政治や経済について主体的に生きる
10月27日は衆議院議員総選挙の投票日である。
日本人が政治に興味を持たない理由について考えると、いくつかの要因が浮かび上がる。
まず、多くの人が選挙に行かない理由の一つとして、政治に対する不信感が大きな要因となっている。
近年、政治家の裏金問題や統一教会との関係、さらには政治家の嘘や誠実さの欠如が当たり前のように報道されている。
これらの出来事が積み重なることで、国民は「どうせ何も変わらない」という諦めの感情を抱いてしまうのだ。
バブル崩壊をきっかけに始まった「失われた30年」において、日本は他の先進国と比べ、低成長が続いている。
この状況下で、日本政府は景気を下支えする公共投資を十分に行わず、むしろ緊縮財政政策に舵を切った。
その結果、国内の主要な製造業は設備投資を控え、人件費の安い海外へと工場を移転させた(産業の空洞化)。これにより雇用と税収が減少し、技術の海外流出を招き、日本の優位性が低下してしまった。
さらに、「労働者派遣法改正」により、派遣社員という低賃金で柔軟に使える雇用形態が加速的に拡大した。
これに伴い、「就職氷河期(団塊ジュニア世代)」や「ワーキングプア」という言葉が生まれた。
私が大学を卒業した頃は、まさに就職氷河期のピークであり、求人市場は買い手市場となり、内定を得るのが非常に困難だった。
合同就職説明会に参加すると、多くの学生が殺到しており、企業側は上から目線で対応していたことを思い出す。
一方、最近では学生が集まらないため、社長自らが説明会に参加して懇願するケースも見られるという。
当時、正社員としての就職がかなわず、派遣社員やパート・アルバイトとして働き続けた人も多いだろう。
この状況は、後に賃金格差を生み、団塊ジュニア世代の非婚化が進み、未婚率の増加につながった。結果として、少子高齢化が加速し、現在の人口減少の一因となっているといっても過言ではない。
特に若い世代は「自分の一票で何かが変わるわけではない」と感じ、政治への関心を失っていることが多い。
また、現代社会の忙しさの中で、仕事や学業、日常生活に追われる人々が、政治の重要性を実感する余裕を持てないことも、関心の低下を招いている。
さらに、候補者が「どれも似たようなものだ」と感じることが、投票意欲の減退を引き起こしている。
加えて、政治における裏金問題や不透明な資金の流れ、宗教団体との癒着など、信頼を損なう問題が繰り返されることで、多くの国民は政治に無関心あるいは不信感を抱くようになっている。
こうした問題が明るみに出るたびに、「政治は汚れているものだ」という認識が強まり、選挙への参加意欲はますます低下しているのだ。
では、私たち国民はどうすべきだろうか。
このような状況だからこそ、選挙に行き、投票することが重要である。
政治への無関心を続ける限り、状況は変わらないままだ。
私たちにできることは、選挙に参加し、真に志のある政治家を選ぶことである。
また、投票だけでなく、公助に頼らず自分で考え、行動する姿勢が求められる。
他力本願な考え方では何も変わらない。自力本願の精神で未来を切り開いていくべきだ。
政治や経済など、さまざまな分野に主体的に関わることが、自分の人生を生きることにつながるのである。
10月27日ぜひとも投票に行こう。