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お客さんは味方だった

仕事をしていて(私の仕事は珈琲屋で珈琲を点てたり提供したりすること)
このままでいいのか…とかこんなんじゃだめだ・・・と弱気になることがある。
なかなからうまくいかない時、不甲斐ない思いで心が萎れそうなのを踏ん張って
「今できることは一所懸命、目の前のお客さんに美味しい珈琲と良い時間を提供すること」
それに尽力する。
そんなとき、私の心に一番味方になってくれるのはお客さんだ。

昔、仕事がままならない頃はお客さんが敵にに見えることもあった。
でも最近つくづく思う、ちゃんとお客さんは見てくれているのだと。
丁寧な仕事を心がけていると、もちろん全員ではないけれど、見て欲しい所を見ていてくれる人がいる。
びっくりするくらい嬉しい言葉を掛けてくれる人もいる。

「いらっしゃると安心します」
と、声をかけてくださった方がいた。

この世に、この日常に、自分に会って喜んでくれる人がいること。それ自体が奇跡で、私には勿体ないほど素敵な贈り物だ。
接客の仕事はだいぶ慣れてこなせるようになったものの、向いていないなぁと思うばかりだけれど
この仕事に就いてよかった、恵まれたと実感する。

たとえ言葉を交わさなくとも、一口珈琲を飲みほんの少し口角が上がる表情をみたときは、心の中でガッツポーズ。
漠然とでも「よかった」と思ってもらうことが本望である。

珈琲の仕事をしているとどうしても他の人と比べて自信を失うし、私は横の繋がりも特に無く、なんだったら消されるのではと思うこともあるけれど(どした)
明日も明後日も一所懸命に、美味しい珈琲を点てること、そして自分とお客さんの大切な時間を紡ぐこと。そんな仕事をただ実直に続けていくことのみが、嬉しい言葉をかけてくれたお客さんへの恩返しであり、ただ一筋の道なのだと思った。

自分がこれだけ恵まれてるだとか、幸せだとかを綴る事はほんとうは嫌いだけど、次に人生を卑下し道を見失ったた時にこの気持ちを俯瞰できるよう、温かいうちに記しておく。


いつぞやフィルムカメラで撮ったカプチーノ。ぼやぼや

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