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Vol.8|「緑の雇用」との向き合い方。

こんにちは。
福岡県のうきは市と久留米市の森林を管理する浮羽森林組合です。

1か月ほど、noteの更新が滞っておりました。

その間、伐採作業中にキイロスズメバチから3回襲われました。
腕と顔の計5か所に闘魂注入を受け、文字通り刺激的な毎日を過ごしておりました。

ハチ達が徐々に活発化してきていたり、田んぼの稲穂があたまを垂れていたり、夕方の熱風が和らいできていることから福岡県の秋を感じている次第です。


さて、タイトルにもある通り、「緑の雇用」制度について触れたいと思います。


これを書いているボクは、緑の雇用生の2年目でもあるので、
8月は3回、計6日間の外部での研修に参加していました。

具体的にどんな研修なの?
と入社する前のボクが聞きたそうにしているので、
今回はざっくばらんに緑の雇用でどんなことをしているのか。について書きたいと思います。

ここでは、ボクたち浮羽森林組合の場合
緑の雇用生について、お話しようと思います。

なぜ、限定的な発信をするかというと、
各事業体によって制度の活用方法が異なるからです。

ひとつことわっておきますが、
万が一、この記事を読んでいただいて、他の事業体に入ってみたら思っていたのと違いました。という話もあるかもしれません。

浮羽森林組合で緑の雇用を受けてみたいな、興味が出てきたな。と感じてくれた方は電話でもコメントでもいいので、なにかしらアクションをいただけると嬉しいです。

ざっくり説明「緑の雇用」

さて、緑の雇用についてざっくり説明すると、

林業への新規就業者に対する教育を3年間行う。
その際に発生する給料や道具代、資格取得等にかかる費用について
国が助成しますよ。

といったものになります。

研修内容は、大別すると2つ。
・他事業体の緑の雇用生と併せて行われる集合研修(6月~12月にかけて月数回)
・組織ごとに行われる日々の業務で行われるOJT研修(通年)
があります。


※詳しい制度の説明や得られる資格、研修内容などは、
林野庁が説明していますのでそちらをご覧ください。


他事業体の仲間が増える集合研修について

集合研修で学ぶ内容は大きく分けると2つあります。

①林業に従事するにあたって必要な資格講習の受講
②林業で必要な技術の習得

です。

①は、チェーンソーをはじめ、刈払機・林業機械等の運転に必要な資格を取得するための講習ですね。
その間、カリキュラムに含まれる12個の資格について
受講生が負担するお金がゼロ。というのは、
ひとりの緑の雇用生として、大きなメリットだと感じています。

②は、チェーンソーや重機の扱い方など素材生産における技術、現場入りする前段の測量調査などで必要な知識を網羅的に習得する研修です。

この研修では、県内の同期生が一堂に会して研修を受講します。
各事業体および人によって、伐採・調査・道づくりなど、専門とする仕事が異なるので
毎回、それぞれがいま従事している仕事とは直接関係ない研修もあったりしますが、他の事業体でどんな人がどういう想いでどのような仕事をしているか。といった面も垣間見ることができます。

ちなみに浮羽森林組合において、新入社員はさまざまな作業を先輩の指導のもと、経験することができます。

僕がこれまで作業してきた内容を書いてみると、
主伐の伐採、搬出間伐の伐採、切捨て間伐、造材、枝払、下払、ワイヤー集材、フォワーダによる搬出(走行のみ)、危険木伐採、地拵え、植え付け、薪割り、木工作業、プロット調査、測量調査、間伐調査、毎木調査、ブログ、ホームページ作成、工程表の作成など
があります。

もちろん、まだまだ経験が浅いので、
すべての作業の流れを把握できている。ということはありませんが、
前後の作業を考えて、その場の作業に従事できるので、どう作業すれば仕事がうまく回るか。ということも意識することができます。
それができているかというとそれは別の話ですが。(笑)

たくさんやることが多くて大変そうじゃん。という声も聞こえてきそうですが、声を挙げれば林業に関するさまざまな経験をさせてもらえる環境が浮羽森林組合にはあります。


また、林業をしている外部組織の仲間が増える。といった側面もあります。緑の雇用の特徴の一つに”年齢層が幅広い”というのがあって、
ボクの同期は、一年目の入った時点で18歳~50歳という振れ幅があったので
みんなのバックグラウンドを聞くのが楽しかった記憶があります。

浮羽森林組合におけるOJT研修


日々の業務をこなしながら受ける研修ですね。

研修というと、お堅い印象を受けてしまいますが、

先輩と一緒に仕事をしながら
見て。聞いて。やって。失敗して。反省して。の
繰り返しで仕事を覚えるものですね。

ぼくたち浮羽森林組合では、
今年の2月から「林産技術班」という
新人育成に重きをおいた班が新設されました。

現在、4人がその班に在籍しています。
指導員が一人、3年間の緑の雇用を昨年卒業した職員が一人、
緑の雇用2年目が二人です。

特徴としては、
・生産性に重きをおいていない。
・指導員が監督に就いて、緑の雇用生をみる。
・緑の雇用生が同期を見ながら切磋琢磨できる

といったところでしょうか。


緑の雇用生がひとまとまりになることで、
育成に重きがおかれているところにポイントがあります。

指導員が一人。というところに不安を覚える方もいるかもしれませんが、
常に指導員の監督下にあるので、小さな失敗を重ねながら技能の向上に努めることができています。

一人立ちしてから失敗をするのと、見ている人がいて失敗するのとでは、
前者より後者の方が失敗をしたときの視点が増えるので、とてもいい環境で学ばせてもらっているなぁと感じています。

特に林業においては、
一つの失敗が死亡災害につながりかねないので、
視点を増やす。というのは経験が浅いボクたちにとって、
すごく大事な点だと思っています。

指導員のSさんにとっては、気が気じゃないかもしれませんが。(笑)


まとめ

というわけで、
今回は、浮羽森林組合における「緑の雇用」との向き合い方について、
緑の雇用2年目の視点でざっくばらんにお話をしました。
向き合い方はそれぞれ一長一短がありますので、僕たちの向き合い方がかならずしも正解であるとは思っていません。

もし、山が好き。森林に興味がある。林業をはじめたい。緑の雇用について知りたい。という方がいればぜひコメントください!
同業者の方でうちではこうしてるよ!というコメントもお待ちしています!

今回も記事をみていただきありがとうございました。






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