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退職し、茶道華道家フリーランスになります

自分の将来と茶道・華道の可能性にかけたいと思い、2020年10月7日、会社を退職しました。

2020年10月末付で、2年半働いたリクルートキャリアを退職し、茶道華道家フリーランスとして活動していきます。

約6,500字、ほんと長いですが、なぜ辞めるのか、今後何をするのか、あまり自分をさらけ出さない自分が、生い立ちも含めて赤裸々に書きました。

よくある自分語りの投稿かと思われるかもしれませんが、読み終わった後に「こんな価値観・そんな選択肢もあるのか」と自分も何か頑張ろう、そうなっていただけると嬉しいです。


【これはオリンピックか?】

僕は幼い頃から「自分が周りの人を楽しませたい、笑顔にしたい」「社長か芸能人かサッカー選手か、何か分からないけど、何かに縛られることなく自由に生きたい」と漠然と思っていました。

思い返すと、それは幼稚園の運動会での出来事がきっかけでした。

僕は年長さんでクラス対抗リレーのアンカーを任され、精一杯走りました。僕が受け取ったバトンはもともと3位、でもあれよあれよと園庭を走り抜け、1位でゴールしました。

その時の歓声はまるで、オリンピックの決勝リレーのような歓声で。大げさなようですが、当時の自分にはまさにオリンピック。
その時の歓声が今でも忘れられず。

自分が目立って活躍することで、周りの人に喜んでもらえる。幼いながらにそのことに気づき、それ以降、いかに自分が目立って・活躍して、周りの人に喜んでもらうか?常に考えるようになります。

4つ年上の兄・3つ年上の姉・その友達たちと一緒にやる「漢字カルタ」でも活躍できるよう、幼稚園児ながら漢字を頑張って覚えました。

また、学級委員長や生徒会長、応援団長などと「長」がつく役割が好きで、何か小さいことでも自分がトップに立ち、何かを決める。応援団の応援歌も自分で決めたいし、クラスのスローガンも決めたい。

そして自分が決めた何かで誰かを喜ばせられる、笑わせられる、そんなことが好きでした。

【ガチガチサッカー、新歓ウェイウェイコンパ、からの、茶道・華道】

そこから、高校卒業まではずっとサッカー漬けの毎日。インターハイや全国大会に出場するようないわゆるガチのクラブチーム・部活で毎日走り回っていました。

なので、実家が茶道・華道の家元といえど、茶室で正座なんてほぼしたことがなく、したとしても、痺れを切らすのに60秒がいいところ。

ただ、「誰かを喜ばせたい」 その気持ちはずっと変わらず、同志社大学に入学。入学と同時に、12年間続けたサッカーを辞め、毎日、新歓コンパに明け暮れます。

近くの円山公園で毎日花見。花が散っていても花見。(あそこで花を見たことはありません。) フットサルにテニサーにイベサー。毎日違うサークルの新歓に参加しました。

おかげで友達はたくさんできましたが、「ウェイww」のノリについていけず、パタリと新歓への参加を辞めます。

4月下旬、3週間で飽きが来ます。

「あれ、今までは”サッカー部の友輝”だったのに、自分って今、何者?今、誰かを笑顔にできてる?」「あんなにガチでサッカーを頑張って、受験もして入った大学で、自分は何してる?」そんな焦りから何かを始めないとと思い、一番始めやすかった 「茶道・華道」を始めます。

大学から徒歩圏内にあった実家の茶室でお稽古を初め、授業の合間に、茶室へ行き、また授業に戻る。そんな生活をしていました。

まぁでも、なんとなく始めた茶道・華道なので、はじめはそこまで真剣にできず、茶室でゆっくりして、お菓子をただ食べてまた授業へ戻る。

ただ、ひょんなことから「せっかくだから」とサイゼに行く感覚で友人を誘い、茶道を体験してもらい、僕が点てたお茶で、友人が「美味しいおいしい」と言ってくれる。

その反応が当時の僕にとってはとても嬉しくて、サークルの友達、スペイン語の履修仲間、高校からの友達など、どんどんといろんな友達を誘うようになりました。

みんな口を揃えて「抹茶おいしい」「茶道って意外と面白いな」こう言ってくれ、「抹茶飲んでほっこりしたし、次の授業頑張るわ」素直にその言葉が嬉しくて、もっといろんな人に楽しんでもらいたい、あわよくばお茶で少しでも前向きになってもらえたら嬉しいと思うようになりました。

そんな、3歳児がお母さんに褒められて喜ぶような純粋な動機から、茶道がどんどん好きになっていきました。自分のお茶で、もっと人を笑顔にしたい。

曽祖母が家元で、小さい時から抹茶を飲んだり、点てたり。茶道に普通に接してきたからこそ、自分では気づかなかった魅力に初めて気づきます。大学生になって、「お茶の持つチカラってすごいんだ」と初めて気づきました。

そこからさらに、友人を集めて茶会・留学生を呼んで国際交流茶会など、企画していきます。

【What is sado?】

そこから、「日本に目を向けるのも大事だけど、日本を知るためにも、世界に目を向けたい!」と思い、大学3年生の時に1年間休学。アメリカニューヨークへ。

人種のるつぼと言われるほど世界の文化が入り混じるニューヨークで、僕は茶道の可能性をさらに感じました。

ホストファミリーの家で、現地の留学生や現地の方向けに茶会を何度か開きました。「Yukiがやるなら行くよ!」とサウジアラビア人やイタリア人、フランス人やメキシコ人など”世界中”からイベントに来てはくれました。ただ、“Sado”はもちろん”Tea party"なんかみんな全然通じない。 「お茶で人をおもてなしするんです!」と言っても、見事に全員「?😅」な顔をしていました。

あれ、おかしいな。

日本ではあんなに人を笑顔にしていたはずのお抹茶が、ここでは人を困り顔にさせる。茶道とかおもてなしとか、日本ならではの概念は全く理解されない。

これは困ったなと、自分自身も困り顔になっていたのですが、ある日ホストマザーが庭にあるプライベートスパいわゆる自宅の温泉の説明をしてくれた時にとあることに気づきました。(プライベートスパは、ホストファミリーに3ヶ月住んでからようやく始めて入浴の許可をいただけるほど、ホストマザーにとって神聖なスポット)

「スパはね、特別な場所なのよ。少し体とか心が疲れた時に入って、何も考えずにただただポーッと落ち着けるの。あとは特別なゲストが来た時にも入ってもらって、素敵な庭、空、自然を楽しむ、至福のひと時を過ごしてもらうの。そう、それがこのスパよ」

忘れもしない留学3ヶ月目の12月。気温が0度を下回りそうなニューヨークで、僕は日本の家族や日本の生活を思い出しながらスパに入らせてもらったのを今でも覚えています。そして3ヶ月ぶりの温かい極上の湯船に浸かりながら、こう思いました。

「待てよ、スパと茶道ほぼ一緒やん。」

もちろん伝統があるかどうかとか、作法があるかどうかとか細かい点は全く違います。でも、過去も未来も無しにして、今ここの瞬間で心と体も癒す。ふーっと息を吐いて気持ちを整えて、至福な時を過ごす。そしてそれは時にはお客様をもてなすための手段にもなる。

「茶道はスパだ。」

とまぁ一度スイッチが入ると止まらなくなる僕の頭の中では、もうこれはスパでした。茶道はスパになりました。

そして、こう思います。抹茶をただ飲むだけでは興味を持ってくれる人は限られてしまう。ただ、「癒しの時間」や「心に余裕を持てる時間」と組み合わせると興味を持ってくれるのでは?

それ以降、僕は忙しい毎日にこそ茶道は不可欠だと感じ、日本に帰国。より本格的に茶道の勉強やお稽古、発信・イベント活動に勤しみます。茶道だけの空間・時間じゃなくて、茶道をモチーフにした宴会やワークショップなど、茶道の形を少し崩したイベントを開催します。

同時並行で、華道にも力を入れます。平安神宮や登り窯という窯を作っていた場所で花を生け、花で空間を華やかにする楽しさや価値を知ります。

【リクルートで鼻が折れる】

大学3年生、就職活動を始めます。就職するかしないか。実家の流派は、それで食べて行けるほどの規模ではありません。なので、「いや、これいきなり自分でやっても無理や」「社会知らなさすぎ」「食っていけない」と感じ、色んな縁もあって今の会社に入社しました。

選んだ仕事としては、企業の採用支援。

世の中には、「魅力があるのになかなか発信がうまくできず、認知されていない企業や人」がたくさんあるなと思っていたので、企業の魅力発信の手助けができるようになりたいと思っていました。

採用したい人はどんな人で、その人に対して自分たちの魅力を、どのように届けるか。それらを考え・お客さんとディスカッションし、提案する営業でした。1-2年目はそれを求人広告で、3年目はメッセージ文面で表現する仕事でした。

ここで、本当に様々な変化や学びがあったので、また別でまとめます。ただ、一番大きいものとしては、「天狗だった自分が自分の力のなさに気づき、考え方を大きく変えていった」こと。「自分が天才でないと気づけた」「相手目線で考える」もちろんスキル面での成長も大きくありましたが、スタンス面・考え方での成長が一番大きくあったと思っています。

なかなか結果が出ない時期も長かったです。ただあるとき、自分は器用にこなせるタイプでないと気づき、愚直に勉強しようと思い、改心。朝8時起きだったところから7時、6時と少しずつ時間を早め、5時半起きで毎朝勉強をするようにしました。毎朝近くのカフェに行き、インプット。それを仕事でアウトプット。そして夜に振り返り。

そんな生活を続け、なんとか結果が出始めました。Twitterで良く見かける全社MVP!とかではないですが、部内の表彰を何度かいただくことができました。

【そして、コロナ。】

コロナによって、世の中、自分の働き方、そして自分の価値観が大きく変わります。極端な話、いつ自分や自分の周りの人の命に何があるかわからない。世界が今後どうなるかわからない。そんな思いを抱くようになります。

また、身近な友人やその家族、好きだったカフェや居酒屋が確実に、そして少しずつ元気を失っていっている。

コロナ自体による打撃よりもコロナによる経済悪化の方が恐ろしい今、自分はどう生きるべきか、そして自分に何かできることはないか、ずっと考える毎日でした。

そんな中、コロナによって発注数が減少している父のネクタイ縫製工場、スタジオレッスンが激減したフィットネストレーナーの友人、それぞれの支援を始めます。

父のネクタイをなんとか売るため、兄とともにネクタイのオンラインショップを立ち上げ、また、友人のレッスンを増やすため、友人とオンラインレッスンを立ち上げます。

どちらも友人や先輩後輩を介して、本当に想像以上のたくさんの方が購入・参加してくださりました。本当にありがとうございました。

その経験から、「もっと自分にできることはないか?」「誰かの役に立つことはできないか?」という思いと、今できること・やりたいことは1日でも早くやりたいという思いが溢れ出てきました。

【人を驚かせ、笑顔にし、心に余白を】

お茶や生け花を通して、人を驚かせて、笑顔にしたい。元気にしたい。そこから僕は、副業でやっていた茶道・華道の活動を本格的にしていこうと決意を固めます。

茶道・華道自体の普及がしたい、というのももちろんです。ただ、それと同じくらい、これらを使って周りの方を元気にしたいという気持ちがあります。心のスパを提供したい。

ただ、茶道・華道1本で生きるのはまだ難しいと思っているので、1つの理念に基づいて、いくつかの仕事を並行させます。

「人を驚かせ、笑顔にし、心に余白を。」

◆個人向けコーチング◆
まず、
・リクルートでやってきたことを活かせる
・ 自分がやりたいこと
・ 個人でもできる
これらから、個人向けのコーチングを始めました。

「やりたいことがわからない」「夢のために何をしたらいいか整理できていない」「早起きしたいけど、どうすればいいのかわからない」そんな方に向けて、自分を客観的に見れる時間や整理する場を提供しています。

在宅勤務期間中、コーチングの勉強を進めてきました。今現在クライアントさんが3名いますが、自分と話すことで「頭の中整理できた」「やりたいことが明確になった、有料のnoteを書いてみます」「結朝5:15に起きれるようになった!」など嬉しい言葉をたくさんもらい、もっともっと自分自身レベルアップしたいと思っているところです。

◆映像製作会社の業務委託営業◆
また、リクルートでの仕事でもずっと対峙していた「魅力はあるのになかなか発信がうまくいかず、世の中に認知されていない企業や人」の支援は形を変えても継続的に実施したいなと思っていました。

そんな中、ちょうど映像製作で企業した友人と話す機会があり、業務委託営業として仕事もします。企業の魅力を言語化して、それを届けたい人に向け、映像にする。形は違えど、企業や人の魅力を発信することは全く変わらないため、一緒に仕事をさせていただきたいと思いました。

◆茶道・華道の活動◆
最後に、茶道・華道の活動について。 先述の通りまだまだ小さい流派ですが、次期家元として、流派としての活動だけでなくフリーランスとしても活動をしていきます。茶道・華道の本質は守りつつ、門戸を広げていきます。

「いま、ここの目の前に集中して、心に余白を作る時間」「人を喜ばすおもてなし」などの本質は守りつつ、「興味はあるけどきっかけがない」「実際何してるかわからない」「料金や事前の準備、わからない」といった余分な不、敷居を高めてしまう要因をなくしていきます。

また、茶道・華道の業界だけに決して止まらず、アートや飲食、観光、他のジャンルとのコラボレーションもしていきます。茶室・茶道華道をハブにして様々なジャンルのモノや人が交わる場所を作っていきます。

そのために、
・カフェやバーでの抹茶メニューの提供@東京/名古屋/京都/大阪
・ホテルロビーや店舗ディスプレイの生け花装飾@どこでも
・観光客や留学生向け茶ラウンジ運営@京都(予定)
・茶室をハブにしたコミュニティ運営
・若者でも楽しい茶道・華道・坐禅教室@東京、京都
(茶道と禅は密接に関わっていて、その延長で坐禅)

これらをまずはやっていきます。

茶を点て、花を生けることで、一般のお客さんには心の余白を。提携させていただく企業さんには集客や魅力発信のお手伝いを。様々な店舗等でも、花による空間演出の素晴らしさを発信できたらと思っています。

コロナ禍・不景気、そんな中でも、みんなが元気でいられるように。

【最後に】

京都へ観光に来られる際は、ぜひご連絡ください。茶室にて最高のおもてなしをいたします。また、直近の東京での茶道・坐禅講座は満枠になってしまったのですが、もしご要望があれば個人的にご連絡ください!

そして、
・個人向けコーチング
・PR映像による企業や個人の魅力整理・発信
・生け花によるホテルや店舗の装飾

これらは随時実施させていただいているので、ぜひご連絡ください!
こちらでも茶道・華道に関する様々な情報を発信しています。
ぜひチェックいただけると幸いです!
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世の中には同じ仕事してても楽しそうにする人、楽しそうでない人がいる。

同じようなことに直面しても面白いと捉える人もいれば、つまらんと捉える人もいる。

もちろん、どうしようもない環境の違いもある。

ただ、物事の捉え方を変えるだけで見える世界が変わることもある。

そのためには心の余白が必要で、それを提供できるのが茶道や華道。

まだまだ未熟者ではありますが、茶道・華道の発信と、それによる「心の余白作り」ができればと思っています。

2020.10.07 岡本友輝

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