20代の頃の転職活動の思い出
最初に就職したメーカーには、丸10年勤めて退職しました。それは結婚し上京するための退職でしたが、実は一度だけ、「こんな会社もうやってられない!辞めたい!!」と思い転職活動をしたことがあります。
その頃の私は、月曜日から土曜日まで働いて(業務が多すぎて、休日出勤が常態化していたのです。)日曜日は月に2回はミュージカルを観に東京に出掛け、残りの日曜日は一日中泥のように眠るような毎日でした。
「私はミュージカルを観るために働いているんだ…」とまで思いこんでいた節があります。
ある時、海外赴任先から30代後半の主任が異動してきました。彼は、驚くほど仕事よりプライベートを優先する方でした。
赴任して3カ月ほど経過したときのことです。担当していた電気部品に不具合が多発し、新製品の製造ラインが逼迫。出荷に間に合わない可能性がでてきてしまったため、急遽部品メーカー先に土曜日に視察してくるようにと部長から指示が出ました。
令和の今とは時代が違います。女性はアシスタント業務を担うことが多かった当時、私が担当者として挨拶すると「お嬢ちゃんじゃなくて、担当者を出してよ」なんてしょっちゅう言われていた頃のことです。
いち担当者の私が対応するより、主任にここはお願いしよう(そして、現場のことをそろそろきちんと自分事として知っていただこう)と考え、私はこう主任に伝えました。
「『●●●社の【主任】がわざわざ交渉に来た』ということに意味があるんです。私のような、いち担当では重みがない。▲▲主任、お願いできませんか?」と言った私に、主任が言いました。
「俺さぁ、土日は前から決まってたテニス合宿なんだよ。齋藤さん行ってきてよ。どうせ、週末予定無いでしょ?」
「!!!」
「だってさぁ、齋藤さんいっつも仕事ばっかしてるじゃん。先週も仕事だったんでしょ?今週も、いつもと同じ週末になるだけじゃん?」
「!!!!!」
20代女子に言うセリフでしょうか!?
こんな上司の下では働けない!
辞めてやる!こんな会社、辞めてやる!!!
・・・
むしゃくしゃしながら、次に観に行く演目でも探そう…と眺めた、ある劇団のホームページに、【中途採用のお知らせ(未経験者歓迎)】の文字がありました。
提出書類は3種類。履歴書・職務経歴書・志望動機書です。
締め切りまでの1週間、寝る間も惜しんで書き上げた応募書類。
あっさり書類選考落ちでした笑
今ならわかります。
これまでのキャリアとの接点があまりにもない募集職種。
独りよがりな職務経歴書。
入社を嘆願するような志望動機。
何より、転職理由が・・・現状から逃げたいだけの、逃げの転職を隠そうとして、何を言いたいかわからない。。
劇団の人事の目は正しかった。と今も思います。
今の私なら、やる気のない主任の代わりに嬉々として土曜日の出張を受け入れると思います。もっともっと攻めてキャリアを積み上げればよかった。
20代の私に言ってあげられるものなら言ってあげたい。グラスシーリングを自分で作ってはダメだよ、と。
あれから20数年、世の中は変わりました。私も変わりました。
変わりたい人のお手伝いを、これからもしていきたいと思います。
齋藤亜瑚
よろしければサポートを是非お願いします。現在医療介護系の人材会社に所属しつつ、これまで経験してきたことを「転職しようと思ったこともないひとたち」「転職活動したことがないひとたち」が「転職せざるを得なくなってしまった」ひとに還元できるようにしたいと思い活動を始めました。