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醜いアヒルの子は白鳥にはなれない


醜いアヒルの子は白鳥になることを夢見る。
醜い僕は大きくてかっこよくなる夢を見る。

夢は寝てる間にだけ存在して
目覚めと共に海馬からも消えてくのだ。

冬の眠りから覚めたものたちは
冬の間たくさんのいい夢を見れるものなのかな。
もしそうなら、僕も冬の間に寝てしまって
たくさんのいい夢を見て、
あっという間に来るであろう春を待ちたい。

そのままいい夢を忘れて春が来るのなら
忘れるなんてお釣りが来るくらいだろ。

寒くなること。
心がかじかむような曲。
自転車のハンドルを持つ手が冷える。
ペダルを漕ぎ勧めるほどに風が不安を煽る。

冬は好きだが嫌いだ。

考えることが人の良さなら
考えることによって嫌な気持ちになるなら
考えることを止めてしまって
複雑な感情の行き先は掃き溜めに捨ててしまいたい

誰かに抱く不安は自分への余裕の無さ。
自信のなさ。考えすぎてしまう癖の悪さ。
人はあまり変わらない。
だから僕は変わったと思ってても、
変わらない。

あっという間に過ぎてく毎日についてくので、
精一杯だ。
少しでも気を抜くと、
全てに置いてかれそうな気分になる。
それでも何かに不安を覚えて、夢を見て、目覚めて
忘れる。そんな余裕がある僕が嫌いだ。

何もかも放り投げられたら
また違う世界にいけるのだろうか。
そんな勇気は無いくせに、
僕はまた考えることをやめない。



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