていいなら、辞めたくないです・・・・」と

か細い声が聞こえてきた。

この日私は、
人の言葉の意味は多様であること、
真意は必ずしも言葉だけにはでないということ、
起きてる事象に対して多角的に見て
考え行動することの重要性を
事さらに理解することになった。

11月の頭のことだった。
※元々1,2月目処の退社は入社時点で決まっている。

強く、儚いもの。

今思えば、2人で信じられない量の試行錯誤を繰り返してきたと思う。
彼女と私は、文字通り全てのRushの活動をともにしてきた。

時には営業、時にはSNSマーケティング、デイリーでのストア管理、売上管理、新作のプロデュースや制作進行、イベント企画、そしてeスポーツチーム側の強化施策や通訳、コミュニティ施策の立案から実行、時は業務効率化ツールの導入や、システム開発に至るまで、あらゆる業務をともにした。
(かと思えば週に2-3回Rushベースへ出勤しては、起きるのが遅いメンバーを叩き起こしたり、荒れたキッチンを片付けたり梱包作業を手伝って発送業務をしたり、時には洗濯を手伝ってもらったり・・。)

彼女は、特殊な環境に育った、
極めて特殊な人材だった。
2歳からシカゴで両親と離れて暮らし、
高校からエンジニアとして働き始め、
株投資と不動産投資を趣味とし、そして、かなり昔から定期的に発症する重度の睡眠障害を抱えていた。

彼女が発する言葉や態度とは裏腹に、
実はとても繊細で脆く、
人のぬくもりや優しさを必要としてるということを、私は11月の辞めたいです事件の時をきっかけに、
知っていった。

シカゴでのこと、両親とのこと、家族のこと、
お金のこと、今、これからのこと。
彼女が大好きなマックによく連れて行っては、
色々なことを話してくれた。

そしてきたる12月。
代表決定戦が終わった後、
チーム内では少しずつ不協和音が大きくなっていた。

CoDチームの不協和音だけでなく、
運営陣内での不協和音が輪をかけて全ての調律を狂わせていた。
そして他の誰でもない、
私とくるたみの大きなわだかまりが、
事に拍車をかけて状況を悪くしていた。

又大きな傷みを伴って行ったロスターチェンジの後、チームの柱であるグリードが過去最大の精神疾患状態に陥った。
極度の鬱状態で、
まともにチームメイトとして機能することも難しくなり、そして最大の危機はミネソタ遠征前にやってきた。
フライトの約12時間前。
極度の鬱状態から、
遠征に行けない可能性がでてきた。

あの時は、
チーム全員が細い細い糸を必死で掴んでいたのではないかと思う。

諦めたい、誰かのせいにしたい、
不平不満をぶちまけたい、
誰かを痛めつけたい、
裏切りたい、変えたい、逃げたい。
悪魔の囁きが全員の耳に囁いていたと思う。

そして彼女がいなかったら、
細い糸は全て切れてしまっていた。

あの時、あの瞬間、彼女だけが、
私にとっての希望だった。

あの日の同時刻、
ハントが晴々しくストリーマー転身を歓迎される中、私はそれを心から喜んであげる気力が出せないのが苦しかった。
本当はもっともっと祝ってあげたかった。

あの時、
グリードのもう限界に達していたうつ状態と、
翌朝に迫る海外遠征、
マネージャーからの得難い理解と、
深い疑心暗鬼と闘っていた。

唯一の相談相手と希望は、彼女だけだった。

「うららさん大丈夫です。
彼らはちゃんと分かります。
私が説明します。
こっちは任せてください。
うららさんはそっちを心配して、ケアしてください」

あの時彼女がいなかったら、
今Rushは、無いかもしれない。

友人として、先輩として

そして彼女は、優秀な人材である事の他に、
最大の貢献をチームにもたらしてくれた。
それは、「先輩」であり「友人」であることだ。

彼女はその仕事ぶりと生き方、
人間力をもって、
人生の先輩として彼らを良い方向へ導いてくれた。
そしてそれでいて、
「友人」として深く彼らを、愛してくれた。

数多くの選手やストリーマーが、
彼女によって救われたと思う。
彼女が事ある毎に一人ひとりに寄り添い、
そして言葉をかけてくれた。

退社時はほぼみんなに長文の手紙と、
お説教を書いて送ってくれた。

私はそれがたまらなく好きで好きで、誇らしかった。

時には厳しく指摘もしてくれた。
そのおかげで長所が伸び、短所が改善された人は少なくない。
彼女がいなければ、
今チームに残れていないだろう人もいると思う。
彼女がいたから「ありたい自分」でいれる。
彼女はそういう人なのだ。

私は、選手たちと友人にはなれない。
最後に愛情だけで寄り添えない。
私が会社を優先する立場と責任があるからこそ、
できないことを慮り、
その隙間を埋めてくれたのが彼女だった。

心から私達にとって、重要で、必要な人だった。

辞めた今だから。

「私はうららさんには投資したいけど、あの子達には投資したくない(一部例外を除く)」
「金もらって利益や価値で返そうとしないやつはいなくていいし、やめさせたほうがいい」
「社会に価値発揮できてはじめて会社って意味がある。そうじゃないなら会社じゃなくていい」

彼女は言い放った。
ドバイのビーチで、私達は何時間も波を見ながらRushについて話していた。

私達は、どうしようもなくRushが好きで、
そして腹を立てていた。

家族経営的な運営方法の長所と短所、
評価の難しさ、
そしてプロフェッショナルな仕事とは、
稼ぐということは、報酬をもらうということは、
投資とは、企業の存在価値とは。
話は本当に尽きなかった。

足りない、足りなすぎる。
私達が大好きで愛おしくて必死でつぎ込んできた時間と愛に全然見合ってない。
何千時間と彼らを見てきた。
一日の殆どの時間と、精神を彼らに費やした。
私達が知ってるプロは、
私達が思う本当のプロゲーマーは、
その価値は、
やるべきことは、
やれることはこんなものじゃないはずだ。

私達はいつも不満で、今も不満でいっぱいだ。
必死で競争社会の中で毎日闘ってるからこそ、
腹が立って仕方がなかった。
口から出てくる言葉は不満と絶望と焦燥と諦めばかりだ。

でも好きだ。
凄く好きだ。
だから駄目だ。
だからもっと、
もっと、頑張ってくれないと困るんだ。

彼女の葛藤と私の葛藤は本当に酷似してる。
狂おしいくらい好きだから、
悔しく憎たらしい。

とんでもなく憎たらしく、
愛おしく、
絶望と希望が永久に交差した。

気づけば私達は5時間ものあいだ、
一回も時計を見ずに語り合い、

「もう夜9時くらいかな?」と思って席を立ったら、夜11時半になっていた。

大急ぎで私達は宿へ帰り、
私はその2時間後の便でドバイを後にした。

愛してくれてありがとう

彼女は入社当初から、私の最大の長所であり短所を、肯定してくれた。

意思が強いこと、意見が強いこと、
こだわりが強いこと。
私が壊れそうな程信頼と絶望の橋を行き来している中で、
その意思決定に自信をもたせてくれたのは、
他でもない彼女だ。

「うららさんはそれがいいんですよ。正しいと思うことを、やりきればいいんです」

私は、思えばそういう右腕達に恵まれてきたなと思う。

ちーたん。
どう名前を出さずにこれを書こうかと苦心したけども。
こればっかりは名前を出してしまうよ。
ちーたん、なーんで君はそんなに自分のことを、
自分で愛してあげられないのだろうか。
こんなにも君と時間を過ごした人たちは、
君の虜になってしまったのに。

みんながみんな、君を必要として仕方がなかった。
退社翌日からみんなが君の喪失感で、
なんだかぽっかり穴があいてしまっていた。
そりゃそうだ。

君は本当に、
どうにもこうにも自分を犠牲に、
周りの成功ばかり応援してくれた。

そして「仕事だから」と
自分を追い詰めてばかりいた。

君が頑張ったとしても、
それでも会社の売上や成果が時について来なかった。
ベンチャーの辛いところだ。

どんなに優秀な人材が頑張っても、
必ずしも成功するわけでは無いし、
Rushは半年で結果を出せる予定でも無かった。
有形価値とでも言おうか。

私も、君も、
お金を貰ったら利益を返すのが誇りでプライドだ。
なぜなら僕たちはどうしようもなく、
自分に自信がない。
利益という議論の余地のない価値を提供できなかったら、
自分達を認めてあげられない。

特にまったくどうして君は、
私や周りが何度も何度も君の価値を説いても、
本当に頑固に自分を肯定してくれない。
困ったもんだよ。
何度ラブレターを書いたらいいか分からない。

だけど一方であの狂おしい日々が、
流した涙が、
私達が望んでやまない未来へ繋がってる事を、
私はこれから彼らと証明したいと思う。

私はもっともっと、良い仕事がしたい。
卓越した成果を出したい。
学びたい。
もっと自分と組織の、
チームのレベルを上げたい。
まだまだ目標の、1割も達成できていない。

その為に出来る事はすべてやりきりたいし、
いつか胸をはって、
「長期保有したい株ですね」
と言って欲しい。
(まぁ、上場はしたくないので厳密には株は保有できないのだが。)

そして私たちは、
事あるごとに思い出さないといけない。

プロとしての背中を見せてくれた彼女の言葉の一つひとつを。
その真意と、苦悩と、絶望と、希望を。

私達は、
彼女がいつか
プロとして紹介したくなるような人材に、
チームになりたいと、
心から思っている。

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ありがとうございます!結構これが楽しみで書いてたりします!
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コメント (1)
拝見しました
僕の知識不足でわからない単語等がありましたが、なんとも熱くなるような切なくなるような印象を受けました
筆者様に強い興味を持たせていただける内容でした
大した内容にはできませんでしたが、思わず感想としてかいてしまいました。
大変失礼いたしました
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