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Come and Listen!ーイエス生誕の地:ベツレヘムの牧師の叫び

イエスが生まれ、イエスが歩いた聖なる土地ベツレヘム。

そこは現在どのような状況なのでしょうか?
 
ベツレヘムでキリストの信仰を守る牧師に、タッカー・カールソン氏がインタビューしました。

上記ビデオ:タッカー・カールソン氏のインタビュー記事の内容を、ご紹介したいと思います。

著作権の関係上、全てをそのまま翻訳は出来ませんが、重要な点を抜き出し、私の言葉でまとめました。

前もって、お断りいたしますが、私の個人的な意見ではなく、あくまで、インタビューで語られた内容ですので、ご了承下さい。
 



概要


今現在、イスラエルからの止むことのない攻撃を受けているガザですが、イスラエルには、ガザの他に、ウエスト・バンク(西岸地区)、エルサレム近郊など、パレスチナ人が住んでいる地域が点在しています。

パレスチナ人と言えば、イスラム教徒のイメージが強いですが、実は、カトリックや正教徒、プロテスタントの信徒も存在します。

イエス・キリストが産まれ育った歴史ある地域です。彼らの信仰は2000年の歴史を誇っていると言っても過言ではありません。しかし、現イスラエル政府の元で生活するクリスチャンの状況は非常に厳しいようです。
 
なぜなら、イスラエル政府は、キリスト教を法律上認めず、クリスチャンには、生活上の様々な制限を与えています。さらに、ユダヤ教の一部の過激派グループによって、教会は常に攻撃を受け、燃やされ、聖職者は唾を吐きかけられるなどの侮辱行為を受けています。
 
多くのパレスチナ人の若いクリスチャンは、仕事を失わないために、また、生活上の安全を求め、キリスト教会から離れる現象が起こっています。
 
残念ながら、クリスチャンを迫害しているイスラエル政府を、キリスト教国家であるはずのアメリカ政府、及び、クリスチャンであるはずのアメリカ人がサポートしていることになります。

アメリカは、イエス・キリストの生誕の地のキリスト教徒の事など、全く考慮していない実態が、今回のインタビューで明らかとなりました。

それは大きな矛盾ではないでしょうか?
 
どうして、クリスチャンを迫害している政府を、クリスチャンであるアメリカ人が応援するのでしょう?
 
そして、何より、アメリカで、誰もそのことを話題にする人がいないのはどうしてなのでしょう?

アメリカ人はその現状を把握しているのでしょうか?
 
タッカー・カールソン氏の素朴な疑問は、非常に鋭い点をついています。
 
タッカー・カールソン氏の今回のインタビューは、世界の人々に、大切な事を気付かせるかもしれません。
 
インタビューのお相手は、ベツレヘム・ルーテル福音教会牧師、マンサー・イサク(Munther Isaac)氏です。

もし、イエス・キリストがひげをそり、栄養状態の良い、現代に生きていたら、こんな感じだっただろうなと、想像させるような牧師様です。

イスラエルのパレスチナ人自治区で、信仰を守り続け、ご自身もパレスチナ人であるという、難しい立場にありながら、パレスチナ・クリスチャンの現状を、涙ながらに訴えます。

ぜひ、多くの方に、知っていただきたいと思いました。


タッカー・カールソン氏の見解


「絶えず存在し、しかし誰も気に留めることがないテーマは、アメリカの外交政策が、いつもクリスチャンを苦しめているということです。
 
外国の戦争に、アメリカはお金をつぎ込みますが、それが原因で、クリスチャンを殺している結果が導かれるのは、どう考えてもおかしい。」

ビデオの冒頭は、この問いかけから始まりました。

 60年前のベトナム戦争でも、多くのカトリック教徒が虐殺されました。
イラク戦争では、世界で最も古いクリスチャン共同体が、ほぼ壊滅。
シリアでイスラム教の過激派がクリスチャンを攻撃したこともありました。(この過激派にお金を出していたのはアメリカ政府だと、彼は暗に語っています。)

しかし、これまで、アメリカの聖職者たちで、それについて指摘する人がいませんでした。なぜなのでしょう?クリスチャンを守ろうと立ち上がった人は、メディアに出ることは許されませんでした。

それは、現在進行中のウクライナでも同じことです。ゼレンスキー政府は正教会の司祭を刑務所に送り、教会を破壊しています。

ガザはどうでしょう?

アメリカの教会のほとんどはイスラエルをサポートしています。福音派教会は特に。そして、何も声明を発していません。
 
それどころか、最近、とても異様な発言が見られました。
 
米ミシガン州の共和党下院議員のティム・ウォルバーグ(Tim Walberg) 氏は、元福音派の牧師の経歴をお持ちです。
 
そんな彼が、パレスチナ自治区ガザ地区の戦争について、「手っ取り早く終わらせるため、長崎や広島のような」爆弾を投下すべきだと発言。物議を呼びました。(CNN記事参照)

 
アメリカ側の意見だけではなく、実際に、現地のクリスチャンの声を聴いてみようではありませんか。


ベツレヘム教会の牧師 イサク氏の見解


ここからは、ベツレヘム・ルーテル福音教会牧師、マンサー・イサク(Munther Isaac)氏の発言になります。
 
パレスチナ人のクリスチャンが減っています。それは、イスラエル政府のクリスチャン迫害政策のため、もっと良い生活や、楽な人生を求めて、若い世代は、キリスト教から離れて行くからです。
 
イサク牧師は、直接アメリカ政府の政治家や牧師たちに、現状を訴えていますが、理解してもらえません。それどころか、同じキリスト教である福音派の教会は、イスラエルにばかりに注目し、中東のクリスチャンの事など、全く気にかけていないように見えます。
 
それを、イサク牧師は「クリスチャン・シオニズム」と呼びました。
 
イサク氏の定義する、クリスチャン・シオニズムとは、
 
①   イスラエルをサポートするのは当たり前。なぜなら、聖書がそう教えているから。
②   極端な終末論。ユダヤ人がイエスの再臨の準備をすると思っている。
③   預言の成就というイベントに興奮していて、今現在、苦しみに会っている人間に対しての、共感が全くない。
④   多くの福音派のリーダーでさえ、ユダヤ人がパレスチナに集められ、その三分の二が大虐殺にあうと信じている。
⑤   クリスチャンなのに、なぜかユダヤ教に親切な神学を信奉している。
⑥   特別な過激派宗教グループがあり、国際法を違反している。(これは、世界の支配者層の事を言っているのだと思います。シオニズム中核グループのこと。)
 
とにかく、アメリカのクリスチャンは、間違った教えに洗脳されていて、イサク牧師が、いくら現状を訴えても、誰も聞く耳を持たないのだそうです。
 

パレスチナ・クリスチャンの悲劇


1948年のイスラエル建国以来、パレスチナ人は常に難民となりました。他国に難民となる人もいますが、今現在、パレスチナ自治区にいる方々は、自国内での難民です。
 
多くの方は、どこかに逃げればいいと思うかもしれませんが、彼らがやっと逃げてきた場所が、現在の場所で、もう逃げる所がないのです。
 
現在、イスラエルの攻撃止まないガザ地区には、カトリック教会、正教会、バプテスト教会などがあり、クリスチャンが多数取り残されています。
 (私たちは、パレスチナ人=イスラム教徒と考えがちですが、私たちの先入観を変える必要があると思いました。)
 
昨年10月から始まった、イスラエル対ハマス戦争の中にあり、ガザ地区の教会も、攻撃のターゲットになっています。
 
信徒は教会であれば大丈夫だと思い、教会に避難しがちなだけに、被害が大きくなります。
 
10月に正教会の教会が攻撃され、パレスチナ人18人が死亡した事件では、そのうちの9人は子供でした。
 
また、パレスチナ人のカトリック信者の2人の年配の女性が、イスラエルのスナイパーに、教会の前で殺される事件も起きました。
 

イサク牧師の訴え


クリスチャンは、イエスの基本の教えである、平和を守る人であるべきだと思います。お金やエネルギーを戦争につぎ込むのではなく、平和を支えるために使うべきではないでしょうか。
 
現在、ガザを攻撃しているイスラエルに、アメリカのクリスチャンがサポートするのを止めて欲しいです。
 
「旧約聖書の預言の成就」などと、間違った教えに、現実が見えなくなっている事に、気付いて欲しいです。
 
地上で、何が行われているか、事実をしっかりと見つめ、平和のために発言し、パレスチナとイスラエルの平和のために行動して下さい。
 
イスラエル建国は、何もない所に造られたのではありません。
 
その土地は、ネイティブ・パレスチナ人の数えきれない多くの死体の山に築かれています。その死体の中には、クリスチャンも含まれています。
 
パレスチナ人の死体の上に築かれたイスラエルを、「預言の成就」、「神の印」などと、祝い、サポートするのは正しいことなのでしょうか?
 
パレスチナ人は国を追われ、国に戻れず、自国内でさえ難民扱いです。イスラエル建国以来、30の教会が壊されました。
 
どうか、どうか、実際に、「来て、私たちの声を聴いて下さい。」
(慣用句”come and see” を引用して、”come and listen”を使われています。)
 
ガザは、ジェノサイドにあっています。さらに飢餓がそれに加わります。
 
イラク、アフガニスタン、リビア、それらの戦争は、意味があったのでしょうか?
 
平和の君である、イエスの言葉を、もっと真剣にとらえて下さい。
神は憐れみの神ではなかったでしょうか?
戦争ではなく、他の道があるはずです。
現実を直視して下さい。

そして、この戦争を終わらせましょう!

 (インタビュー記事ここまで)


参考文献


中東のクリスチャンの状況を知るための資料を筆者が集めました。
 
●シリアの状況
『内戦と地震で苦しむシリアに孤児施設』

『夢により救われたISのリーダー』

 
●イラクのクリスチャンについて
『イラクのクリスチャン-艱難の中に希望抱く』

 
●ベトナムのクリスチャンについて
『ベトナムで牧師100人以上が投獄される、毒殺の危険も』

 
●最近の中東のクリスチャン状況
『中東のイスラム世界 祈りは山を動かす』


最後に

この内容に対する筆者の感想・意見は、別のブログにて書く予定です。ブログのアドレスは、筆者のプロフィールにあります。


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