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自然の近くに住みたい願望 - カルフ・河合隼雄

キャリコン学者リストにはない(試験に出る可能性も低い)んだけれど、色々な療法を調べているうちにどうしても自分でやってみたくなったので、先日、やってきた。

箱の中の砂をいじり、好きなように小物を並べて自分の世界をつくる、その行為そのものが癒やしになる箱庭療法(Sandplay Therapy)。スイスのドラ・カルフが、複雑な概念を言語化することが苦手な子供や精神疾患者向けの技法としてユング心理学をベースに開発したものを、河合隼雄大先生が日本に持ち込み、ブレイクした(ていうのも変だけど、他の国にみられない大普及をした。やっぱり、盆栽文化?)。

やってみたいというだけで、敢えて積極的に前知識を仕入れたり、特別な課題を用意したりすることもなく、検索比較して選んで、先生と趣味が合いそうだなと思ったカウンセリング・ルームを予約していった。

事前面談では、自分の現状や興味分野などについて正直に話し、催眠の話でもちょっともりあがり、砂箱を目の前にするとそんなに迷うこともなく手が動いて20分くらいで自分の箱庭が完成した。

その後、同じ部屋でその工程を見守っていた先生からフィードバックがあるのかと思っていたが、ほとんど以下のように自分で説明して終わり。

「ここが、山。野生の熊とか鹿とかいて、緊張感もあるけど時々ピクニックに行く」「その山に登っていけるガラガラの沢があって、海につながる手前のは、橋」「川には野生のカモが住んでいて」「この透明のつるつるしたイルカ、何年か前にそっくりなのが登場する綺麗な海の夢を見たことを思い出して再現しました(本当に気分のいい夢だったので覚えているんです)」「家の前庭で海を見ながらお茶したりできるの」「程よいサイズの犬があればそれも置きたかった」「家の裏には妖精がいます」とかって。

箱庭療法は何度か作っているうちにその人の心の癖が見えてきて伝え返すこともあるけれど、基本は作る過程を楽しめばそれ自体が心の棚卸になるので、カウンセラーは余計なコメントはしないものらしい。

↑ 妖精というのはこの、ムックとガチャピンのニョロニョロね。見た瞬間に使いたくなって、裏庭に住む妖精ということにした。何日か置いて作品をみなおすと(表題写真)、全体は「自然の近くに住みたい願望」まるだしな感じだけど、一点だけちょっと異質。これも何か意味があるのか?

感想としては、とても楽しかったので、また心のマッサージに行くくらいの気分で行きたいなと思う。ていうか、自分の箱庭セットほしい。時々ボケーっと手を動かしたい。

そういえば、小学生の頃、体育の時間には「三角座りで手は膝に!」と何度言われても砂いじりをしてしまう困った子だったよ。(机に向かっているときは、絶えず落書きをしているので教科書が真っ黒だった)

余談になるけど、しばらく前に、体育座りは身体発達に害だというWeb記事を見た。マッカーサーが愚民政策のために導入したとかいう陰謀説の真偽は知らんけど、実にあの座り方は辛くて嫌いだったので、集団教育の場であれを強制する文化は変えたほうがいいんじゃないかと思うよ。健康経営のまえに健康教育のブームおこすべきじゃないかしら?

いま、コンサルタントとしていただいている対企業の仕事も、それはそれで好きで得意なことだし、ビジネスの現場に緊張感をもって関わることはキャリコンをしていくうえでも大切にし続けたいと思う一方で、最近、やっぱり対個人コンサル(特にヒプノセラピー用)には独立したサロンが欲しいなあという思いが強くなってきている。

そういう場所を持つようになったら、箱庭もメニューに加えてもいいかもしれない。ヒプノ・セラピーなどは言語が得意な大人向け技法だけど、もし自分が口下手な人や未成年向けに何かサイコ・セラピーを提供するならこれだな。楽しいもん。でも、ただ置いとけばできるってものではなく、やるからにはちゃんとユング心理学も勉強しなくちゃいけないだろうし、あれこれやりたいことを積み上げると、もう全然時間が足りないんだけど。

ああー、時間が足りない。

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