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感想「陰陽師と天狗眼―冬山の隠れ鬼―」(歌峰由子)

広島県巴市を舞台に、市役所職員陰陽師と居酒屋バイト兼業山伏が活躍するブロマンス小説。
1巻のレビューはこちらをご覧ください。

2巻では美郷の腹違いの弟、克樹の失踪。
そして人柱の祟り。
感想はリプツリーに。
失礼。我を忘れております。

今巻では、長子は家のためのインフラにされがちであることが、ザクザク刺さるように書かれてあるわけですが。
呪術の名家鳴神家の跡取りたる美郷の弟克樹が、飢饉で妹の代わりに人柱にされた少女を庇護する立場になる。
これが救われます。全世界のインフラ長子が救われると思う。

別に弟妹を愛してないわけではないんですよ、長子も。
でも、別に弟妹がほしかったわけでもないし。
っていうか、弟妹の世話とかマジしたくないし。世話に奪われた時間も物も何一つ返ってはこないし。
それでも家を維持するために必要だとわかるから、しかたなく世話してるわけで。
その点を
「愛してるけど激しい負担」

「負担だけれども守りたい」
を、きっちり書いてくださっている!
最高!
「両親は長子も愛していました」系ハッピーエンドでなくて良かった!
愛されていたところで、何一つ返ってこないんだわ!
あの救済最高すぎます!!

ご静聴ありがとうございました。

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