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全巻ゲットを機に読み返す鬼滅の刃。8巻感想です。

すべて個人の感想であることを念頭に、嫌と感じた瞬間画面を閉じる姿勢でご覧ください。

わたくしは正気を失っております。

この8巻。煉獄母の遺言って、「母の愛」ではなく「母の呪い」に見えるんですけれど! 

わたくしは無限列車から入った典型的ミーハーですので、煉獄さんは人の話を聞かないけど、頼りがいのある陽キャだと思ってたんですよ。

違いますわコレ……。違うことに気づいてハマりましたわ……。

明朗快活に話すけれど、話す内容は「質問への回答」「相づち」「鬼殺隊関係の指示」以外ほぼない。
うまい! 以外自分のことを全然話さない……。

で、炭治郎に会って即「俺の継子になれ! 面倒をみてやろう!」って言った部分を読み返して気づきました。

この人、自分の意思がない。

やるべき論はあるんですよ。やるべき論しかないんですよ。

いや、だってこのときの炭治郎は、ほぼ面識がないだけじゃないんです。鬼を連れてる。

単純に仲良くしようというなら、面倒見のいい人ですが。

自分にとって危険かもしれない人間を、あまりに簡単に自分のテリトリーに入れすぎている。

自分以外は守るべきだと考えても、自分の身を守る理由は戦うため以外思いつかない。

ゾワッとしました。

継子がいないのだから作るべき。それしかない。

意思がないんですよ。この明るい態度もそうあるべきだから身につけたものにしか見えない。

「炎柱 煉獄杏寿郎」として、「責務を全うする」ためだけの存在。

……この人、最終決戦が終わったら生きていけないのでは? と。
そう思うと、猗窩座はある意味救済者ですよ。

唯一、鬼殺隊も煉獄家も捨てろと言ってくれた存在ではある。

あくまである意味ですが。

炭治郎がカナヲちゃんと銅貨トークしてたときと、言ってる内容がほぼ一緒なのに気づきまして。

なんか、好かれるタイプかの差が残酷なレベル。
で、話は戻りますけれど。

煉獄さん、「あなたは強いから弱い人を守らねばなりません(要約)」と、母の言葉を思い出して、最期の力を振り絞って。

亡くなるときに「ちゃんとやれましたか?」って、きいてますよね。

もう、これ母の呪いですよ。いいこじゃなきゃ生きる資格がないと信じる子ども。
おそらく引き金になったのは、母の「後は頼みます」なんでしょうが。

旦那に言えええッ! 確かに頼んでもダメそうなメンタルの旦那だけど旦那に言えええッ!

でも、最期に自分の考え、自分の意思を炭治郎に伝えましたよね。

これ、炭治郎が「煉獄さんはお前なんかよりずっと強いんだ!」と怒鳴ってくれた。

これ、煉獄さんの側から見れば「いいこだってみとめてもらえた。ほめてもらえた」ではないかと。

だから、自分の意思を発したのではと。

前後に同様に、自分の意思がなかったカナヲちゃんと炭治郎回がありますし。

煉獄母も煉獄父も愛がなかったわけではありませんが。
煉獄さんに頼りすぎたと申しますか。

炭治郎君と反対の負の長男なんですよね、うん。

ヤングケアラーの一種だと思います。愛されてるけれど、愛情の問題じゃない。

しかしながら、この負の長男でなければ煉獄杏寿郎という男にハマらなかったわけで……。

あああ! 愛しいつらいもうしんどい!

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