風邪っぴき(2024年5月25日(土)の300字小説)
「完全に風邪引いた……」
熱はまだないが、悪寒がするので上がるかもしれない。喉が腫れて痛い。
私は早々に帰宅すると、寝ることにした。
「何か食べなきゃなあ」
買い置きがあるのは、レトルトカレーくらいしかなかった。カレーを食べる食欲はない。
せめてお粥を作ろうと、一人キッチンで鍋の前にいる。こういうとき、家族と住んでいたときは有り難かったな、と思う。
出来上がったお粥は卵を入れているが、薄味だった。
何とか食べて、市販薬の薬を飲む。必要なら病院に行かなきゃ。
ベッドに入ると、すぐに眠気がやって来た。薬の効果だろうか。
学生時代の単位を落とす夢を見た。風邪引くと悪夢を見やすいと思う。
もう10年以上経っているのに。
おしまい
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