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満月の夜に

ここ2〜3日、「疲れてますか?」と言われがち。保育園の先生にも、商店街の行きつけの店のおばちゃんにも言われた。確かに、地球の重力が倍になったんじゃないかという感じでズーンと体が重い。

仕事で人と会うときは、気合を入れてコンシーラでクマを隠し、願掛けに無糖のチョコレートかじって行ってるんだけど、大丈夫かなあ。体が重い時の気持ちのOffは、見た目に露骨に出るもんだと最初に気がついたのは、30歳くらいの時だったか。

家では、隙あらばできるだけ重力に抵抗せず、平たく床に張り付いている。今も、椅子に座るより楽だから、ヒーターの前の床にバラアーサナみたいな姿勢になって書いている。だらけた姿勢でパソコン覗き込んでいるわけなので、こんなのをアーサナに例えるとヨガの人に怒られそうだけど。

気分は充実しているし風邪のひきかけというわけでもないんだけど、変だなと思ってたところ、どうやら、お月さまが近いらしい。スーパームーンとか。

それだわ。理屈はわからないけど経験的に、わたしは月に影響されやすい。

月のせいじゃあ仕方ないと思って自分を甘やかし、後回しにできることは後回しにして、子育ても省エネモードで、寝る前の絵本タイムはお布団に寝っ転がって読んでいたところ(いつもはちゃんと座って読むからね)、

ヨーヨーがわたしの手を引っ張って「シーシー、アッチ、イキタイノ」と言ったの。さては、眠りたくないからそういって起こす作戦だなと思ったけれど、

「おしっこするの?」と聞くと、「スル!」

「トイレできるの?」と聞くと、力強くうなずいて「デキル!」

と答えるので、ああ、無視しちゃいけないポイント突かれちゃった、と、渋々ながら、重い体を引きずっておまるをセットしたの。そしておむつを脱がせて座らせて「シー、シー、シー」と掛け声したら、

なんと!なんと!!なんと!!!

はじめてのおまるでシーシー、成功しました!

2歳5ヶ月。

わかってるよ、それってちょっと遅いかもって。親がもっと丁寧に育てている子は1歳でおむつが取れるらしいもの。でも、わたしゃテンション上がって証拠写真を撮りそうになるくらい嬉しかったね。月の重さを忘れて、全力で褒めまくったね。

それに、こうしてふりかえってみると、いつの間にか普通に意思を込めた会話ができるようになっているんだもの。3ヶ月前は寡黙な子なんだと思っていたのに、いつの間にか、歌もたくさん歌えるようになっているし。電車の名前はわたしよりしっかり覚えているし。親がこんなでも、小さい人は着々と成長しているんだなあ。すごいなあ。うれしいなあ。ありがとうだなあ。

そういえば、ヨーヨーが生まれたのも、満月の夜だったよ。

生まれてきてくれて、ありがとう。


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