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【奈良県川上村】長女と無理心中図る父の心境【NEWS】

「この生活から逃れるため、長女と一緒に死のうと思った」

これが心苦しくなるニュースであることは間違いない。

父親――徳谷和彦さん(36)の娘・長女である奈那子さん(10)は、2月13日、奈良県川上村のダム湖に浮いて亡くなっている状態で見つかりました。奈那子さんには障害があり、和彦さんの曰く「妻の負担になっていた」ということである。

また、同機は見出しの通りであるが、自身の父親と口喧嘩をしたことで「この生活から逃れたかった」とも供述している。

衝動的な無理心中だったのか。「この生活に耐えられず」と言うくらいだ。前々から計画性を持って視野に入れていたことだったのか? それは今となっては和彦さんにしかわからないことである。

生活困窮や家庭環境による多大な精神的負担が要因となる無理心中のケースは、現代の日本でも少なくはない。そういったニュースを観ると筆者も心苦しくなる。

しかし「苦しいから」と言って己以外の命まで同時に奪っても良い権利など誰も持ってはいない。己一人の身をもって自殺を選択する人が多いというのも、現代日本の大きな問題ではあるが、その話は今は置いておこう。

なぜ、容疑者は「無理心中」を選んだのか?

容疑者である和彦さんは、人一倍家族思いな人物だったのではないかと筆者は推測する。

人を殺してしまった人を庇うような文言を垂れると、こんにちのインターネットの海では炎上する可能性もあるが、それも覚悟で筆者の見解を述べて行こうと思う。

障害を持った子供を育てていくというのは簡単な事ではない。しかし、娘の奈那子さんが10歳になるまで和彦さんとその妻は必死になって育ててきたのだ。それを大前提として、和彦さんは動機を述べる際「妻の負担になっていた」とは述べても、「自身が負担に感じた」とは一切述べていないのである。これは最愛の妻のことを思っての発言であり、自己保身のためではないということが発言から推測される。

また、娘の奈那子さんの事も思ってはいたのではないだろうか。こんな事を言っては、親のエゴだ理不尽だと騒ぐ層もいるのは間違いないが――障害を持って生きていくというのはとても難しい事なのだ。ゆえに和彦さんは、娘の将来がを案じて「将来苦労するならば今のうちに」と、間引くような気持ちもあったのではないだろうか。

出来ることなら健康な体に生まれて欲しかっただろう。望んで持って生まれた体ではない。だからこそ、和彦さんは奈那子さんを殺めてしまったのだと思う。

家族の事を思うがゆえの行動。それが今回の事件に繋がったのではないだろうかと筆者は思う。

和彦さんが家庭環境の事で精神的に追い詰められてられての事でもあるのは間違いない。しかし、家族の事、置かれている環境の事……追い詰められた人間は何をしでかしてしまうかわからない。だが今回の事件の容疑者である和彦さんには、一片の理性が感じられる。そうでなければ「己も死んでせめてもの責任を取ろう」だなんて思う事はないだろう。

「無理心中」を図る人間の心情とは

筆者は体験したことがないので、確実な事はもちろん言えない。

だが考えるに、無理心中を図る人というのは、みんな何かに追い詰められて人生に限界を感じているという共通点はあると思っている。

己以外の他者を巻き込む理由としては、「一人では勇気が出ない」「生活困窮により現実的に一家が生きていけない」など様々だろう。筆者には思いもよらないような苦しい理由で心中の道を選ぶ人もいると思う。

そういった人々すべてが、救われる世の中になればいいと心から願う。

#旬選ジャーナル

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