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【プロデュース目線で】LINEマンガ「ゴッドオブハイスクール(GOH)」を取り上げてみる!

ちなみに私はハングルが読めます。
フリーゲームプロデューサー、うきょうです。

最近の投稿の冒頭にこのどうでもいい
一行を入れるようにしましたが
noteは交流が少ないので
特に気にしていませんw

はい。

今日はちょっと
最近TV CMでも話題になっている
韓国発のコミックについて
書いてみたいと思います。

この夏、日本でも
『ゴッドオブハイスクール』という
韓国産のオリジナルWebコミックのPRが
日本でもゴリゴリ来ています。

2020年7月頃からLINEマンガの
TV CMをよく目にした人も多いのではないかな?

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ちなみに私は連載当初の少し後頃から知っていたのですが、ここに来て日本展開がとてもアツイので「え?なんで?」と思ったらいろいろ仕掛けていました。

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韓国産のオリジナルWebマンガ
『ゴッドオブハイスクール』は韓国の宝

日本では無名に等しいWebマンガ
『ゴッドオブハイスクール』。

作者はYongje Park氏、
韓国発の『NAVER WEBTOON』にて
2011年4月8日から連載中している
長期連載の現地では大人気コミックです。

実際にはグローバル配信されていて、
全世界累計閲覧数38億回を超えています。

日本では『LINEマンガ』にて
和訳版が2019年からようやっと配信開始。

その勢いのまま日本でも2020年7月から
アニメ放送が開始したばかりの作品です。

ビジュアルも作品の片鱗も大暮維人さんっぽさがあるものの、アクション多めの少年コミック(個人的感想)。LINEマンガで無料閲覧できるのでみてみてね!

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あらすじとしては、自称最強の高校生である主人公のジン・モリが全世界で最強高校生決定大会「ゴッド・オブ・ハイスクール」に招待され、世界の猛者を相手とし、成長していくといったストーリーが描かれる。

内容を見れば日本でもよく見慣れたものだし、何かにオマージュが多いとは思うけど、日本の影響を強く受けた作品であることは間違いないと言える。


韓国発となる
オリジナルコミックはめちゃくちゃ珍しい

コミックを紹介しておきながら、
中身はほとんど紹介しないのが
私らしいのですがご勘弁ください。

相変わらず外回りの周辺情報を
お届けしていきたいと思います。

さて、今となっては
だいぶ様変わりをしましたが、
過去韓国、中国は自国でオリジナル作品を
作ることが極めて苦手でした。

しかし今ではみなさんも
ご存知のとおりですが、
韓国と言えば、オンラインゲーム、
映像作品、KPOP、タレント業、
食文化が世界中でも大人気です。
(オンラインゲーム は最近かなり陰ってきているけど)

上の産業は国策として注力してきたゆえに、
大成長を遂げたという背景がありましたが、

それでもアニメ、マンガ、それに関わる
クリエイターはいまだ少なく、
影響度が少ないことに悩んでもいました。

しかしそれが変わり始めたのが
Webでのコミックサイト、
通称、WEBTOON
でした。

そしてこれはどこよりも
早く展開されたのが韓国だった。

これは、一人でも多くの作家を
増やそうと取り組んだ民間企業の施策で、
韓国NO1のポータルサイト
NAVERから始まった施策です。

NAVERは日本でも法人がありますが、LINEを作った会社の母体ですね。私が在籍していたNHNの前身でもあり、今日本にあるCOMICOというWebコミックは、この韓国のNAVER出身の代表が韓国から持ってきたサービスです。


なんで韓国はインターネットの
マンガ媒体が流行るのか?

それは文化圏の違いと産業基盤の違い。

違法コピーとの歴史が根深いからなのです。

日本にいる方は日本のマンガや
アニメがなんでこんなに強いのか?
ということを考えたことが
ありますでしょうか? 

それは出版事業がとてつもない
大きな事業になっているからであり、
オリジナルのコンテンツを
作れる土台があるからです。


マンガ編集者もしかり、
ライターもしかり、漫画家もしかり、

きちんと作品を作りたい人がいて、
それを創る支援をする人がいて、
それを事業にまで仕上げる人がいるからです。

なにより流通網がしっかりしていますし、
日本は商品にお金を払うということが
とてもしっかりした文化、

国民性があるからですね。

結果として、集英社、小学館、講談社、
角川、などなどたくさんの出版社がありますが、
それが成り立っているのは
日本のコンテンツ文化の強さの象徴だと言えます。


韓国からオリジナルマンガ、アニメが
できない原因は文化のせいもある


今はだいぶ様変わりをしましたが、
日本以外のアジア圏、特に中国や韓国は
コピー文化があたり前なので、CD、
ゲームソフト、マンガが全然売れないわけです。

これは国民性もあるのですが、
そうなると当然その業界は産業になりえません。

そのため、国中には海賊版があふれ、
消費するユーザーも、
コピーするのが当たり前だったので、
そこで多くの日本のコンテンツも
消化されたわけです。

そうなると出版事業が成り立たないので、
編集者という職業もかなり少なく、
またその業界で仕事をしようと志す
クリエイターも少なかった背景がありました。


一変したのはインターネットの普及と
ビジネスモデルの変換


しかし大きく変わったのが
インターネットの普及でした。

韓国では国内総生産を上げるために
取り組んだことがIT化、事業輸出(ざっくり)、

これによって、オンラインゲーム、
映像作品、KPOP、タレント業が
大きく市場として大きくなり、
世界中でもブームを作り上げることに
成功したのはご存知の通りです。

そう、韓国は超優秀なプロデューサーが極めて多いことや、プロデュース能力が優れている点もポイントです。

上に挙げられたサービスは
基本的にコピーがしづらい仕掛け、
または収益を上げる構造を
コピーされても収益が上がるように工夫。

結果、ビジネスとしても
かなり大きなものになり、
世界規模で売れるものが作れるような
土壌ができてきたというわけです。

現在日本でも席巻している
J.Y. ParkプロデュースのNiziUは
その代表例の中の代表例ですよね。


『ゴッドオブハイスクール』の行先はどこか?

今は全世界配信も行っている本作。

少し大げさに一言でいうと
韓国のコンテンツ業界の未来です。

その理由は上にもありますが、
韓国発でグローバル展開している
作品はいくつかありますが、

それでもゴッドオブハイスクールは
結構高い位置で数字もある作品です。

そのため、これを起点に世界展開する
サービスがより多く作れるようになってくると、
多くの土壌が出来上がってくるのでは
ないかと予測しているからですね。

そうするとプロデューサー、
編集者、クリエイターを目指す方も多くなり、
結果として商圏も人材層も
厚くなってくるでしょう。


実は日本進出を一回失敗している

『ゴッドオブハイスクール』ですが、
2016年に日本でアプリ展開するために
こっそりきたことがある。

しかしながら、
プロモーションがあまりにも雑すぎて
作品の魅力が一切つ伝わらずに
ゲームも一切流行りませんでした。

また、韓国では、すでにゲームが何本か
リリースされているが
サービス終了したものもあったりと、
結構ゲーム展開でも苦い経験をしていたりもします。

ただ、韓国ではIPの創出と
育成を粘り強くや律付、今年ようやっと
世界展開のアニメ配信まで漕ぎつきました。

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中国はすでにクリエイター支援が
産業としてできあがった。
GOHが切り開くはここの領域だ

今中国のゲーム業界ではクリエイター支援と
中国初のIP創出のための教育機関、事業機関が
出来上がってしまってます。

今では皆様もご存知かもしれませんが
日本を超えるクリエイターの層が存在しており
日々しのぎを削っています。

そしてそれを支援する
パブリッシャーも数多く存在しています。

これは逆を返せば
日本の危機
でもあるわけですが
韓国でもこのような新市場
クリエイター産業を作りたいという
意図があると考えています。

ただ韓国が狙っているのはどうやらそこではなさそうなので、自国からクリエイターが抜けていくのではないかとも推測していますが、それはどうなるのかは今後数年をみないとまだわからないです。

今後のGOHはどうなるだろうか?

狙っていくべきは日本での定着。
日本でのIP化です。

そしておそらくはまたゲーム化をしてくるのではないか?とも推測しますが、それが日本のパブリッシャーなのか、韓国のパブリッシャーなのかはまだ不透明ですね。

ここまでLINEマンガでCMを
ゴリ押ししてるのであれば、
LINEがゲームを配信するのが
普通かもとか思いますが、

日本のLINEゲームは
どうにもやる気を感じないので
どうなのかはわかりません。

いずれにしても
オリジナルIPが1つでも
増えるのは喜ばしいことですし、
1つ1つを大事にしたいです。

私もそうですが、日本でも負けないように
よりよいクリエイティブが創れるような文化、
私もその一助になり続けたいと考えています。


【執筆者:うきょう】
ゲームプロデューサー & 事業プロデューサー。ソフトバンク、LINE、NHNを経て2回目の起業。オンライン、オフライン問わずに幅広い職種でも対応できる事業戦略や商品、集客企画が強み。

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