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ことわざ話①ー馬鹿の由来

正確には古事成語であるけれど、キャッチーさを優先させていただいた。ご了承願いたい。

分かりやすくするために、多少のアレンジを加えている。これもご了承願いたい。

では本題へ。

ある大国の王宮に貢物が運び込まれた。当時は、その国での商売の許可を得るときや、他国が入国してくる時などに、便宜を図ってもらう代わりに王への貢物が必要だった。千年前のギブアンドテイクである。

その日運び込まれたのは、金銀財宝、珍しい食材、そして、鹿であった。

それをみて、王の側近は

「これは、馬ですね」

と言った。

当然、王様は

「いや、鹿だろう」

と言った。

すると側近は、貢物を持ってきた商人たちのそばに行き、その一人に
「これは馬か鹿か、どちらだと思うか」
と聞いた。

大変困ったことだ。と商人は思った。

当時は階級社会である。身分が高い人の言葉を否定することはあってはならない。しかし、この場合、「馬」と答えれば王様の意見を否定し、「鹿」と答えれば側近の意見を否定することになる。

その商人は迷った末に、正直に「鹿です」と答えた。

側近はその者の首をはねた。

これが、「正直者は馬鹿を見る」の由来である

側近は、他の商人にも聞いていった。
もちろん「鹿」と答えたものはすぐさま殺されたが、「馬」と答えたものは殺されはしなかった。

当時、王様よりも側近の方が権力を持っていたからだ。

見たままの通りに正直に「鹿」と答え殺された者
当時の側近の権力を知っていて、「馬」と嘘をついてでも生き延びようとした者。

果たしてどちらが本当の「馬鹿」なのだろうか。

これが「馬鹿」の由来である。(諸説あり)

ではまた。


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