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クライミング能力を引き上げる自宅トレ~Div3~

ここ2年程は仕事と家事・育児の両立のため、週2回までしかクライミングはしないというルールを敷いている。(外岩も含む)

しかし、成長率はさておき、36歳の今でも十分に成長を感じている。
成長できている一番の要因は、登りこみではなく、自宅トレだ。
これまで自分が良いと思ったトレーニングは大体取り入れてみて、「これは成長する」「これは続けられる」というトレーニングを厳選してきた。
特に最近は「100日だけ頑張る」と決めて自宅トレの内容を選びなおし、体重制限もあるものの、0.3~0.5グレードくらいは強くなったと感じている。
この記事では、私がお勧めしたいトレーニングを紹介する。

対象となるグレードについて

クライミング能力によって、必要なトレーニング内容や強度が変わってくると思う。そこで私自身の今の能力を示すことで、トレーニング内容を自分で微調整してほしい。

現在は外岩でRP3段。2段の課題に自信をもって戦う実力がつき、インドアでもジムによっては初段を落とせるようになった。
また、日本のコンペでは最大級であろうノースフェイスカップ(TNFC)では、Division3でエントリーしたが、決勝には上がれなかったものの、上位の順位になることができた。
※参考 TNFCのカテゴリについて
   Division5 4級以上を登れる男性
   Division4 2級以上を登れる男性
   Division3 初段以上を登れる男性
   Division2 3段以上を登れる男性
   Division1 4段以上を登れる男性
このカテゴリ分けに納得感はないけど、公式が示している基準となります。

お勧めトレーニング

①ぶら下がりトレーニング


効 果  ★★★★★
継続性  ★★★☆☆
難易度  ★★★☆☆

<方法>
・ぶら下がるホールドを用意する。
・アプリなどでタイマーを準備
・10秒ON10秒OFFで15セット分ぶら下がる。慣れてきたらホールドを悪くするか、ダンベルなどを背負って荷重する。

ロックスリングスでも、メトリウスのシミュレーター、ビーストメーカーのいずれでも良いので、適度な持ち感のホールドにぶら下がり、一定時間ぶら下がり、一定時間レストする行為を何セットか行うトレーニング。

基礎的な保持力と、前腕を中心としたスタミナがつきます。
私は、これをガバで10秒保持10秒レストを10セット行えるようになった頃、外岩で初段を落としました。
更に、メトリウスの15㎜くらいのホールドで、16キロの重りをぶら下げ、11秒保持9秒レストを15セット行う頃には、3段を落とせるようになりました。
指に負荷がかかり、ケガの恐れもあるため、登りに行く前日、一番指が休めている日に行っています。自宅トレで一番効果を実感したトレーニングです。


②指トレ(ビーストメーカーマイクロス)


効 果  ★★★★★
継続性  ★★☆☆☆
難易度  ★☆☆☆☆

<方法>
・ビーストメーカーマイクロカチを準備する。
・登らない日は、毎日チョークアップして全力でぶら下がる。
※ただし1セットのみ。複数セットは行わない。
・持ち方は基本オープン。慣れてきたら、懸垂などを加えてもよい。

こちらは指の保持力を底上げするもの。
ビーストメーカーマイクロカチは、10mm、8mm、6mmの木製ホールドのセットで販売している。
3段登れるようになってから触ってみたが、8mmさえ数秒浮かぶのが精いっぱいだった。①の保持トレとは別種と思ってもいいと思う。前腕や広背筋を鍛え上げても、少ない接地面積で十分な力を出力させるだけの指先の力がなければ意味がないことを実感した。指先の強さは、①とは別にこのトレーニングを強く推したい。
一番の課題は、「痛い」「持てない」「続かない」という問題。買った当初は十分なトレーニングをする前に持てずに諦めてしまい、半年ほど寝かしていた。
たまたま4段クライマーとトレーニングの話になった際に頂いたアドバイスで、劇的にトレーニングが進んだ。
その方法とは、「登らない日はとにかく触ること」「チョークアップをきちんとすること」の2点だ。
マイクロカチでは、「極小ホールドに指を慣れさせる」ことを最優先にトレーニングしたほうが良い。
私は、登らない日の帰宅後、必ずチョークアップして「一回だけ」本気でぶら下がることを続けてみた。ジムと比べて、自宅では「持つという気持ち」を作るのが最初は本当に大変だった。多分ほとんどの人が、ジムでアップした後に持てる保持感では自宅で再現できないと思う。
ただ、継続していくうちに、指先のストレスに耐性ができていき、2か月くらい続けた頃には、6mmで懸垂しながら30秒ほどぶら下がることができるようになった。この頃には、持つという気持ちを作らなくても、十分に保持トレをできるようになった。※すべてオープン持ちの話となります。
指の保持力がどれほどついたのか、自分でもわかっていないが、少なくとも薄いホールドなどに対して抵抗感はなくなったように感じる。とはいえ劇的になんでも持てるような、万能感も感じていない。
少なくとも、更に上のグレードに挑戦するために必要なトレーニングだったと感じるので、是非試してみて欲しい。
※気温や湿度にもかなり持ち感は影響されるので注意。私は秋から冬にかけて行って記事を書きました。


③指先の曲げ伸ばしトレーニング

効 果  ★★★☆☆
継続性  ★★★★☆
難易度  ★★★★☆

<方法>
・手を挙げる。
・指先を精いっぱい伸ばす
・第一関節から順番に指をたたむ。
・しっかり握ってから、第3関節から順番に戻す
⇒30~50回繰り返す。基本毎日隙間時間に繰り返す。

②のトレーニングと同時に取り入れたのが③.強くなるうえで一番気を付けるべきことは、「ケガをしないこと」。ケガをすると治るまでトレーニングができなくなり、一番避けなければいけない。
また、トレーニング負荷が高まることでケガのリスクも増大していく。
そのため、②の指先に負荷が高まることを踏まえて、ケガ防止にも注力することにした。
勿論ストレッチなどのケアや、関節に良いサプリなども摂取しているため、このトレーニングだけの成果ではないが、指にまつわるケガや痛みを抱えることなく、指先のトレーニングを続けることができた。

④体幹トレーニング

効 果  ★★☆☆☆
継続性  ★★★★☆
難易度  ★★★☆☆

<方法>
・下記URLのサイトのトレーニングを行う。

アブローラーによる立ちコロを10回、毎日行っているが、自宅で鍛えられる最たる部位は体幹と思い、体幹トレを見直しバージョンアップしようと思い、この動画に行き着いた。
最初は動画のフォームが再現できないという問題があったものの、いつごろか割と簡単な部類のトレーニングになった。
一番のネックは時間がかかること。子どもや家族にとっては、オッサンが長時間部屋で横になっていられるとストレスがかかるようで、トレーニングする時間を作ることが一番の課題だった。
クライミングで効果を実感したかといわれると自信がないのだが、何より最初全く対応できなかった側近部位の体幹が飛躍的に向上(動画の動きが楽に長時間維持できるようになった)したため、まだ継続している。
他にオススメな高負荷な体幹トレがあれば、そろそろ切り替えるつもり。

⑤肩周り・上腕二頭筋のトレーニング

効 果  ★★☆☆☆
継続性  ★☆☆☆☆
難易度  ★★☆☆☆
<方法>
・下記URLのサイトのトレーニングを行う。

肩まわりのトレーニングは、ボルダリングを漫然と登りこんでいるだけだと、かなり鍛えられる。私は最初酷い筋肉痛になった。
ただ、特に上腕二頭筋というのは、主にアンダーの持ち方で求められるのだが、この部位は自宅トレと相性がいいと思った。
アンダーを用いた課題というのは、通常ジムでそれほど多く持つことがない。しかし、アンダーが核心になる時というのは、ポジショニングと二頭筋のパワーが核心となることが多く、普段登りだけで鍛えていると、パワーが不足するケースが多いと感じる。
ダンベルをもちいて鍛えておくことで、登りこみだけでは得られない二頭筋のパワーを獲得でき、いざそういった課題が出た時に、自信をもってトライできるようになる。
ただ、このトレーニングは筋肉痛が大きく、レストが長い日にしか行ってこなかった。肩周りの筋肉については、鍛えられているものの、私自身肩を意識して登れていないためか、登りで実感をする機会は少ないと感じている。

⑥カーフレイズ(ジャンプ筋)

効 果  ★★☆☆☆
継続性  ★★★★☆
難易度  ★☆☆☆☆
<方法>
・下記URLのサイトのトレーニングを行う。

ジャンプ力がクライミングでいるのか?
と聞かれると自信はないが、「ある」と思う。
ジャンプ力といわれると、クライミングでは下半身重視のランジ系統のみにしか適用されないが、カーフレイズとは、「つま先を上げる力」であり、それ自体はクライミングでかなり多用されているのではないだろうか。
そしてこのトレーニングでは、ずばり「つま先をあげる」行為を突き詰めて行っており、直接効果があると思っていいのではないかと思う。

また、実際にHIITトレーニングでバービーやスタージャンプといったメニューを行う際、このトレーニングを行ってからというもの、明らかにジャンプ力が増していることを実感する。

私は職場での昼食時間、6分ほどのこの動画をすみっこで行っている。
変人と思われてもかまわないメンタルがあれば、職場でちゃちゃっとトレーニングが完了するのでオススメである。
最初は動画を完走できないかもしれないが、ふくらはぎがピンポイントでヨレル感覚はクセになると思う。

⑦有酸素運動・HIIT

効 果  ★☆☆☆☆
継続性  ★★☆☆☆
難易度  ★★★★☆

私の場合、毎日の通勤で片道10キロほどの道をクロスバイクで通勤している。また、1,2時間といったまとまった時間が手に入った際には、なるべくHIITトレーニングを行っている。(下記サイトが一番オススメ。「HIITで検索語、再生回数順にソートかければ出ます。下半身にいい刺激が入ります)

正直、有酸素運動がどれほどクライミングに役立つかは不明。やってる時とやってないときで、クライミングにあまり影響がないように感じる。
ただ、体に熱が入るため、減量で脂肪燃焼を加速させたい。寒い時に登る前に体を温めたい時は、有酸素運動はオススメなトレーニングだ。
これらのトレーニングは2年以上継続していて、効果を実感できていないものの、実際減量のために私は継続しているため、紹介しないわけにもいかないかなと思ったので、おまけ程度に掲載しておく。

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