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『きっと、うまくいく』を見た。

良い評判ばかり耳にしていた『きっと、うまくいく』を今更ながら視聴。
最近までインドの映画は全部ボリウッドと呼ぶのだと思ってたくらいインド映画に疎い人ですが、楽しんで見れました。

大学生時代親友だったファルハーンとラージュは、同窓生のチャトルに呼び出され、行方知れずだったもう一人の親友ランチョーに会いに行く。それまでの道すがら、彼らの過去の必死だった日々が描かれていく。

インドの工学部ってなると世界的にもハイエンドらしくて、ファルハーンたちは落ちこぼれとか三馬鹿的に描かれているけどエリートなんだね。
競争率の高い工学部にやっと入っても競争の日々は続く。成功するために必死に競争をするみんなをあざけるように、ランチョーは「優秀であれば成功は自然とついてくる」と言う。
ご都合主義的に展開していくのだけど、バカバカしく笑えるところは笑えて。日本にも通じる学歴主義的な点取り教育と、プレッシャーによる若者の自殺率など社会問題にも目線を配っている。
3時間近い長さの作品だが飽きずに一気に見られた。個人的なジンクスである出産シーンがあるフィクションは面白い法則もあてはまる。
町山智浩さんが植木等や『そのうちなんとかなるだろう』との相似を指摘されていたが、普遍的かつノスタルジックに我々にも訴えかけるのはこの辺が通底するからなのかもしれない。
ファルハーンが父親を説得する場面で、それまでの流れから「自殺は絶対にしない」と言い切っていたのが個人的なハイライト。
自殺で脅すという手段をまっすぐ否定した上で、真摯に父に向き合うファルハーンがかっこよかった。
私も「アール・イズ・ウェル……」とおまじないのように唱えたくなる瞬間の多い人生なので、良い言葉を教えてもらえたという感慨。

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