小さい気持ち

ヨーヨーが小学校から帰ってくるなり「かあさぁん」と、悲しそうに言う。「見てよ、ほらここ。」

差し出されたのは12月の献立表。

たんじろうのなめしごはん
ねずこのいそべあげ
いのすけのとんじる
ぜんいつのいなづまゼリー

むっ・・・鬼滅の刃コラボメニューだと。　

ヨーヨーは、今週引っ越しだから、月なかばのその給食は食べられないことをわかってるのだ。

「食べたかったなあ・・・ぜんいつのいなづまゼリーだって。」

鬼滅のドラマ、最初の方何話か見たのに思ったより怖かったようで、続きをみたいと言い出さない。でも、誰がどんな技を使うとか、誰がどう殺されたとか、誰が誰と結婚するとか、友達から聞いてきて、その物語を事細かに心に刻んでいる。

コラボ給食を食べそこねたちっちゃな悲しみを思って、キュウとなる。

出国まで、あと３日。

担当の先生と電話で事務的な話をしていたら、

「寂しいですね。最後の土曜授業はヨーヨーくんの日にしたいと思っています」とおっしゃってくださった。

ありがたいお言葉だ。