見出し画像

就職活動はしなければならないんですか?

 過日、ゼミの3年生から受けた質問である。ぶっちゃけ、自分の好きなようにすればいいと改めて思った。大学には就職課もあり、その専門の先生方もいらっしゃる。だから会社説明会のエントリーが少ないとか、ゼミ生の就職活動の進捗状況を伝えてほしいとか、連絡事項は多い。少子化のおり、就職率がそのまま志願者数にかかわってくるという大学の事情もわかる。

 30年以上も昔のことだが3年ダブった私の場合は、金融関係が軒並み「塩対応」で、就職活動は必死だった。今考えると、この「塩対応」が私のスイッチを入れてくれていたのだと思う。でも、私は就職活動をゲーム感覚で楽しんでいた。大学生にとって、大人と対等に話せる機会は少ないし、色々な会社毎に自分の見せ方を変えて相手の反応を見るという面白みもあった。
 就職活動用に作った手帳に、日々の記録や思いを書き綴ったことも、今は懐かしい(どこに残っているのだろう?捨ててないと思うけど)。結局、5勝28敗8分とバブル世代にしてはガンバった。最後は連戦連勝で、落ちる気持ちがしなかったし、「就職活動体験記」を何本か就職誌に書いて小遣いの足しにした。とまあ、私にとって就職活動は「成功体験」として記憶されている。

 だから「まあ新卒は1回しかないから、就職活動も楽しんでみたら?」というのが、私の回答である。でも、もはや転職なしの人生なんて考えられない時代だし(まあ、私もギリギリ転職したし)前の会社でも毎月、中途入社の人たちがいて、合計で新卒の人数を超えていた。しかも、中途入社組の方が優秀な人材が多い。となれば、新卒で就職活動しなくてもいいんじゃね?という考えもわからないではない。

 でも一方で「学生のうちに就職活動やっといた方が楽だ」というのはおそらく本当だ。実際、中途入社組はそれぞれすごい「過去の実績」をぶら下げて来ている。「ありのままの自分を見てもらいたい」と言えるのが、新卒の特権ではないのか。 
 とまあ、そんなことを彼や彼女に伝えようと考えている。どちらにしてもあなたの人生はあなたが決めればいいことで、私が介入できるものではないのだし。

いいなと思ったら応援しよう!