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広重ー四季の花尽 萩に蛙 ①


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最初の工程は版下作りです。ライトテーブルの上で、筆で薄い和紙に輪郭線を敷き写します。めちゃくちゃ丁寧に行いますが、完全になぞり切るのは無理で、一旦彫り上げた後に、線を修正する作業は必ず必要になります。今時手で敷き写す彫師はいないかもしれません。只、仮に機械でコピーした版下を使ってもやはり修正彫りは必要になります。後自分はこのやり方が好きでやっています。

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 版下用の薄い和紙に線をなぞる際はスプレー糊で原画のコピーの上に貼り付けて行います。写し終わったら普通の糊で版木に貼り付け、乾燥後裏から紙を剥がしていきます。


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これまで版木は山桜の合板を使って来ましたが今回から山桜の無垢板に変えました。今後の作品は限定部数にするので一旦摺り終えた版木は次使用することがありません。無垢板だと削って次の作品に再利用できます。

江戸時代の浮世絵の版木は殆ど現存していません。大半は削っては再利用し最後は薪として焼却されました(幕末から明治の段階で)。
震災や戦災でも失われたとも聞いています。

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一応墨版が彫り上がりこれから試し摺りをして細かい線の調整をしていきます。

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