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好きな調味料について

こないだふと思ったことがある。
「東京の味ってなんだろう?」と。

私の同僚で、熊本出身の子はよく
「卵焼きは甘くないと」や「白味噌じゃないと」と言う話をしている。
なるほど、確かに地域ごとに根本的な「味」の特徴はある。
その土地その土地で育ってきた味、食材、調味料も沢山ある。
それが旅行の醍醐味だったり、お土産の嬉しさになったり。

そしてまた初めの自問自答に戻ってみる。
うーん、やはりすぐには思いつかない。

恐らく東京生まれの人はわかると思うけれど
例えば長い休みや年末年始、何かの行事などがあるときに
「帰る」と言う表現をよく耳にするが、
東京生まれ東京育ち、今も東京に住んでいる人は
「帰る」場所はない。ここだから。
なんだか高飛車な感じに聞こえるかもしれないけれど
この感情は決して自慢などではなく、
「帰る」と言えることに対して「いいなぁ」と素直に思う。

だから、味もそうだけれど「帰る」場所があるのは本当に羨ましい。
色々自分で試して、でもやっぱり思い描く「故郷の味」とは違う…
と試行錯誤しつつ、きっとまた自分だけの「故郷の味」ができるのかもな、と。

東京は関東の味の枠に入るのかもしれない。
東京以外だと、その道府県の味がそれぞれあるし
もちろん関西、東北など大きな括りでの味もある。
関東の味…なんだろう。黒い醤油とか?
もしかしたら伝統的な味はあるかもしれないけれど、
あまりにも色んなものが集まりすぎて、オリジナルが何か
わからなくなっているのが今の東京のような気もしている。

そして、私は「だし」が好きだ。
これは一人暮らしを始めてから気づいた。
味噌やだし、ルーなど料理のベースを作るものは
とりあえず2種類以上混ぜると美味しくなると聞いたもので
毎回なんでも2種類以上混ぜている。かなりランダムに。
それもあって、まだ一人暮らしを初めて半年くらいだけれど
すでに味噌3種類、だしは7種類もある。

私はここまで書いてはたと気づいた。
私自身がまさに「東京」を自分自身でやっていることに。

これはもう自分が美味しいと思う自分のオリジナルを
作っていけばいいのかもしれない。
自分の好きな味で、自分の好きなように。
そこに、もしかしたら帰ってきてくれる人もいるかもしれない。

そう思って、明日また朝お味噌汁を作ってみることにする。
適当に3種類くらいだしを混ぜながら…。

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